2020年06月11日 (木曜日)
朝霞市の公園内にKDDI基地局、工事現場の標識撤去で朝霞市へ公益通報
朝霞市岡3丁目のKDDI基地局設置問題で筆者は、11日、朝霞市(富岡勝則市長)に対して公益通報を行った。原因は、基地局設置を請け負っている会社が、重機と機材を工事現場から搬出した後、標識も撤去したことである。標識の掲示は、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」や建設業法で定められている。
違反した場合は、懲罰の対象になる。
これについて請負会社の担当者は、
「現状ではこうするよりなかった」
と、話している。
2020年06月10日 (水曜日)
朝霞市岡3丁目・城山公園内の基地局設置問題、工事はペンディングに、朝霞市に対してKDDI関連の全公文書を情報公開請求
朝霞市(埼玉県)岡3丁目の基地局問題の続報である。既報(9日付け本サイト)したように、朝霞市の富岡勝則市長は、KDDIに対して、同社が城山公園の敷地内(市が所有)に通信基地局を設置する許可を与えた。それを受けて工事が始まった直後、わたしが計画に気付いて、朝霞市とKDDIに対し工事の中止を申し入れたのである。
朝霞市のみどり公園課の大塚繁忠課長は、法的な不備はないとして、申し入れを拒否した。
一方、KDDI側(開発電子技術≪株≫)はわたしからの要請を承諾した
2020年06月09日 (火曜日)
公共の公園にKDDI基地局を設置、電磁波による人体影響を考慮せず、朝霞市の富岡勝則市長に公開質問状を送付
わたしの自宅から100メートルの地点にある公園に、KDDIが基地局を設置しようとしている。設置場所は、朝霞市岡3丁目にある城山公園の入口である。市が所有する敷地だ。
工事現場にある掲示板を確認して、KDDIと朝霞市による基地局設置計画を知った。
わたしは、みどり公園課(大塚忠繁課長)に対して設置工事を暫定的に中止するように申し入れた。これに対して同課は、、近隣住民に対する説明会も開いており、法的な不備はないので、申し入れには応じられないと回答した。
一方、KDDI側(事業会社は開発電子技術)はわたしに対して、暫定的に工事を中止して、機材を搬出すると回答した。(20時20分ごろ)
7日に発売の『紙の爆弾』、滋賀医大事件の判決にみる「報告事件」の実態、裁判所の公正・中立を問う
『紙の爆弾』(7月号)に、わたしが執筆した滋賀医科大事件の記事が掲載された。タイトルは、「前立腺がん患者をモルモットに 滋賀医大病院事件『疑惑の判決』」。
このルポは、4月14日に判決が下された滋賀医科大事件の判決に、「報告事件」の疑惑があることを伝えたものである。「報告事件」というのは、全国の裁判所を管理する最高裁事務総局の政治的判断と介入により、公正・中立な判決が阻害された可能性がある事件を意味する。
裁判の進行を担当書記官が最高裁事務局へ「密告」して、最高裁が政治的判断が必要と考えた場合、担当裁判官を人事異動させることによって、最高裁事務局の意に沿う判決を下させる事件のことである。
滋賀医大病院事件では、結審の後、2人の裁判官が異動になった。判決を読み上げたのは、結審の後、裁判官に就任した新しい裁判長だった。前裁判長は、判決に捺印していない。
国立病院で起きた人間モルモット事件に審判を下すのは、厚生労働省の信用失墜につながりかねない。実際、厚生労働省はこの事件を傍観し続けたのである。
この裁判が「報告事件」であることは、書面を読めば判断できる。わたしのようにジャーナリストの端くれであっても、長年に渡って記事やルポを書いていると、論理が破綻している「作文」には反応する。編集者やライターの視点で、判決文を読んでみると、判決文が後から、誰かが修正を加えたものであることが分かるのだ。
「作文」としては、書き直しが求められるレベルなのだ。繰り返しになるが、それは「作文」で最も大事な論理が破綻しているからだ。
公共放送局NHK,常に「安全地帯」からの報道、40年遅れた「押し紙」「積み紙」問題の告発
NKHがはじめて「押し紙」問題を報じた。佐賀地裁が5月15日に、佐賀新聞による「押し紙」政策を独禁法違反と認定する判決を下した直後、インターネットで報じたのである。
わたしにとっては予想外の報道だった。もう10年ぐらい前になるが、NHKに「押し紙」問題を持ち込んだところ、資料の受け取りを拒否されたことがあったからだ。それほど、「押し紙」問題に対する拒否反応が強かったのだ。当時、雑誌がさかんに「押し紙」問題を報じていたから、知らないはずはなかったはずだが。
