2024年05月08日 (水曜日)
携帯電話基地局から放射させるマイクロ波の何が問題なのか?〈後編〉急増する基地局設置をめぐるトラブル、高級マンションが台無しに、さいたま市でソフトバンクと楽天モバイル
本稿は、携帯電話基地局から放射させる電磁波をめぐる電話会社と住民のトラブルに焦点を当てた連載の後編である。前編では、電磁波による人体影響を科学的な観点から説明した。電磁波に関するフェイクニュースの氾濫を踏まえたうえで、電磁波の何が問題なのかを指摘した。
◎携帯電話基地局から放射させるマイクロ波の何が問題なのか?〈前編〉
◆楽天モバイル、天井裏に基地局を設置
JR大宮駅(さいたま市)の周辺には、商業施設やマンションが立ち並ぶ。その一角に空を背に聳える大宮ファーストプレイスタワーがある。25階の高層マンションである。戸数は179戸。
2023年の秋、楽天モバイルは、この集合住宅の管理組合に対して、建物内に5Gの基地局を設置する案を打診してきた。賃料は、最初は月額3万円を提示し、後日、4万円に改めた。設置場所は、1階ロビーの天井裏である。
天井裏に基地局を設置する手法について、わたしはかねてから違和感を感じていた。このタイプの基地局の存在をわたしが知ったのは2年ほど前だった。やはり楽天モバイルの基地局で、大阪市の住民から相談があったのが発端だった。その後、何人かの住民が同じタイプの基地局について、わたしに相談してきた。
楽天モバイルが管理組合に提出した基地局の位置と電磁波の照射方向を示すイメージ図によると、照射範囲は1階のロビーになっている。注意書は、次のように記述している。
「今回の電波対策はスポットでのアンテナ設置の為、局所的なサービスとなり、マンション全体への電波対策ではない」
2024年01月09日 (火曜日)
裁判所が役割を完全に放棄、民事調停を受理拒否、丸森町の楽天基地局の設置をめぐる事件で
携帯電話基地の設置をめぐる町長と住民のトラブルで、宮城県の簡易裁判所が前代未聞の暴挙に走った。発端は、今年の6月である。筆者のもとに、宮城県丸森町のAさん(男性)から、自宅の直近10数メートルの地点に楽天モバイルと丸森町が、町有地に基地局を設置したので相談に乗ってほしいと連絡があった。
基地局からは、高周波のマイクロ波が途切れることなく放射され、近隣住民に健康上の被害を及ぼすリスクがある。とりわけマイクロ波の遺伝子毒性が指摘されていて、たとえばIARC(国際がん研究機構)は、2011年にマイクロ波に発がん性がある可能性を認定している。
ドイツやブラジルで実施された基地局と発がんの関係を調べる疫学調査によると、基地局周辺では癌の発症率が相対的に高い(3倍程度)ことが判明している。
Aさんは、町当局や弁護士に相談するなど孤軍奮闘していたが、結局、有効な解決策はみつからなかった。そこで裁判所に民事調停を申し立て、メディアで事件を公にする決心をしたのだ。民事調停の「相手方」は、楽天モバイルの矢澤俊介社長か丸森町の保科郷雄町長ということになる。
そこでAさんは、より身近な人物である保科郷雄町長を「相手方」として、10月2日に民事調停申立書を大河原簡易裁判所(管轄は仙台地裁)に提出した。
通常、民事調停申立書が提出されると裁判所は調停の日程を決めて、「申立人」と「相手方」の双方へ通知する。ところがいつまでたっても、Aさんのもとには通知が届かない。
10月30日になってAさんのもとに、大河原簡易裁判所の山本久美子書記官から、照合書と題する書面が届いた。そこには3つの問い合わせ事項が記されていた。
2023年09月09日 (土曜日)
宮城県丸森町の住民らが楽天モバイルに署名を提出、町の共有地に基地局を設置
宮城県伊具郡丸森町で楽天モバイルの基地局撤去を求めている住民の会が、三木谷浩史社長に対して署名を提出した。基地局は、今年の6月に丸森町の公有地に設置された。基地局から直近の民家までは10数メートル。
住民の代表は町議を伴って、電磁波による人体影響を裏付ける資料や日弁連の見解などを町当局へ提出し、撤去を求めたが要望を拒否された。そこで今回の署名活動に至った。
住民側の要望は、次の点である。
2023年07月21日 (金曜日)
携帯電話基地局の電磁波による人体影響を考える、8月24日に大規模な集会
電磁波の被害を受けている人々などが中心になって組織した基地局問題実行委員会は、8月24日、衆議院第二議員会館で携帯電話基地局の安全性に警鐘を鳴らす集会を開く。タイトルは、「4G・5G携帯電話基地局は安全か」。スケジュールの詳細は次の通りである。
2023年07月08日 (土曜日)
大阪市北区東天満でNTTドコモと住民が対立、5G基地局の設置をめぐる係争、裁判所へ調停申立ての可能性も
今年の2月から、NTTドコモと住民の間で基地局の設置をめぐるトラブルが大阪市北区東天満で起きている。NTTドコモは、2,3年前にビルに基地局を設置した。その後、今年になって5Gの基地局を増設した。
その際に、すぐ近くのオフィス兼住宅に住む住民から苦情が持ち込また。NTTドコモは、通電工事をペンディングにして、住民と話し合いを続けていたが、7月11日に工事を再開する旨を住民に通知した。
住民から相談を受けたわたしは、NTTドコモと工事を請け負っている株式会社ミライト・ワンに対して、計画を断念するように申し入れた。住民に対しては、裁判所へ調停を申し立てるように勧めている。
◆電話会社が提供する偽りの情報
基地局設置をめぐるトラブルで、わたしが電話会社の広報部や工事担当者と話す機会は、このところ増えている。電話会社の主張は、次の3点に集約される。
❶総務省の定めた規制値を遵守して基地局を稼働するので、健康上の被害は起こりえない。
❷マイクロ波(携帯電話の電磁波)についての研究は50年のデータの蓄積があり、「危険」を警鐘する論文は1件も存在しない。
