政界工作と裁判の多発、調査報道の実績はあるのか? 渡邉恒雄の軌跡

読売新聞の渡邉恒雄氏が死亡したという情報が、週末に飛び交った。文筆家の菅野完氏が発信源で、それを複数の人々がソーシャルメディアで拡散したのだ。真相はまだ分からないが、そろそろ渡邉氏についての検証を始める時期に来ているのではないか。
筆者は、渡邉氏がジャーナリズムに与えた最も大きな負の影響は、マスコミ企業と政界を癒着させたことだと思う。渡邉氏がメディア企業幹部との会食を重ねてきたことは周知となっている。取材目的の会食とは思えない。その後のレポートがないからだ。それよりも両者の情交関係を深めることが目的だったのではないか。
つまり新聞人としてはやってはいけないことを、新聞業界の「重鎮」が先頭に立って実践していたのである。それをとめる人もいなかった。
その結果、マスコミがジャーナリズム性を発揮しない限り政府は、新聞の再販制度を保証し、「押し紙」問題と折込広告の水増し詐欺を黙認し、さらには消費税の優遇措置を与える特権を維持してきたのである。そのための交渉が会食の場で行われた可能性も否定できない。渡邉氏に政界との太い人脈があったから、こうしたあるまじき行為がまかり通っていたのだろう


















