資料の送付先を尋ねても、担当者の名前も部署も明かさない。かりに一方的に資料を送付すれば、紛失する可能性があるので、資料を送付しないようにとの注意まで受けた。何を恐れているのかさっぱり分からなかった。よほど「押し紙」問題とはかかわりたくなかったようだ。
NHKが本気で「押し紙」「積み紙」の報道をすれば、この問題はすぐに解決するが、裁判で新聞社による独禁法違反を認定するまで報じなかったのである。タイミングが40年ほど遅れだ。「安全地帯」に到着してから、報じても遅いというのがわたしの実感だ。【続きはウェブマガジン】
新聞の無料配布、中央紙から地方紙まで、ABC部数のかさ上げが目的か?
新聞を無料で提供する慣行がいつのまにか定着した。ホテルのロビーに朝刊が山積みになっている光景はすっかり定着した。
これらの新聞は、ホテルが一旦仕入れたものを、客に無料配布しているのか、それとも新聞社サイトがPR用に無料で提供しているのかは不明だが、いずれにしても問題がある。仮に仕入れたものであるとしても、読者の実態が不明なPR紙がABC部数に加算されているからだ。
新聞社にとってABC部数の維持は新聞社経営の中心的課題である。と、いうのもABC部数の規模に応じて紙面広告の価値が決まるからだ。民間企業との広告取引では、この基本原則は崩壊の方向へ向かっているが、内閣府などが出稿する公共広告は、厳密にABC部数のランクによって、広告費が割り当てられている。
従って残紙(「積み紙」「押し紙」)政策を続けたり、ホテルなどにPR紙を搬入することで、新聞社はABC部数を維持して、紙面広告の価値を維持する販売政策を取っているのだ。
横浜副流煙裁判、ニセ診断書で請求された診療報酬に関する調査を藤井さんが青葉区に依頼
横浜副流煙裁判の被告の連れ合いである藤井敦子さんが、作田学医師が作成した疑惑の診断書に関して、新しい調査に乗り出した。
既報したように、横浜地裁は昨年の11月に原告3人(同じマンションの住民)の訴えを棄却した。そして提訴の有力な根拠となった作田医師作成の診断書のうち、原告A娘の診断書が正規の手続きを経ずに作成されていた事実を司法認定した。
判決は、この診断書を作成した作田医師の行為が、医師法20条違反(患者を直接診察せずに診断書を作成する行為)に該当すると認定したのだ。
NHKが「押し紙」問題を報じた奇跡、「押し紙」は集団訴訟で解決を
『週刊金曜日』(5月29日)が佐賀新聞の「押し紙」裁判で、佐賀新聞の独禁法違反が司法認定されたことを報じている。タイトルは、「佐賀新聞社の押し紙実態を裁判所が断罪、『販売店犠牲に収入増』認定」。執筆者は鹿児島大学の宮下正昭准教授である。
佐賀地裁が下した歴史的な判決を高く評価すると同時に、この事件をマスコミがどう扱ったかに言及している。テレビが初めて「押し紙」問題を取り上げたことを高く評価している。「押し紙」問題はテレビが絶対に扱わなかったテーマだった。例外的にコメンテーターが談話の中で言及したことはあるそうだが、「押し紙」裁判を取り上げたのは初めてである。
『週刊金曜日』の記事によると、「NHK佐賀放送局と県内唯一の地上波民法テレビ・佐賀テレビが報じた」という。
※佐賀テレビの画像はすでに削除されている。
2020年05月30日 (土曜日)
スーパーシティ法が成立、5Gによる人体影響を無視して見切り発車
27日に参議院で可決されたスーパーシティ法をご存じだろうか。これは5Gの普及に連動して国家戦略特区を設け、そこで5Gの「実験」を可能にする法律である。厳密に言えば、国家戦略特区法の改正である。
この法案に賛成したのは、自民、公明、維新の保守3党である。
スーパーシティ法を必要とする構想は、日本のテクノロジーを使って、理想的な都市を建設して、現在の日本が直面している過疎や少子化などの問題を解決しようというものである。5Gの技術と連動しているのが大きな特徴だ。その中身は、「移動、物流、支払い、行政、医療・介護、教育、エネルギー・水、環境・ゴミ、防犯、防災・安全」などの領域に及ぶ。
そのための実験都市を設置を可能にすることがこの法律の目的である。
内閣府から電通、博報堂、エヌ・ティ・ティ・アドへ広報宣伝費として33億円を支出
読者は、内閣府からメディア企業に対して支出される広報宣伝費の額を推測できるだろうか。2018年度の内閣府の資料によると、総額で約33億円が支出されている。
内訳は国内が19億7500万円、国外が13億2700万円。