結論を先に言えば、❶も❷も事実ではない。
2023年07月05日 (水曜日)
多発する携帯電話の基地局設置をめぐるトラブル、楽天モバイル、人命よりもビジネス優先
携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルが絶えない。この1年間で、わたしは40~50件の相談を受けている。今月に入ってからも2件の相談を受けた。両方とも、問題を起こしている電話会社は楽天モバイルである。相談者はいずれも、知らないうちに基地局が設置されていたと訴えている。
宮城県丸森町のケースでは、町が所有する土地に楽天が基地局を設置した。工事中はシートで工事現場が覆われていたので、その内側で工事が行われていることには気づかなかったという。筆者は、工事を請け負った業者に事情を聞くために何度も電話したが、一度も応答することはなかった。
わたしに情報を提供した町民によると、地方都市に特有の閉鎖的な空気があり、町役場の方針に反旗を翻しにくいという。町会議員に相談するようにアドバイスした。裁判所に調停を申し立てる方法があることも伝えておいた。
◆東京都大田区のケース
2023年07月03日 (月曜日)
集合住宅で多発する携帯電話基地局の設置をめぐるトラブル、対策のノウハウ、事前に管理会社に申し入れを
携帯電話基地局の設置をめぐるトラブルが絶えない。わたしのところへ相談が殺到している。電磁波による人体影響についての知識が住民の間に浸透してきた反映であるから、ある意味では歓迎すべき事態である。とはいえ相談者にしてみれば、基地局問題は深刻なテーマであるから、理想的には、問題が起こる前段で対策を取るのが望ましい。本稿は、そのためのノウハウである。
よくある相談のひとつに、「住宅を留守にしている間に基地局が設置されていた」という苦情がある。具体的にどのような状況なのだろうか。
Aさんは、集合住宅の最上階に住んでいる。長期の海外出張から自宅に戻ると自分のマンションの真上に基地局が立っていた。それに気づいたのは、深夜、ブーンという唸るような振動音で眠りを妨げられたことである。屋上に何か機械でも放置されているのではないかと思い、翌日、管理人に尋ねてみると、基地局が立ったと知らされた。
実際、マンションの外から、自分の部屋を見上げてみると、真上に巨大なアンテナが立っていた。深夜に眠りを妨げた音は、基地局が発する低周波音だった。
※低周波音は、感知の度合いに個人差があり、聞こえる人も聞こえない人もいる。
風車による公害も、原因は同じ低周波音である。
通常、集合住宅(分譲マンション)に基地局を設置する場合、マンションの管理組が総会を開いて4分の3の議決を得なければならない。ところが、住民の大半は総会に参加する代わりに、管理組合の理事長に委任状を託す。その理事長は、電磁波についてはまったく知らない場合が多い。しかも、電話会社やマンション管理会社から接待を受けていることが多い。その結果、基地局の設置を承諾してしまう。
Aさんは、自宅に住めなくなり、自宅を売却しようとしたが、買い手がみつからない。結局、自宅を放置して、賃貸住宅へ引っ越さざるを得なくなったのだ。電話会社と管理会社に抗議したが、「総務省の規制値を守っているので問題ない」とはねつけられてしまった。その規制値は、たとえば欧州評議会に比べて1万倍もゆるいのだが。
このような事例が実際に何件も起きている。
次に紹介するのは、トラブルを回避するために、ある男性が自分が住むマンション管理会社に充てて事前に送った申入書である。ひな型として使えるので、多少修正したものを掲載する。著作権を放棄しているので、自由に使える。
2023年02月06日 (月曜日)
楽天モバイルの基地局設置をめぐるトラブル、東京都江東区、疫学調査では「癌が多発」、生活圏への事業拡大に反発の声
東京都江東区にある高層マンションに楽天モバイルが通信基地局を設置する計画が浮上して、住民の一部から健康被害に対する不安の声があがっている。問題になっているマンションが立地しているコミュニテーは東京湾に近く、海の輝きが空に反射して白光を放っているかのような、明るく近代的なイメージがある。何棟もの高層ビルがそびえている。都心にも近く、住環環境としては申し分がない。その生活圏へ楽天モバイルが事業を拡大してきたのである。
同じような問題が全国各地で起きている。電磁波問題は化学物質による汚染とならぶ新世代公害の代表格にほかならない。正体が透明で認識が難しい。
筆者は2005年から通信基地局からの電磁波問題を取材しているが、今回、楽天が設置を計画している基地局は、マンションのエントランスの「天井内」に設置するタイプのものである。従って外部からは目視できない。
同じようなタイプの基地局設置は、大阪市浪速区など他の地域にある高層マンションでも問題になったことがある。浪速区のケースでは理事会の総会で却下された。電磁波による人体影響を懸念する住民の声が強かったからである。理事会が住民の安全を賃料収入に優先した結果にほかならない。
ちなみに浪速区の件では、楽天モバイルは建物の屋上にも基地局を設置する計画を打診していた。
楽天モバイルは2023年度のうちに基地局の数を全国で6万基超にする計画を立てている。それにともない筆者のところに、「トラブル相談」が殺到している。大半のケースは解決しているが、和歌山県や千葉県の市川市では、一部住民の反対を押し切って基地局設置を強行した経緯がある。
他の電話会社も各地でトラブルを起こしており、KDDIのケースでは、住民が裁判所へ調停を申し立てる事態にもなっている。
◆電磁波による人体影響の何が問題なのか
2022年12月12日 (月曜日)
スマホに使われるマイクロ波に発がんリスク、総務省の規制値の何が間違っているのか?
