新聞特殊指定に関する情報公開期限を延長、公取委が通知
2025年4月21日付けで筆者が公正取引委員会へ申し立てた新聞特殊指定に関する情報公開請求に対して、同委員会は、5月27日付けで「開示決定等の期限の延長について(通知)」と題する文書を筆者宛てに送付した。延長の期間は、開示請求があった日から60日以内である。延長の理由は、「行政文書の精査及び開示の可否の検討に時間を要するため」としている。
通知文書の全文は次の通りである。
2025年4月21日付けで筆者が公正取引委員会へ申し立てた新聞特殊指定に関する情報公開請求に対して、同委員会は、5月27日付けで「開示決定等の期限の延長について(通知)」と題する文書を筆者宛てに送付した。延長の期間は、開示請求があった日から60日以内である。延長の理由は、「行政文書の精査及び開示の可否の検討に時間を要するため」としている。
通知文書の全文は次の通りである。
2021年度の政治資金収支報告書によると、新聞業界は政界に対して、総額で598万円の政治献金を行った。献金元は、新聞販売店の同業組合である日本新聞販売協会(日販協)の政治連盟である。さすがに日本新聞協会が政治献金を支出するわけにはいかないので、パートナーの日販協が献金元になっている。 政治献金という観点から、新聞業界と政界の関係を検証する。
横浜副流煙事件「反訴」の控訴審第1回口頭弁論が、26日、東京高裁で開かれた。裁判所は、結審を宣言すると同時に、裁判の当事者双方に和解の提案を行った。双方とも今後、裁判所を介して話し合うことで合意した。事件は和解へ向けて動きはじめた。第1審は、原告の敗訴だった。
レイバーネットTVで「押し紙」問題について黒薮が解説した。出演者は次の通りである。
出演者:黒薮哲哉(フリージャーナリストメディア黒書主宰)
岩本太郎(ライター、週刊金曜日)
中川紗矢子(元毎日新聞記者、イギリス在住/オンライン)
アシスタント:馬場朋子
放送日 2025年5月28日(水)19:30~20:40(70分放送)
福岡・佐賀押し紙弁護団 江上武幸(文責)2025(令7)年5月22日
福岡地裁の西日本新聞佐賀県販売店の押し紙訴訟は、5月20日に原告本人尋問と販売部長の証人尋問が実施され、9月9日(火)1時10分に判決言渡しと決まりました。一審で敗訴した長崎県販売店の福岡高裁の判決は、既報のとおり、7月3日(木)1時25分に言渡し予定です。
二つの訴訟は、主張と証拠はほぼ同一ですので、担当する裁判官によって、それぞれどのような判断が示されるのか興味が持たれるところです。
なお、佐賀県販売店の原告本人と販売部長の尋問の結果とその評価については、近日中に報告させていただくことにします。
* 追記
長崎販売店の控訴審において、提出済みの書証について説明した準備書面を提出しましたので、興味のある方は御覧ください。なお、個人名は黒塗りしております。
西日本新聞社に対する「押し紙」裁判(原告:長崎県の元店主)で、元店主の弁護団は、5月12日、控訴準備書面(1)を提出した。第1審は、元店主の敗訴だった。12日に提出された書面は、前半で「押し紙」問題の概要を、おもにこれまで証拠として提出した文献を紹介するかたちで概略し、後半で元店主側の主張を展開している。
「配信6」では、産経新聞と読売新聞の「押し紙」の実態を紹介する。「押し紙」は1999年の新聞特殊指定の改定を機に急激に増えた。搬入される新聞の
40%が「押し紙」といった例も当たり前になった。
「押し紙」の元凶である1999年の新聞特殊指定の改定について、イラストを使って具体的に説明する。「押し紙」問題の核心に外ならない。この改定は、北國新聞に対する公取委による「押し紙」の排除勧告を受けて、公取委と新聞協会の間で対策を協議した結果行われたものなのだが、なぜか新聞社の「押し紙」政策に加勢する内容になった。
かえって「押し紙」がしやすくなったわけだから、独禁法の主旨や方個性とも整合していない。
「押し紙」が急激に増えたのは、1999年に新聞特殊指定の改訂で、「押し紙」の定義が変更されたのち。改訂前は、「実配部数+予備紙2%」を超える部数は、理由のいかんを問わず「押し紙」とされた。
ところが改訂後は、予備紙2%のルールが撤廃され、残紙はすべて予備紙とみなすようになった。これにより「押し紙」の概念はなくなり、残紙はすべて販売店が自主的に買い入れた部数ということになってしました。
「注文部数」という用語も、「注文した部数」に変更された。
特殊指定の改訂前と改訂後の「押し紙」の定義を図にしてみた。詳細については、近々に説明する。
劈頭の図は、搬入部数が4000部の販売店で例証したものだ。
古くて新しい社会問題----「押し紙」問題を検証するインターネットの番組が5月28日、午後7時30分から、生配信される。タイトルは、「新聞『押し紙』のヤミ」。レイバーネットTVが企画した番組で、出演者は次の通りである。
出演者:黒薮哲哉(フリージャーナリスト、「メディア黒書」主宰)
岩本太郎(ライター、週刊金曜日)
中川紗矢子(元毎日新聞記者、イギリス在住/オンライン)
アシスタント:馬場朋子
放送日 2025年5月28日(水)19:30~20:40(70分放送)