これらの資金の受け皿になっているのが、電通、博報堂、それにエヌ・ティ・ティ・アドの3社である。いずれも随意契約のかたちで、潤沢な資金提供を受けている。
ASA宮崎大塚の「押し紙」裁判の再検証、独禁法に抵触していた高い可能性、朝日新聞社が注文部数を指示していた事実
佐賀新聞の「押し紙」裁判で、佐賀新聞による独禁法違反が認定されたことを受けて、過去の「押し紙」裁判の資料を再検証してみた。このうち朝日新聞のASA宮崎大塚の店主が起こした「押し紙」裁判(途中から本人訴訟、敗訴)では、店主の敗訴だったが、明らかな独禁法違反の証拠が残っていることが分かった。少なくともわたしの解釈では、独禁法違反である。
◆◆
この点に言及する前に、佐賀地裁の判決に関して特に重要な2点を指摘しておこう。
【1】佐賀地裁は、佐賀新聞が全店を対象とした一斉減紙を行ったことを認定した。一斉減紙の時期と部数は次の通りである。
2009年2月:1491部
2010年3月:1148部
2013年3月:1743部
2014年4月:2965部
2016年2月:3608部
独禁法の新聞特殊指定は、「販売業者に自己の指示する部数を注文させ、当該部数の新聞を供給すること」を禁止している。佐賀新聞の場合は、一斉減紙の例に見るように発行本社が搬入部数を調節していたわけだから、完全に独禁法に抵触する。
【2】佐賀地裁は、販売店が必要な予備紙の定義を「原告が実際に原告販売店を経営する上で必要としていた」部数と認定した。原告は繰り返し予備紙は搬入部数の2%で十分であると言っていたので、予備紙は搬入部数の2%という計算になる。他の残紙は、理由のいかんを問わずすべて「押し紙」である。
◆◆◆
以上の点を踏まえたうえで、ASA宮崎大塚が朝日新聞に対して起こした「押し紙」裁判で、明らかになった興味深い資料を紹介しよう。
「押し紙」訴訟弁護団が販売店のための無料相談窓口を開設
新聞販売店のトラブル解決で、実績を重ねてきた「押し紙」訴訟弁護団(代表・江上武幸弁護士)が、 新聞販売店のための無料相談窓口を開設した。対象は、被害を受けている現役の店主と余儀なく廃業に追い込まれた元店主。
詳細は、次のURL。
窓口が開設された背景には、残紙による損害と折込広告の激減で、経営が悪化している販売店が急増している事情がある。相談は無料。平日の午前10時~午後5時まで(但し、昼の休憩時間を除く)相談を受け付けている。専用電話は、0942-39-3309。
また、メディア黒書も弁護団と連携して、希望者にアドバイスを行う。電話は、048-464-1413である。Eメールは、xxmwg240@ybb.ne.jp。
地方紙の「押し紙」と折込媒体の水増し問題、元販売店員へのインタビュー
新聞販売店で働く人は、残紙問題、労務問題、メディアをどのように見ているのだろうか。Aさん(女性)の例を紹介しよう。在職期間は、2015年5月から2017年10月である。勤務先は、地方紙の販売店である。
・・・現場で働いていたとき残紙や折込広告の水増しと廃棄について、どう感じましたか?
A:仕事をはじめてまもなくに、奇妙な二つのことに気付きました。ひとつは配達後に新聞が相当余っていることでした。ひとつの新聞の梱包は60部、あるいは80部のいずれかなのですが、その梱包が10個以上も解かれないまま残っていました。
わたしは在職中に他の販売店に異動しましたが、そこでもやはり同じ光景を見ました。10個ぐらいの梱包が毎日残っていました。
2020年05月22日 (金曜日)
東京・豊島区の広報紙水増し問題、2018年度の水増し率は30%、背景に「押し紙」による新聞販売店の経営悪化
豊島区の広報紙『広報としま』が大幅に水増しされている問題で、過去10年分の関係資料を入手した。詳細については、検証が完了した段階で公表するとして、今回は、2018年度のケースに絞って報告する。
朝日、読売、毎日、産経、日経、東京の6紙が折り込み媒体となっている。卸部数は総計で7万8765部である。これに対して、ABC部数(2018年4月)は、5万4778部である。次に示すのが裏付けだ。
「押し紙」認定の判例、2007年の対読売新聞裁判、PC上に架空の配達区
新聞販売店が起こした訴訟の中で、「押し紙」が認定されたケースは、これまでに3件ある。2006年の福岡地裁、2011年の岡山地裁、そして2020年の佐賀地裁である。
このうち福岡地裁のケースは、その後、2007年12月に最高裁で判決が確定した。福岡高裁の判決は有名で判例タイムズ(2008年6月1日)にも掲載されている。