スマホや携帯電話の通信に使われるマイクロ波による人体影響が懸念されている。しかし、日本の総務省は、マイクロ波の強度を厳しく規制していない。その根拠となっている考え方にどのような問題があるのだろうか?
通信基地局の設置をめぐり電話会社と住民のトラブルが多発している状況下で、マイクロ波による人体影響(リスク)を科学的に把握しておく必要がある。
次に示すのは、日本の総務省が定めた規制値と、欧州評議会が定めた規制値(厳密には勧告値)の比較である。数値が少なければ少ないほど規制が厳しいことになる。
日本の総務省:1000 μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル)
欧州評議会:0.1μW/c㎡、(勧告値)
日本以外の多くの国々も、なかり高い数値を設置している傾向があるが、日本の総務省の規制値は、米国の規制値と並んで世界一高い。
◆マイクロ波の熱作用と非熱作用
マイクロ波による人体影響には、大別して2つの学説がある。人体影響は、「熱作用」に限定されるという説と、熱作用に加えて「非熱作用」も考慮しなければならないという説である。この2つの説の違いが、総務省による規制値と欧州評議会による勧告値の違いを生じさせたのである。
■熱作用
「熱作用」とは、マイクロ波が熱を発生させる作用のことである。典型的な例としては、電子レンジがある。マイクロ波に熱作用があるがゆえに、マイクロ波を放射することで、食品を加熱することができる。
日本の総務省は、マイクロ波の熱作用だけを考慮して、1000 μW/c㎡というとてつなく緩やかな規制値を設置したのである。
■非熱作用
これに対して「非熱作用」とは、「熱作用」以外の作用の総称である。その代表格は、遺伝子毒性である。遺伝子を破壊して癌を引き起こす作用である。他にも神経系に悪影響を及ぼして、パーキンソン病などを発生させるとする説もある。
「熱」は知覚できるが、「非熱」は知覚できない。それはちょうどレントゲン撮影で、熱も痛みも感じない原理と同じである。それゆえにわれわれはエックス線のリスクについての情報を得て、はじめて自主的に被曝をさける行動をとる。
ところが総務省は、マイクロ波の「非熱作用」について注意喚起していない。従って日本人の大半は、マイクロ波の「非熱作用」によるリスクをまったく認識していない。恐ろしいことである。
電磁波(放射線)は、エネルギーの高いガンマ線やエックス線から、エネルギーの低い低周波電磁波(家電や送電線)までさまざまな種類(領域)がある。かつてはガンマ線やエックス線などエネルギーの高いものは危険で、エネルギーの低いものは安全とされていた。
ところが今世紀に入るころから、電磁波はエネルギーの大小とはかかわりなく、すべて「非熱作用」があるとする説が有力になってきた。こうした学説の変化に反応するかたちで、欧米では国が設置している緩やかな規制値とは別に、地方自治体が独自に厳しい規制値を設置する動きが現れたのである。
その典型例が、欧州評議会の勧告値、0.1μW/c㎡なのだ。
2022年09月05日 (月曜日)
稲盛和夫の「名言」と基地局問題、露呈したKDDIの企業エゴイズム
優れた経営者として名を馳せてきた稲盛和夫氏が、8月24日に亡くなった。ウィキペディアによると、同氏の経歴は次の通りである。
稲盛 和夫(いなもり かずお、1932年〈昭和7年〉1月21日 - 2022年〈令和4年〉8月24日)は、日本の実業家。京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者。公益財団法人稲盛財団理事長。「盛和塾」塾長]。日本航空名誉会長。
京セラやKDDIの創業者で、経営に関する著書も多い。ビジネスマンの間で評価が高く、松下幸之助と並んで、経営の神様としてもてはやされていきた。金策に富んだ経済人だった。日本航空のリストラに大鉈を振るったという批判も浴びた。
この人物について書くとき、わたしには許せないことがある。
◇電磁波という新世代の公害
2020年の夏、わたしが住む埼玉県朝霞市の城山公園(市の所有地)に、KDDIが携帯電話の基地局を設置した。土地の賃料は、月額で約360円。無料同然の賃料を納金し、朝霞市でも電話ビジネスを拡大している。だが、基地局が放射するマイクロ波を1日24時間、365日にわたって被曝させられる近隣住民はたまったものではない。モルモット同然だ。立派な迷惑行為である。
わたしは基地局設置の工事に気づき、KDDIの子会社・KDDIエンジニアリングに工事の中止を求めた。欧米では、電磁波による人体影響を考慮して、基地局の設置には一定の制限を設けている。設置された基地局を撤去するように裁判所が判決を下した例もある。
KDDIエンジニアリングは、わたしの要請に応じて、一旦工事を中止した。そして現場から機材を搬出した。さらに現場を木の柵で囲って、立ち入り禁止にした。
