前最高裁事務総局長の今崎幸彦氏と元読売新聞論説委員の桝井成夫氏、新聞人と裁判官の関係はどうあるべきなのか?

10年ほど前から注視しているテーマのひとつに、新聞社と裁判所の関係がある。両者は、特別な関係にあるのか、それとも独立した関係にあるのかというテーマである。かりに事件や人を裁くただならぬ特権を付与された裁判官が、特定の組織や個人と特別な関係を持った場合、人脈が幅を利かせている日本社会では、裁判の公平性が保てなくなる可能性が高い。それゆえにわたしは、これを重大なテーマと考えたのである。

2009年2月、読売新聞がわたしを名誉毀損で提訴した。メディア黒書の記事で社会的な評価を低下させられたという理由で2200万円の「金銭」を請求してきたのだ。読売の代理人として登場したのは、喜田村洋一・自由人権協会理事だった。

◆◆
この裁判で筆者と弁護団は、第1審のさいたま地裁、第2審の東京高裁で勝訴した。いずれの裁判所も読売の請求を棄却したのである。しかし、読売は最高裁に上告(厳密には、判例を根拠とした上告受理申立て)した。【続きはウエブマガジン】

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千葉県船橋市でも広報紙の水増し疑惑、広報紙の販売店向け卸部数がABC部数を1万3600部上回る、最大で約3万5000部の水増し

地方自治体の広報紙を広告代理店が水増ししている問題が次々と浮上している。千葉県の流山市でこの問題が発覚したのを機に、筆者は、同県の船橋市を調査した。過去に同市の販売店主から告発を受けたことがあるからだ。

調査の結果、これら2つの自治体でも、広報紙が水増しされている疑惑が判明した。改めて言うまでもなく、水増しの原因は残紙(広義の「押し紙」)である。新聞社のビジネスモデルそのものにある。

参考記事「販売店が読売新聞社を提訴、独禁法の特殊指定について」 : 企業法務ナビ (corporate-legal.jp)

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2020年12月03日 (木曜日)

「電磁波からいのちを守る全国ネット」が楽天モバイルに公開質問状を送付、「マイクロ波に遺伝子毒性がないと考える理由は?」

「電磁波からいのちを守る全国ネット」の運営委員会は、2日、楽天モバイルに対して公開質問状を送付した。

筆者も運営委員を務めている「全国ネット」は、5Gの普及に反対する住民運動や個人を支援している。だれもが直面しかねな重大問題であるからだ。

実際、このところ通信基地局の設置をめぐるトラブルが急増している。「全国ネット」に対して、ほとんど毎日のように、全国から相談が寄せられている。

今回、楽天モバイルに対して公開質問状を送付した理由は、特に楽天に対する苦情が多いからだ。苦情の8割を占める。次がKDDI。

質問内容は次の通りである。(青文字は、筆者による解説) (PDFはここから)

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千葉県流山市で広報紙の大幅な水増し、約3万7000の新聞発行部数に対して約5万5000部を供給

千葉県流山市が発行する『広報ながれやま』が大幅に水増しされていることが分かった。同市の市議からの情報提供に基づいて、筆者が調査したところ、新聞の発行部数が全市で36、836部(2020年4月時点)しかないのに、新聞販売店には55,238部の『広報ながれやま』が搬入されていることが分かった。約2万部が水増し状態になっている。

かりに販売店に残紙があれば、水増し部数はさらに増える。「押し紙」が1部たりとも存在しなくても、大幅な水増し状態になっている。ただ、同市によると販売店がポスティングしている部数が約2000部ある。それを差し置いても、大幅な水増しになっている。

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2020年12月01日 (火曜日)

【臨時ニュース】東京地裁が元店主の請求を棄却、産経新聞「押し紙」裁判

【臨時ニュース】産経新聞「押し紙」で東京地裁は、12月1日、原告の請求を棄却する判決を下した。詳細については、後日報告する。

筆者個人の感想を言えば大きな敗因のひとつは、訴訟をジャーナリズムの土俵に乗せ切れなかったことである。メディア企業を被告とする権力構造の崩壊につながりかねない裁判では、報道により世論を動かさなくては勝ち目がないことがはっきりした。今回、それを痛感した。

原告の主張に一貫した論理と正義があるかどうか以前の問題として、筆者が楽観視していたために報道が消極的になった。今後、「押し紙」報道を強化していきたい。

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2020年11月30日 (月曜日)

明日、12月1日に産経新聞「押し紙」裁判の判決、2つの注目点

 

東京地裁は、明日(12月1日)に、産経新聞を被告とする「押し紙」裁判の判決を言い渡す。判決の日時、場所は次の通りである。

日時:12月1日 13:10分

場所:東京地裁806号法廷

メディア黒書は、判決結果を夕方に速報する。

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2020年11月29日 (日曜日)