◆◆◆
しかし、真村裁判は「押し紙」の損害を求めた裁判ではなく、店主の地位保全を求めた裁判である。YC広川(福岡県)の真村久三さんが、2002年に読売新聞・西部本社を訴えた裁判である。
発端は、真村さんが読売本社から自店の営業地区の一部を、隣接するYCへ譲渡するように求められたことである。真村さんは理不尽な要求を断った。これに対して読売は、真村さんの店主としての地位を解任しようとした。そこで真村さんが地位保全を求めて提訴したのである。
2020年05月19日 (火曜日)
【調査報告】豊島区など東京都の12区で広報紙の水増しが発覚、新聞折込の不正と「押し紙」で税金の無駄遣い
NHKが朝夕のニュースで放送している「ストップ詐欺被害!私は騙されない」では、振り込め詐欺をはじめ、これでもかというほど詐欺の手口が紹介されている。
一方、新聞に折り込んで配布される自治体の広報紙の一部が捨てられ、料金だけが徴収されている事例が多数あることは報じられていない。昨年から今年にかけて、筆者のところへ、「折込め詐欺」を告発する情報が次々と寄せられた。
その中から相互に関連する2件の告発を紹介しよう。騙されているのは東京都の23区の特別区のうち12区である。
「東京都江戸川区の広報紙、『広報えどがわ』が、配達されないまま大量に廃棄されています」
佐賀新聞「押し紙」裁判、判決の公開と解説、佐賀新聞社の独禁法違反を認定
既報したように佐賀新聞の「押し紙」裁判で、原告の元販売店主・寺崎昭博さんが勝訴した。佐賀地裁は佐賀新聞に対して、寺崎さんに約1066万円を支払うように命じた。
この判決の最大の評価点は、裁判所が単に寺崎さんが受けた被害だけではなく、86店ある佐賀新聞の販売店の大半で同じ被害が発生している高い可能性を具体的に指摘したうえで、「被告の原告に対する新聞の供給行為には、独禁法違反(押し紙)があったと認められる」と、認定したことである。佐賀新聞の販売店が一斉に「押し紙」裁判を起こせば、勝訴する道が開けたのである。
【臨時ニュース】佐賀新聞の「押し紙」裁判で原告の元店主が勝訴、1066万円の賠償命令
【臨時ニュース】
佐賀新聞の元店主が起こした「押し紙」裁判で佐賀地裁は、15日、原告の元店主に対して1066万円の支払いを命じる判決を下した。「押し紙」裁判で勝訴判決が出たのは、2011年の山陽新聞の「押し紙」裁判以来。和解で販売店が勝訴するケースは相次いでいたが、裁判所が判決を下したのは9年ぶり。今後の「押し紙」裁判に大きな影響を及ぼしそうだ。
判決の詳細、判決文、弁護団声明は後日。
2020年05月14日 (木曜日)
折込広告の水増し詐欺の露骨な手口、「4・10(よんじゅう)増減」の全容(2)
ABC公査で不正を摘発されない体制を構築すれば、新聞社はABC部数をどうにでも操作できる。新聞社が販売店へ送り込んだ部数が、そのままABC協会へ申告され、ABC部数として認定される。さらにそれが折込定数になるわけだから、自由自在に折込媒体の水増しが可能になる。
広告主企業の中には、このような構図に気づいている企業もあるが、自主的に折込媒体の発注枚数を折込定数よりも少なめに設定するだけで、新聞社に抗議したという話はない。
わたしは複数の広告主から、その理由を聞いたことがあるが、共通して「新聞社とはトラブルになりたくない」という答が返ってきた。新聞社は社会的な影響力があるので、新聞社と係争になると、折込広告や紙面広告を出稿しづらくなる上に、紙面でバッシングされるリスクがあるからだ。それゆえに抗議しない。
しかし、大半の広告主企業は、この欺瞞的な実態そのものを知らない。そこへつけ込んで、大胆にABC部数を捏造する新聞社もある。そのための変形した手口が、「4・10(よんじゅう)増減」と呼ばれるものである。これは露骨な「折り込め詐欺」にほかならない。
ABC部数改ざんの恐るべき手口の全容、PC上で過去の読者を現在の読者として再登録して部数を水増し(1)
ABC部数は、俗にいう新聞の公称部数のことである。ただ、日本ABC協会は、ABC部数が公称であることを否定している。同協会のウェブサイトは、ABC部数について次のように説明している。
新聞や雑誌の広告料金は、部数によって決まります。ABC協会は、第三者として、部数を監査(公査)し認定しています。この認定された部数がABC部数です。対して、公称部数(自称部数)とは、ABC協会に参加していない発行社が自社発表しているもので、数倍から10倍以上の部数を自称している場合があります。合理的な広告活動を行うため、発行社の自称ではない、第三者が確認した信頼出来るデータであるABC部数をご利用ください。