その後、わたしは何度かKDDIエンジニアリングの担当者や朝霞市の職員と話し合った。しかし、KDDIエンジニアリングは、結論に達していないのに、一方的に工事を再開して基地局を完成させたのである。朝霞市もそれを黙認した。住民よりも企業に便宜を図ったのである。後日、富岡勝則市長に電磁波に関する公開質問状を送ったが、電磁波問題そのものを分かっていない様子だった。
2022年06月22日 (水曜日)
5Gによる人体への影響、千葉県市川市の住民が市に請願書を提出、電話会社による説明義務の条例化を求める
携帯基地局の設置に規制を求める運動を展開している市川市の住民グループの代表が、市議会に対して説明責任の条例化を求める請願書を提出した。請願書は、6月20日付けで受理された。同市のウエブサイトによると、請願の概要は次の通りである。
請願第4-1号 携帯電話基地局を設置又は改造する時には事業者はその計画を地域住民等に対して説明を行うこと及び設置済みの携帯電話基地局についてその事業者は地域住民等の求めに応じて説明を行うことの条例化を求める請願 (環境文教委員会付託)
2022年06月06日 (月曜日)
朝霞第二小学校の正門前でマイクロ波を測定、欧州評議会の勧告値の74倍、危険領域に、朝霞市は「基地局に関する情報は把握していない」
人命よりも経済を優先する電話会社の方針が露骨になっている。際限なく事業を拡大して、小学校の児童にまで電磁波による健康被害のリスクが及んでいる。
5月29日、わたしは朝霞第二小学校(埼玉県朝霞市)の正門前で、通信基地局から放射されているマイクロ波の測定を実施した。マイクロ波は、携帯電話の通信に使われる電磁波で、人体影響が懸念されている。特に幼児に対する影響が深刻とする見方があり、欧米では学校などで、年少者が携帯電話を使用することに一定の制限を設けている国もある。
そんなこともあって、わたしは自宅近くの朝霞第二小学校でマイクロ波を測定することにした。測定の結果、危険領域に入る数値が測定された。
マイクロ波の値は、μW/c㎡などで表示することになっている。数値が高ければ高いほど人体への影響が懸念される。そのことを念頭に以下、①日本の総務省が定めている規制値、②朝霞第二小学校の正門前の測定値、③欧州評議会の勧告値を紹介しよう。
①総務省の規制値:1000μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル)
②朝霞第二小学校の測定値:7.35μW/c㎡
③欧州評議会の勧告値:0.1μW/c㎡
※測定に使ったのは、TM195という測定器である。この測定器でカバーできる電磁波の周波数領域は3GHzまでなので、5Gのマイクロ波やミリ波が使われていれば、測定値はさらに高くなる可能性がある。
※通信基地局から発せられる電磁波は、様々な周波数のものが混合されている。変調電磁波と呼ばれ、マイクロ波は言うまでもなく、厳密にいえば、低周波の電磁波も交じっている場合が多い。デジタルで瞬間的に高いエネルギーを放出する。それを延々と繰り返す。【続きはデジタル鹿砦社通信】
2022年05月31日 (火曜日)
楽天モバイル、「障害者」との確認同意書を逆手に通信基地局を増設、問われる企業倫理
新世代公害の代表格といえば、化学物質による汚染と電磁波による汚染である。両者とも汚染が自覚できるとは限らず、透明な牙が知らないうちに人々の体を蝕んでいく。医学的根拠は迷宮の中。電話会社はそれを逆手にとって、「危険という確証はない」との詭弁をかかげて、大規模な電話ビジネスを展開している。NHKなどのマスコミがそれを全面的にサポートする。が、その裏側では、健康被害が広がっている。
東京都目黒区中央町は、中層ビルと民家が広がる都市部の住宅街である。最寄り駅から都心の渋谷まで5分。利便性が高い静かな街である。その街で楽天モバイルの基地局をめぐる係争が起きている。事業拡大に走る楽天と、生活環境を守りたいある女性のトラブルである。
両者の攻防は、わたしの眼には、かつて海外でエコノミック・アニマルと呼ばれた日系企業と現地住民の対立のように映る。外部から侵入してきて、開発と文明化を口実に資源を収奪する「よそ者」と、被害者意識と憎悪を抱く住民の壁である。日本製品に対する不買運動も起きた。
楽天モバイルとと女性の対立にも同じような構図がある。
伊藤香さんは、自宅の一部を改造して「はなちゃんカフェ」を主宰している。「はなちゃんカフェ」とは、化学物質過敏症や電磁波過敏症に悩む人々を救済するための憩いのサロンである。
2017年12月19日、伊藤さんの愛猫、はなちゃんが息を引き取った。化学物質による複合汚染が引き金だった。とりわけ猛毒のイソシアネートがはなちゃんを直撃したようだ。米国では厳しく規制され、日本では野放しになっている化合物である。化学物質過敏症の代表的因子である
2022年05月17日 (火曜日)
楽天の巨大基地局設置の計画、住民らが中止に追い込む、半径7キロをカバー、基地局の正体が明らかに、大阪市浪速区の高層マンション
