テレビCMは契約どおりに放送されているのか?

テレビCMの「中抜き」、あるいは水増し請求疑惑が浮上した。テレビ局がCMを放送していないにもかかわらず、放送したことにして、広告代理店がCMスポンサーに料金を請求する手口である。新聞の折込広告の「中抜き」や水増し請求の手口に類似した犯罪が、テレビ業界でも、行われてきた疑惑が浮上したのだ。
実は、CMにまつわるこの種の不正は、1990年代の後半に、静岡第一テレビ、福岡放送、北陸放送、岩手朝日テレビなどで発覚している。新聞もこれらの事件を報道している。
CMスポンサーに対する信用を失墜した放送業界は、民放連や広告主協などを中心に対策に乗りだした。そして2000年から放送確認書を発行する制度を導入したのである。
放送確認書は、CMを放送したことを示す一種の証明書である。発行のプロセスは、まずCMコードを付番して、それをコンピューターに入力し、CM放送が完了するとコンピューターがそれを認識して、放送確認書を自動的に作成する。全行程をコンピューターに委ねることで、人間による改ざんや偽造を防止する。
放送局は、コンピューターから出力された放送確認書を広告代理店へ届ける。広告代理店は、それを請求書と一緒にCMスポンサーに届ける。完璧なCM不正防止のための制度として定着してきたのだ。


















