この引用を読む限り、ABC部数は実配部数を反映している説明している。と、言うのも対比の論法を採用して、「ABC協会に参加していない発行社が自社発表している」部数は、「数倍から10倍以上の部数を自称している」場合があると述べることで、ABC協会に参加している新聞社の部数、すなわちABC部数は実配部数を反映していると仄めかしているからだ。
しかし、実際にはABC部数は残紙を含んでいるわけだから、実配部数を反映していない。しかも、その残紙量は尋常ではない。
ABC協会が定期的に部数の監査(公査)を実施しているにもかかわらず、なぜABC部数が実配部数を反映しないのか、その原因を探ってみよう。
結論を先に言えば、新聞社と販売店が徹底した残紙の隠蔽工作を行っているからにほかならない。しかし、この点に踏み込む前に、ABC協会の運営体制にふれておこう。
NIE(Newspaper in Educationの間違いについて、子供の頭に慣用句を詰め込む弊害、教材に「押し紙」の可能性も
NIE(Newspaper in Education)をご存じだろうか。これは簡単に言えば、教育活動の中で新聞を教材として使う運動である。日本新聞協会が中心になって実施しているプログラムである。同協会のウェブサイトは、NIEを次のように説明している。若干長いが全文を引用してみよう。
NIE(Newspaper in Education=「エヌ・アイ・イー」と読みます)は、学校などで新聞を教材として活用することです。1930年代にアメリカで始まり、日本では85年、静岡で開かれた新聞大会で提唱されました。その後、教育界と新聞界が協力し、社会性豊かな青少年の育成や活字文化と民主主義社会の発展などを目的に掲げて、全国で展開しています。
長銀不正融資疑惑、30年前の内部告発
数日前、米西海岸のビーチーの閉鎖が解除されたニュースをテレビ朝日が流していた。画面に映し出された白っぽいビーチーに見覚えがあった。そのうち「ラグナビーチ」と表示された。ロサンゼルスから車で1時間、アナハイムから20分の位置にある米国西海岸の有名なリゾート地である。
実は、このラグナビーチはわたしにとって忘れられない事件の場所だ。30代になったころ、このビーチにあるInn At Laguna Beach(写真)というリゾートホテルで駐在員をしていたことがある。駐在員といっても、ホテルを管理している管理会社を監督するだけで、ほとんど仕事はない。ホテルの1室に住んで、1日の大半をぶらぶら過ごしていた。夕方になると車でアナハイムあたりまでドライブして、食事するのが日課だった。
そのうちに、現地の日系企業のあいだで奇妙な噂が流れはじめた。Inn At Laguna Beachは、わたしが勤務していたサンウエイという不動産会社が買収したものなのだが、その買収に疑惑があるという噂だった。【続きはウェブマガジン】
毎日新聞社系の印刷会社などで公明新聞を印刷、他にも19社
かねてから指摘されてきた新聞社の問題のひとつに、経済的な利害関係を通じた特定政党との結びつきがある。2019年に公開された2018年度の政治資金収支報告書によると、数多くの新聞社やその系列の印刷会社が公明党の機関紙『公明新聞』の印刷を請け負っていることが判明した。
政治資金収支報告書の社名がある新聞社は次の通りである。(新聞社名で表示)
2020年05月05日 (火曜日)
豊島区の『広報としま』の水増率43%の問題、過去10年分の関連資料を情報公開請求
新聞折り込みのかたちで配布されている東京都豊島区の広報紙『広報としま』が、43%も水増しされていた問題を調査するために、新たに4件の情報公開請求を行い受理された。4件の請求項目は次の通りである。
1、『広報としま』の新聞販売店向け部数を示す資料。対象は、2011年度から2018年度。及び2020年度。
2、『広報としま』の印刷会社を示す資料。対象は。2011年度から2020年度。
3、『広報としま』の新聞折り込み業務に関する新聞販売同業組合との契約書。対象は2011年から2020年の業務をカバーするもの。
4、『広報としま』の個人宅宛て郵送分の部数を示す資料。対象は、2011年度から2020年度。 ■出典
2020年05月04日 (月曜日)
5Gの推進派まがいの共産党・本村伸子議員の国会質問、総務省の答弁をうのみ