大阪市浪速区の39階建ての高層マンションの屋上に楽天モバイルが通信基地局を設置する計画が、5月8日、住民らの反対により中止に追い込まれた。住民によると、マンションの管理組合は、基地局設置の賛否を採決する予定にしていたが、住民からの反発が強く、議案そのものを廃案にしたという。
実際、この基地局については、住民の間から戸惑いの声が上がっていた。楽天は、基地局は緊急時用のもので、「普段は停波しており、災害時や停電トラブル時などに起動します」と説明していたが、基地局の規模が尋常ではなかったことが、住民の不安を喚起したようだ。後に判明したことだが、この基地局は、最大で半径約7kmのエリアをカバーする。
2022年05月08日 (日曜日)
NHK『所さん!事件ですよ』、携帯基地局にまつわる事件をボツに プロデューサーは「電磁波問題はタブーではない」と弁解
NHK総合が放送する「所さん!事件ですよ」を制作する(株)テレビマンユニオンが、携帯基地局からの電磁波による健康被害を考える番組を中止したことがわかった。当初、担当ディレクターは、被害者を紹介するよう依頼し、筆者は4人の被害者を紹介したが、4人が取材を受けることすらなかった。ディレクターに事情を尋ねたところ、基地局の仲介業者からストップがかかったことを明かした。一方、プロデューサーは、「もともと電磁波による健康被害が取材目的だったのではなく、基地局設置工事の騒音被害を取材することが目的だった」などと、不自然な説明を繰り返した。筆者が、業界タブーがあるのではないかと尋ねると、「それは絶対にない」と強く否定。タブーという趣旨でこの問題の顛末を記事化することは不本意とも述べた。
【Digest】
◇電磁波問題を報じる欧米のメディア
◇電磁波問題は巨大ビジネスの障害
◇基地局に関する6本の記事
◇「番組の概要を添付します」
◇私が紹介した4件のトラブル
◇「NHKは関係がなく、ぼくらの取材が進まなかった」
◇NHKに対する問い合わせ
◇「原稿を入稿する前に読ませてほしい」
◇マスコミが報じない問題こそ報道価値が高い
2022年05月04日 (水曜日)
《書評》マーティン・ブランク著『携帯電話と脳腫瘍の関係』── スマホの通信基地局の近くほど発がん率が高い
現代社会で最も普及している文明の利器は、スマートフォンである。電話会社は、スマートフォンの普及を押し進め、それに連動して通信基地局をアメーバ状に拡大している。総務省も全面的に電話会社の事業を支援し,マスコミは広告主である電話会社に配慮して、電磁波問題の報道を控えている。大学の研究者も、企業や国策をさかなでする電磁波による人体影響を研究テーマに選ぼうとはしない。巨大な相手を敵に回したくないからだ。電磁波問題はタブーなのである。
こうした風潮に逆行するかのように、『携帯電話と脳腫瘍の関係』(マーティン・ブランク、飛鳥新社)は、電磁波による人体影響を容赦なく指摘している。電磁波に関する欧米での研究成果を分かりやすく紹介している。
著者のマーティン・ブランクが最も懸念しているのは、電磁波が原因と推測される癌の増加である。従来、レントゲンのX線や原発のガンマ線は発癌を促す原因として認識されてきたが、それ意外の電磁波は安全とする考えが定説となっていた。たとえば日本の総務省は、この考えに基づいて1990年に、現在の電波防護指針を定めた。それを根拠として電話会社の携帯ビジネスにお墨付きを与えてきたのである。
ところがその後、特に欧米で電磁波の毒性に関する研究が前進し、現在ではエネルギーが高いX線やガンマ線だけではなく、マイクロ波や超低周波電磁波(送電線や家電からもれる電磁波)にもDNAを傷つけて発癌を促すリスクがあることが明らかになってきたのだ。それに伴い、たとえば欧州評議会は、日本の電波防護指針よりも1万倍も厳しい勧告値を設けた。電磁波による人体影響に関する従来の認識を大幅に改めたのである。
たとえば本書では、次のように通信基地局と発癌の関係に警鐘を鳴らしている。
「ブラジルでの研究でも同様の結果が報告されている。そこでがんの累積症例数がもっとも多かったのは、40.78μW/c㎡という高い電力密度の放射に曝露した人々だった。その発がん率は1000人当たり5.38件。より遠方に暮らし、曝露の電力密度が0.04μW/c㎡の人々は、がん発生率がもっと低く、1000当たり2.05人だった。こうした研究は、基地局が携帯電話に関連したリスクの大きな要素であることを示している」【続きはデジタル鹿砦社通信】
2022年05月03日 (火曜日)
楽天モバイルが「非常時のみ運用する基地局」の計画を住民に打診、大阪市浪速区の高層マンション
携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルが増えている。4月中だけで、わたしのところへ7件の相談があった。すべて楽天モバイルの基地局設置に関する相談である。
