
スマホなどの通信に使われるマイクロ波の規制基準がダブルスタンダードになっている理由はなにか?。マイクロ波の規制値は、実質的に2つ存在するのだ。しかも、それは日本だけの話ではない。世界中のほとんどの国が、おそらく故意にダブルスタンダードを採用しているのだ。
筆者はその理由を延々と考えてきたが、最近、極めて単純な理由であることに気づいた。その答えを紹介する前に、ダブルスタンダードの実態を、国際比較をしながら紹介しよう。
まず、各国が定めている規制値である。
日本:1000μW/cm2
米国:1000μW/cm2
カナダ:1000μW/cm2
スウェーデン:900μW/cm2
ノルウェー:900μW/cm2
デンマーク:900μW/cm2
オランダ:900μW/cm2
フランス:900μW/cm2
英国:900μW/cm2
ドイツ:900μW/cm2
ベルギー:225μW/cm2
大半の国がおおよそ900μW/cm2ぐらいを規制値としている。ちなみに数値が大きくなるほどエネルギーが強く、危険度が増す。
国家の規制値に対してEUの提言値と「バイオイニシアチブ報告・2012」の提言は、次のようになっている。
EU:0.1μW/cm2 (屋内は、0.01μW/cm2)
バイオイニシアティブ報告:0.001μW/cm2~0.05μW/cm2よりも低い強度でも人体影響がある。
こうした状況の下で、ヨーロッパでは国家が定めた規制値と各自治体が独自に定めた規制値がある。これ自体不思議なことだ。
スマホを使った実際の通話では、どの程度の強度のマイクロ波が必要なのだろうか。筆者が取材したり、実際に測定した体験からすれば、0.01W/cm2程度で十分に会話できる。それゆえに各国が定めた異常にあまい基準値を不思議に感じてきた。
続きを読む »