4月16日付けの『しんぶん赤旗』が「5G人体影響調べよ 本村氏『国民に不安の声』」と題する記事を掲載している。
日本共産党の本村伸子議員は7日の衆院総務委員会で、電波法改定案をめぐり、5G(第5世代移動通信システム)のエリア拡大の考え方、料金値上げや基地局増加に伴う人体への影響など検証すべきだとただしました。■出典
国会質問は、ウェブサイトで視聴することができる。そこで早々に、視聴してみた。
内容は期待に反して、とんでもないものだった。5Gの推進にストップをかけるための追及というよりも、むしろ国の電波政策を容認する方向性で質問が行われたことに違和感を感じた。質問自体が茶番劇にように感じられた。
滋賀医科大医学部付属病院の事件で原告が控訴を断念、弁護団が声明を発表
滋賀医科大医学部付属病院の事件で、原告が控訴を断念した。4月28日、弁護団長の井戸謙一弁護士は、「控訴断念についての声明」を発表した。
それによると判決そのものは不当としながらも、原告が高齢であることなどを考慮して、控訴を断念するに至った。しかし、原告が主張してきた事実関係はほぼ認定されたことや、最終的には、50人もの前立腺がん患者の命を救ったことも大きな成果として評価している。
以下、声明文である。 (PDFはここから)
横浜副流煙裁判、日赤が作田氏の無診療による保険の診療報酬を返金
作田学医師による医師法20条違反(患者を診察せずに診断を作成)問題で、作田氏が3月末まで所属していた日本赤十字社医療センターは、作田氏が行った無診察行為で請求した保険による診療報酬を返金したことが分かった。
既報したようにこの件は、横浜副流煙裁判の原告A娘を作田氏が直接診察せずに診断書を作成した行為が、医師法20条違反に認定(横浜地裁判決)されたことが発端だ。判決を受けて、被告・藤井将登さんの妻・敦子さんは、日赤に事実関係の調査を申し入れた。日赤は、書面で調査を約束した。
2020年04月29日 (水曜日)
東京・豊島区の広報紙3万部の水増し問題、朝日オリコミの折込定数でも「詐欺」の裏付けが成立
4月22日付けのメディア黒書で、「新聞人が東京・豊島区の広報紙を大量廃棄、水増し率が43%、折込定数がABC部数を大幅に超過」と題する記事を掲載した。
これはタイトルのとおり、東京都豊島区が発行する『広報としま』の水増し問題を取り上げたものである。『広報としま』は、新聞折り込み(朝日、読売、毎日、産経、日経、東京)のかたちで配布されている。 ところがこれら6紙のABC部数の総合計が43,722部しかないのに、76、500部の『広報としま』を販売店へ卸していることが判明したのである。水増し率:43%である。
横浜副流煙裁判、藤井さんと井坂さんの潜入取材による2重の裏付け作業
【『紙の爆弾』(3月号)より転載】
近年、反ヘイトの市民運動に顕著に現れているように、住民の行動規範や道徳観を条例を制定することなどで、「矯正・指導」する現象がみられる。禁煙、あるいは分煙をめぐる市民運動にも同じ傾向がある。オリンピックと連動した禁煙キャンペーン。その中で、自宅内での喫煙禁止を求める裁判も起きたが、禁煙ファシズムの野望は砕かれた。
昨年の11月28日、横浜地裁は、日本における禁煙学の権威で日本赤十字社医療センターの医師、作田学博士に痛手となる判決を下した。博士にとっては、頭を拳で殴られたような感覚だったに違いない。
午後1時10分、入廷してきた3人の裁判官が着席し、新谷晋司裁判長が判決を読み上げた。
「1、原告らの請求をいずれも棄却する。2、訴訟費用は原告らの負担とする。」
満席になった法廷に拍手が起こった。裁判官が退廷すると、傍聴席の前のほうにいた一人の女性が立ち上がり、法廷の後方にいた一人の老紳士を指さし、
「作田、恥を知れ!」
と、一括した。自宅で煙草を吸って裁判にかけられ、4500万円を請求された藤井将登さんの妻・敦子さんだった。
作田博士は、藤井将登さんを訴えた原告3人のために「受動喫煙症」、「化学物質過敏症」などの病名を付した診断書を作成していた。後に判決を精読して分かったことだが、横浜地裁は作田医師が医師法20条に違反したことを認定していた。医師法20条違反は患者を直接診察せずに診断書を作成する行為を禁じている。
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中国レポート②:遼寧省広佑寺、宗教が禁止されているというのは事...
日本で定着している中国に関する情報には、誤ったものがかなり含まれている。たとえば宗教が禁止されているという情...