相談が増えている背景に、情報の入手源に国境の壁がなくなってきた事情があるようだ。欧州では電磁波被曝は、人体に何らかの悪影響を及ぼすという考え方が主流になっている。実際、携帯電話で使われるマイクロ波の規制値は、日本の1000 μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル)に対して、欧州評議会は、0.1μW/c㎡を勧告している。欧州評議会は、日本よりも1万倍厳しく数値を設定しているのである。規制の次元が違うのだ。
ちなにみに日本の規制値は、世界標準をも上回っていて、米国と並んで世界で最もゆるやかな規制になっている。しかも、日本の場合、米国と違って基地局設置を規制する条例がほとんどないので、電話会社の事業が野放しの状態になっている。莫大な利益をあげている。
こうした構図の下で、電話会社による「迷惑行為」が急増しているのである。
2022年03月07日 (月曜日)
5G通信基地局の設置をめぐる電話会社とのトラブルが急増、マンション管理会社が仲介、電磁波による人体影響は欧米では常識に
2月中旬のことである。東京都内に住むわたしの友人Aさんが相談ともぼやきとも受け取れるメールを送付してきた。家族が居住する350世帯ほどの集合住宅の管理組合に対して、マンション管理会社が楽天モバイルの携帯基地局を、同マンションの屋上に設置する計画を打診してきたというのだ。Aさんは、5Gで使われる電磁波による人体影響を懸念している。
わたしは2005年から携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルを取材してきた。その関係で、わたしのところに住民からの相談が相次いでいる。1年半ほど前から、平均すると月に2、3件の相談が寄せられている。今週も1件。こうした現象の背景に電話会社が、競い合うように通信基地局を設置している事情がある。特に、電話ビジネスへの参入が遅れた楽天に関するトラブル相談が多く、全体の9割を占める。
Aさんは電気工学の専門家である。退職するまで有名大学で教鞭を取っていた。電磁波問題を取材しているわたしが、助言をお願いしている研究者である。電磁波による人体影響の評価がどう海外で変化しているかについてもよく把握されている。
実はAさんが基地局問題に巻き込まれたのは、今回が初めてではない。静岡県のリゾート地に所有している別宅のマンションでも、数年前に同じ体験をした。電話会社が屋上に基地局を設置する計画を持ち掛け、しかも、事前に管理組合の理事らと懇意な関係を築き、強引に基地局を設置したのだ。
Aさんは居住者たちに、電磁波による人体影響を説明しようとしたが、大半の住民が電磁波については全く何も知らず、健康上のリスクを理解してもらえなかったという。
「無知とは恐ろしいものだ」と、呟き、泣き寝入りしたのである。
2022年02月21日 (月曜日)
5Gの基地局設置をめぐるトラブルが急増、後発の楽天に対する苦情が相次ぐ、マンション管理会社を巻き込んだ設置計画
携帯電話の基地局設置をめぐる問題は、だれにでも突然に降りかかってくる問題である。それを改めて実感した。時々、電磁波問題などで情報交換をしている友人が住むマンションの屋上に、楽天が基地局を設置する計画を打診してきたのだ。マンション管理組合の総会で採決を取ることになっているが、大半の住民は、委任状を提出して総会には参加しないので、理事長の意思で設置が採択される可能性が高い。大半の人は、電磁波による人体影響についての知識がなく、賃料が得られるメリットに飛びついてしまうからだ。
この友人は数年前に別宅のマンションで、同じ被害にあったことがある。
電話会社が、自社のビジネスのために次々と住民の生活環境を破壊している実態が改めて浮上した。
2022年01月20日 (木曜日)
普及が進む携帯電話の基地局(4G、5G)の裏で低周波による被害も多発
神経が敏感な人にとっては、麻酔をかけた頭をドリルで貫かれるような感覚を覚えたりする。それが思考や睡眠を妨げる。新世代公害は、影のように住居に闖入してくる。
電磁波問題を取材している関係で、わたしのもとに電磁波による被害についての情報提供や内部告発が寄せられる。電話会社が、民家の直近やマンションの屋上に、一方的に携帯電話の基地局(4G,5G)を設置した後、住民が被害を受ける事件が頻発していることは、既報してきたが、同じ基地局問題でも若干タイプが異なるのが、低周波電磁波による被害である。
携帯電話の通信には、おもにマイクロ波と呼ばれる高周波の電波が使われる。しかし、基地局の機械部分からは、低周波が漏れている。それがもうひとつの健康被害の原因になっている。
2021年12月08日 (水曜日)
【書評】加藤やすこ著『スマートシティの脅威』、地上から宇宙へ、エスカレートする電磁波公害の新しい視点を提供