読売は年間で59万部減、朝日は42万部減、2020年10月度のABC部数、「押し紙」についての公取委の見解を紹介、

最新のABC部数(2020年10月度)が明らかになった。それによると前年同月に比べて、朝日新聞は約42万部の減部数、毎日新聞は約26万部の減部数、読売新聞は約59万部の減部数となった。中央紙5紙の前年同月差は、総計で約163万部の減部数となった。

インターネットでニュースを視聴する層と新聞でニュースを読む層の乖離は、ほぼ完了している可能性が高く、ここ数年のABC部数の減部数分は、新聞社と販売店が残紙を排除した結果とみるのが妥当だ。実配部数も減っているが、それよりも政策的に残紙を減らしたことが大幅な部数減につながった可能性高い。

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2020年11月28日 (土曜日)

楽天の基地局設置をめぐるトラブル相談が急増

楽天による基地局設置をめぐって、「電磁波からいのちを守る全国ネット」への相談が急増している。この1週間だけで新規相談が3件あった。

通信基地局が一旦設置されると、基地局周辺に住む住民は、半永久的にマイクロ波に被曝することになる。マンションの最上階に基地局が設置された場合、天井を隔てた基地局直下の住民は、低周波の影響も受けることにもなりかねない。

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2020年11月27日 (金曜日)

公正取引委員会を電話取材、「押し紙」問題を調査しない理由は?、「日本経済新聞の販売店主が本社ビル内で自殺した事件を知っているか?」、ユーチューブで音声を公開

公正取引委員会を電話取材した。先方の担当者がわたしに対して、折り返しの確認電話で、身元を調べた上で実施した取材なので、公正取引委員会の公式見解といえる。主要な質問は、次の通りである(ユーチューブの拡散は自由。音声と内容の加工は禁止。)

公取委の命令系統はどうなっているのか?

公取委が「押し紙」問題に対処しない理由はなにか?

公取委は、過去に「押し紙」の調査をしたことがあるか?

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新潟日報の新聞の「学割」問題、新潟日報と公取委の見解、「新聞特殊指定に抵触しない」、新聞協会は見解を回避、再販制度は実質的に崩壊②

新潟日報が実施している学生を対象とした新聞の割引販売は、独禁法の新聞特殊指定に違反しているのか?この問題について、新潟日報、日本新聞協会、公正取引委員会の見解を得たので紹介する。

◆◆
25日付けのメディア黒書では、わたしは自分の見解を表明した。明らかに新聞特殊指定に違反しているというのがわたしの見解だ。念のために新聞特殊指定の該当箇所を引用しておこう。

1 日刊新聞(以下「新聞」という。)の発行を業とする者(以下「発行業者」という。)が、直接であると間接であるとを問わず、地域又は相手方により、異なる定価を付し、又は定価を割り引いて新聞を販売すること。ただし、学校教育教材用であること、大量一括購読者向けであることその他正当かつ合理的な理由をもってするこれらの行為については、この限りでない。

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新潟日報が公然と新聞の割引販売、購読料3400円が2000円に、独禁法の新聞特殊指定に抵触の可能性①

新潟日報が独禁法の新聞特殊指定で禁止されている新聞の割引販売を公然と行っていることが判明した。購読料3400円の「朝刊単体」を2000円に、4300円の「朝夕刊のセット版」を2500円に割り引きする「学割」制度を導入して、運用している。

しかし、新聞特殊指定は、次のように新聞の割引販売を厳密に禁止している。

1 日刊新聞(以下「新聞」という。)の発行を業とする者(以下「発行業者」という。)が、直接であると間接であるとを問わず、地域又は相手方により、異なる定価を付し、又は定価を割り引いて新聞を販売すること。ただし、学校教育教材用であること、大量一括購読者向けであることその他正当かつ合理的な理由をもってするこれらの行為については、この限りでない。

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2020年11月23日 (月曜日)

「押し紙」にメスが入らない理由、権力構造の歯車としての新聞・テレビ

「押し紙」問題の取材をはじめて23年。しかし、取材歴が長いことを逆説的にみると、23年も告発を続けて、ほとんど何の成果も得られていないことは大問題だ。新聞関係者は、「押し紙」を指摘されようが、折込チラシを水増しを指摘されようが、違法な新聞販売を指摘されようが、外国籍の配達員を酷使しようが、なんのお咎めも受けない。

佐賀地裁の「押し紙」裁判で、裁判所が「押し紙」政策を認定しても、新聞業界は相変わらず「押し紙」を続けている。この厚顔ぶりには恐れいる。こうした状況が延々と続いている背景に、新聞社・テレビ局が権力構造の歯車に組み込まれている事情がある。

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