雑誌『創』の新聞社特集、「押し紙」問題の隠蔽と誌面の劣化
『創』の3月号(2025年)が「新聞社の徹底研究」と題する特集を組んでいる。これは、延々と続いてきた企画で定...

ニューソク通信がインタビュー(youTube)、作田学医師が主...
横浜副流煙事件の「反訴」について筆者は、ニューソク通信の須田慎一郎氏から、インタビューを受けた。メディア黒書...

喫煙撲滅運動と専門医師の関係、客観的な事実が欠落した診断書、横...
診断書がアクションを起こすための通行証になる現象は昔から続いてきた。たとえば大相撲の力士が本場所を休場すると...

中国レポート:好調な経済、破綻はあり得ない、現実の世界と西側メ...
階段を這うように登る4つ足のロボット。荒漠たる大地を矢のように進む時速450キロの新幹線。AI産業に彗星のよ...

患者が退出して3分後に煙草臭、偽証の疑い、作田学医師の証言、横...
喫煙者の呼気が孕んでいる煙草臭が持続する時間はどの程度なのか?東京地裁で、ある著名な医師が興味深い証言をした...
PICK UP

横浜副流煙裁判、カウンター裁判で藤井敦子さんらが敗訴、検証が不...
横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が、それぞれ1月14日と22日に言い渡された。裁判所は、いずれも原告...