電磁波の工業利用に歯止めがかからない。かつて電磁波問題といえば、高圧電線や変電所、あるいは携帯電話基地局の直近に住む住民が受ける人体影響の検証が主流を占めていた。家電からもれる電磁波も議論の的になっていた。
しかし、このところ電磁波問題の全体像が変化してきた。宇宙を飛行する無人の基地局が電磁波の放射源となり地球全体を汚染する時代の到来が秒読み段階に入り、その安全性を検証することが電磁波問題の新しい視点として登場した。従来とは比較にならないほど、広い視野が求められるようになってきたのだ。
本書はそんな時代を見据えて、電磁波による健康被害はいうまでもなく、プライバシーの危機なども総括的に捉え、新世代公害に警鐘を鳴らしている。
2021年11月27日 (土曜日)
自宅から退去せざるを得ない住民が続出、電話会社による強引な通信基地局の設置、水面下の社会問題に
今年の10月4日に、自民党の金子恭之議員が総務大臣に就任した後、携帯電話の通信基地局をめぐる電話会社と住民の間のトラブルが深刻になっている。電話会社が住民の意思を無視して一方的に基地局を設置し、泣き寝入りのかたちで自宅から退避せざるを得ない人々が急増しているのだ。水面下で新しい社会問題が進行している。
金子総務大臣の就任とトラブルの急激な増加を裏付ける証拠はないが、少なくとも問題が深刻になっているのが実情である。
楽天モバイルの基地局設置をめぐるトラブルは、1年ほど前から次々と、「電磁波からいのちを守る全国ネット」へ持ち込まれてきたが、幸いにこれまでは住民側が基地局設置を嫌がった場合に限り、設置計画を中止することが多かった。ところが最近は、住民が反対しても、電話会社が強引に計画を断行する傾向が顕著になっている。
2021年11月13日 (土曜日)
和歌山県の基地局問題、楽天との一問一答、契約書と基地局の位置情報、住民には非開示
10月27日に本ウエブサイトで報じた和歌山県で起きている基地局問題の続報である。既報したように紛争の当事者は、楽天モバイルと鈴木(仮名・女性)さんである。
楽天は、鈴木さん宅の直近に基地局設置を計画している。「電磁波からいのちを守る全国ネット」の介入で、一旦工事は延期になったが、楽天は11月13日に着手すると告知している。
【参考記事】楽天の基地局設置をめぐるトラブル相談が年間で約70件、楽天、「弊社としては総務省の電波防護指針に従って法令遵守で設置しております」
鈴木さんは、楽天に質問状を提出した。以下、鈴木さんの質問、楽天(楽天モバイル株式会社関西営業部)の回答(11月12日付け)、筆者のコメントである。
【質問①】○○の屋上に携帯電話基地局を設置するにあたり作成された契約書には 本当に「基地局設置後に健康被害が発生した場合、直ちに基地局を撤去します」との記載はありますか?
2021年11月11日 (木曜日)
総務省に対して情報公開請求、「2019年度と2020年度に、楽天グループから貴省に対して発行された請求書」
総務省に対して、次の2件の情報公開請求を行った。
1、2019年度と2020年度に、楽天グループから貴省に対して発行された請求書
2、 2019年度と2020年度に、電話会社に提供した『電磁波と安全な暮らし』の冊数と制作費を示す資料
「1」と「2」を請求した理由を説明しておこう。
周知のように、わたしは電話会社による通信基地局の設置をめぐるトラブルを取材・報道している。その中で総務省が定めている電波防護指針(1000マイクロワット・パー・センチメートル)は極めて危険な数値で、実質的に規制にはなっていない旨を報じてきた。これに対して、電話会社は、「自分たちは総務省が定めた電波防護指針を遵守して基地局を稼働するので、絶対に安全だ」と反論する。
地方自治体も、まったく同じ見解である。たとえば基地局問題についての埼玉県朝霞市の見解は次のようなものである。
電波については国が法令や指針等により規制を行っていることから、電波行政を所管する国や事業者へ確認していただくようお願いいたします。
また、携帯電話基地局については、国が法令等において健康への予防的観点からの規制を行っており、本市としてはこれらの規制を遵守して基地局の設置が行われている限り、安全性は確保されているものと考えております。
今回の2件の情報公開請求は、電話会社と総務省、あるいは地方自治体の「取引関係」を調査するための発火点にほかならない。両者はどのような関係にあるのかを調査する。
2021年11月09日 (火曜日)
楽天モバイルが工事を強行、沖縄県読谷村の通信基地局問題、「命どぅ宝」
沖縄県読谷村の通信基地局設置をめぐる楽天モバイルと住民の紛争で、楽天は、8日、住民の反対を押し切って、基地局設置工事を強行した。現地の住民から連絡があった。裏付けの写真も送付されてきた。
この事件の発端は、今年4月である。楽天は、沖縄県中頭郡読谷村字高志保にある賃貸マンションに基地局を設置する計画を立ち上げた。しかし、住民らがこれに反対。マンションの住民、近隣住民、村議会議員ら11名が楽天に説明を求めて話し合った結果、工事は一旦中止になった。
