知覚できない新世代公害の顔、『[窓]MADO』が16日から池袋HUMAXシネマズで上映
たとえば隣席の同僚が使っている香水が神経に障って、使用を控えるように要望する。同僚は、取り合ってくれない。けんもほろろに撥ねつけた。総務部へも相談したが、「あの程度の臭いであれば許容範囲」と冷笑する。
次に化学物質過敏症の外来のあるクリニックを訪れ、すがるような気持ちで診断書を交付してもらい、それを持って再び総務部へ足を運ぶ。やはり拒絶される。そこでやむなく隣席の同僚に対して高額な損害賠償裁判を起こす。
夜が深まると壁を隔てた向こう側から、リズムに乗った地響きのような音が響いてくるので、隣人に苦情を言うと「わが家ではない」と言われた。そこでマンションの管理組合に相談すると、マンションに隣接する駐車場の車が音の発生源であることが分かった。「犯人」の特定を間違ったことを隣人に詫びる。
新世代公害の正体は見えにくい。それが人間関係に亀裂を生じさせることもある。コミュニティーが冷戦状態のようになり、住民相互に不和を生じさせるリスクが生じる。
◆実在の事件をドラマに、ロケは事件現場
デジタル鹿砦社通信でも取り上げてきた横浜副流煙裁判をドラマ化した『[窓]MADO』(監督・麻王)の上映が、池袋HUMAXシネマズ(東京・池袋)で12月16日から29日の予定で始まる。
煙草による被害を執拗に訴える老人を西村まさ彦が演じる。また、煙草の煙で化学物質過敏症になったとして隣人から訴えられ、4500万円を請求されるミュージシャンを慈五郎さんが演じる。慈五郎さんは、上映に際して次のようなメッセージを寄せている。