西日本新聞押し紙裁判 控訴のお知らせ―モラル崩壊の元凶 押し紙...
福岡・佐賀押し紙弁護団弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)1月15日 令和6年12月24日の西日...

1999年の新聞特殊指定の改訂、「押し紙」容認への道を開く「策...
渡邉恒雄氏の死に際して、次から次へと追悼記事が掲載されている。ここまで夥しく提灯記事が現れるとさすがに吐き気...

西日本新聞福岡地裁押し紙敗訴判決のお知らせ―モラル崩壊の元凶 ...
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月25日 昨日(24...

西日本新聞押し紙訴訟判決とオスプレイ搭乗記事の掲載について―モ...
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・ 江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月20日 11月28日(木...

関東地区新聞労連役員会における意見発表について -モラル崩壊の...
福岡・佐賀押し紙弁護団・ 江 上 武 幸 (2024年「令和6年」12月19日) 去る11月29日(金...

動画で見る「押し紙」回収の現場
「押し紙」の回収現場を撮影した画像を紹介しよう。新聞社は、回収されている新聞は、「押し紙」ではないと主張して...

「押し紙」関連資料の閲覧制限、問われる弁護士の職業倫理、黒塗り...
「押し紙」裁判を取材するなかで、わたしは裁判書面に目を通す機会に接してきた。弁護士から直接書面を入手したり、...

「香害、すなわち化学物質過敏症」の誤り、1月に2つの判決、横浜...
別稿・事件の概要 来年2025年の1月に、横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が下される。詳細は次...

国策としての「押し紙」問題の放置と黙認、毎日新聞の内部資料「発...
インターネットのポータルサイトにニュースが溢れている。衆院選挙後の政界の動きから大谷翔平選手の活躍まで話題が...

モラル崩壊の元凶 ―押し紙― 西日本新聞押し紙訴訟判決期日決...
2024年10月15 (文責)福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士江上武幸 第1 はじめに 西日本新聞...

訴状を公開、毎日新聞の「押し紙」裁判、約1億2000万円を請求...
福岡・佐賀押し紙弁護団は、10月1日、毎日新聞の元店主Aさんが大阪地裁へ提起した「押し紙」裁判の訴状(9月2...

「押し紙」問題がジャーナリズムの根源的な問題である理由と構図、...
読売新聞社会部(大阪)が、情報提供を呼び掛けている。インターネット上の「あなたの情報が社会を動かします」とい...

モラル崩壊の元凶-押し紙- 毎日新聞押し紙裁判提訴のお知らせ
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士 江上武幸(文責) 2024年(令和6年)9月20日 兵庫県で毎日新聞販...

「香害」をめぐる診断と議論、メディアに氾濫する誇張された被害の...
柔軟剤や煙草など、広義の「香害」をどう診断するかをめぐる議論が沸騰している。日本では、「香害」による体の不調...

―モラル崩壊の元凶、「押し紙」― 西日本新聞・押し紙訴訟の報...
福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士・江上武幸(文責) 去る7月2日、西日本新聞販売店を経営していたAさ...

西日本新聞「押し紙」裁判、証人尋問で残紙部数を把握した機密資料...
長崎県の元販売店主が2021年に起こした西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、7月2日の午後、福岡...

7月2日に尋問、西日本新聞の「押し紙」裁判、福岡地裁で、「4・...
西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、次のスケジュールで実施される。 場所;福岡地裁 903...

国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」のでたらめ、スポンサ...
『週刊金曜日』(6月7日付け)が、「報道の自由度、世界ランキング70位でいいのか」と題する記事を掲載している...