しかし、10月下旬に楽天は、工事の再開を通知して、11月8日に工事を再開した。
現地の垣内成子さんは、「引き続き反対運動を続ける」と話している。
2021年11月05日 (金曜日)
楽天モバイルと女性たちが全面対決の様相、工事開始が8日せまる、沖縄読谷村の通信基地局設置問題
沖縄県読谷村で起きている楽天モバイルの基地局設置をめぐる紛争は、週明けから新しい局面に入る。楽天モバイル側は、11月8日(月)に工事を再開するスケジュールを組んでいる。これに対して、垣内成子さんら女性を中心とした反対住民らは、体を張ってでも工事を阻止する構えを見せている。
既報したように、この事件の発端は、垣内さんらが住む賃貸マンションに楽天モバイルが基地局設置を計画したことである。マンションのオーナーは設置を希望している。これに対して、同マンションに住む4世帯(全8世帯)が反対している。さらにマンションの近隣住民からも、不安の声があがっているという。
電話会社と住民らの対峙で、反対派の強制排除が行われた例としては、1998年に熊本市で起きた九州セルラー(現KDDI)のケースがある。同社が基地局を設置しよとしたところ、住民らが座り込みで対抗。座り込みは4カ月続いたが、最後は九州セルラーが雇ったガードマンが、住民らを力で排除した。
読谷村の住民らは平和的な解決を望んでおり、基地局の設置場所となるマンションの住民4人は、工事中止を求めて楽天の三木谷浩史CEO、山田善久社長、それにマンションのオーナーらに対し、次の要請文書を送付した。
2021年11月02日 (火曜日)
沖縄県読谷村で楽天の基地局設置をめぐるトラブル、 「28GHz」の使用も想定、「近隣住民には説明する必要がない」
携帯電話の通信基地局の設置をめぐるトラブルが後を断たない。10月30日に沖縄県中頭郡読谷村字高志保の垣内成子さんから、「電磁波からいのちを守る全国ネット」に相談があった。
トラブルの対象になっているのは、垣内さんが住んでいる賃貸マンションに設置を計画している基地局である。電話会社は楽天モバイル。
楽天が住民に対して、11月8日から30日の予定で基地局を設置する旨の告知をおこなったのを受けて、垣内さんから「全国ネット」に相談があった。
2021年10月27日 (水曜日)
楽天の基地局設置をめぐるトラブル相談が年間で約70件、楽天、「弊社としては総務省の電波防護指針に従って法令遵守で設置しております」
わたしの手元に1通の告知チラシがある。携帯電話の基地局設置工事を告知した4A版のチラシである。
皆様方には、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度、下記予定にて楽天モバイルの通信設備工事を実施いたします。
作業期間中は何かとご迷惑・ご不便をおかげいたしますが何卒ご理解・ご協力を頂きますようお願い申し上げます。(略)
工事の期間は10月16日から10月23日となっている。
2021年09月23日 (木曜日)
楽天の基地局設置をめぐる係争、懸念されるマイクロ波の遺伝子毒性、地主が反対住民に、「損害賠償請求の検討に入った」
電話会社が空前の利益を上げている。NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI3社の2020年度の売り上げは、合計でゆうに15兆円を超えた。5Gの普及という国策と連動して、無線通信ビジネスはいまや花形産業にのぼりつめた。
しかし、その影では、通信基地局の設置をめぐる電話会社と住民のトラブルが多発している。なかには自宅から退去せざるを得なくなった人もいる。
基地局設置をめぐるトラブルの背景には、基地局から放射されるマイクロ波による人体影響が、否定できなくなってきた事情がある。とりわけ遺伝子毒性が、否定できなくなってきたのである。それが問題を深刻にしている。
わたし自身、2005年に埼玉県朝霞市岡の自宅マンションの真上に、NTTドコモとKDDIが基地局を設置する計画を打診する体験を持ったことがある。しかも、設置個所はわたしの書斎の天井を隔てた真上だった。幸いに設置は阻止したが、それ以来、わたしはこの問題を取材してきた。
これは、ある日突然にだれにでも降りかかってくる問題なのである。
2021年05月28日 (金曜日)
岐阜県恵那市で楽天モバイルが基地局設置を断行、懸念される電磁波の遺伝子毒性・発がん①
電話会社が法律を上段にかかげて、携帯電話基地局を設置する事件が起きた。
今年になって楽天モバイルは、岐阜県那市の●●地区に基地局設置の計画を打ち出したが、一部の住民がこれに反対した。楽天モバイルは住民との話し合いには応じたが、楽天に用地を貸す地主が合意したこともあって計画を進めた。
そして2021年4月30日、自治会に対して「確約書」なる書面を提出して、基地局の設置工事を完了した。