・視聴サイト https://www.labornetjp2.org/labornet-tv/216/
(YouTube配信 https://youtube.com/live/mKSHrurEzXs?feature=share)
企画の発端は、レイバーネットTVによると、昨年末に同事務所宛てに「一枚のFAXが届いた」ことである。「送り主は「読売新聞東京本社管内 読売新聞販売店 店主有志一同」。『34店を代表してやむにやまれずお伝えします』の書き出しで、『読売新聞の予備紙(押し紙)率が40%を超えていて、その負担に耐えきれず倒産、破産とともに一家離散などの悲劇が各所で生まれている。事実を知らせ世論喚起をしてほしい』という内容だった」。
番組の詳細については、次のURLを参考にしてほしい。
http://www.labornetjp.org/news/2025/0528kokuti
◆◆
福岡・佐賀押し紙弁護団 江上武幸(文責) 2025年(令和7年)5月15日
西日本新聞社を相手方とする押し紙裁判は、長崎県の販売店主の一審敗訴判決を受けて福岡高裁に控訴申立をした控訴審裁判と、佐賀県販売店主の地裁の裁判の2件が継続中です。
長崎県の販売店の福岡高裁第1回裁判期日が、15日、午前10時から、チームスと呼ばれるビデオ会議で開催され、双方から提出した書面と証拠の取り調べを行い即日結審して、次回、判決言い渡しとなりました。判決の期日は、7月3日(木)、午後1時25分である。
それから、佐賀県販売店の福岡地裁の裁判は、来週、5月20日(火)午後1時半から、地裁902号法廷で、原告販売店主と被告販売部長の尋問が実施され、その日で、結審予定です。
以上、日程をご報告します。
トランプ政権が凍結したはずのUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)向けの資金提供の一部が、3月から再開されていたことが分かった。資金提供の再開措置を受けたのは、USAID傘下の全米民主主義基金(NED)である。
メディア黒書でも報じてきたようにNEDは、俗にいう「自由主義陣営」の勢力を拡張することを目的とした組織である。第2のCIAとか、「白いCIA」とも言われている。海外のメディアや市民運動を資金面と技術面で支援することで、米国よりの世論誘導を形成してきた。設立者は、ドナルド・レーガン。
公正取引委員会に対して、4月21日付けで、送付した情報公開請求の申立書の中味を公開しておこう。この申立書は、1999年に公正取引委員会(公取委)が行った新聞特殊指定の改訂に関する内容である。
公取委と日本新聞協会の間で、「押し紙」対策の考案と策定にあたり、談合が行われた疑惑があり、全容を解明することが情報公開請求の目的である。
発端は、1997年に公取委が石川県の北國新聞社に対して行った「押し紙」の排除勧告である。勧告の際に公取委は、他の新聞社についても、「押し紙」が存在するとの情報を把握していることを根拠として、日本新聞協会に対しても「押し紙」問題を喚起した。
こうした状況の下で、公取委と日本新聞協会は、問題解決に向けて協議を重ね始める。ところが不思議なことに、話し合いの果実として公表された新聞特殊指定の改訂版(1999年)は、旧来のものよりもはるかに「押し紙」が自由にできる内容となっていた。
改訂前の新聞特殊指定の下では、「実配部数+予備紙2%」を超える部数は、原則的に「押し紙」と見なされていたが、改訂後は従来の「押し紙」を「予備紙」と言い換えることで、問題を放置したのである。残紙は、すべて販売店側が購入した「予備紙」と見なすようになったのだ。
その結果、今世紀に入るころから、残紙が爆発的に増えた。いくら残紙があっても、それを「予備紙」と見なすことで、法律の網の目を潜り抜けるようになったのだ。どのような経緯で、従来の「押し紙」を「予備紙」に変更したのかを解明することは不可欠である。
情報公開請求の申立書は次の通りである。
【配信5】「押し紙」の量を1970年代にま遡って検証する。1977年に日本新聞販売協会がアンケート調査、1981年に読売新聞の「北田資料」が公に。そして1997年に公正取引委員会が北國新聞社に対して、「押し紙」の排除勧告を行うが、その後、不思議なことが起こる。
SNSを含む広義のジャーナリズムで使われる動画や写真にAIによる加工がほどこされているケースが後を絶たない。どの画像がそれに該当するかを見分けるのは容易ではないが、時々、あきらかに不自然な画像に遭遇することがある。
ITコンサル で著述家の谷本真由美氏が、「チャイナ怖すぎる」Xに投稿した動画も不自然さを免れない。動画の
URLは、「https://x.com/xinwendiaocha/status/1921008967091655073」となっているが、現在、わたしのPCではアクセスできなくなっている。
わたしが疑問視した動画は、中国人のイメージダウンを意図して作成されたと思われる。中国人の男性が、路上で犬を捕まえ、ブロックを上段から斧のように振り下ろして、犬の頭を打ち砕く。ぐったりとした犬を掴んで、すぐわきにある熱湯の鍋に犬を放り込む。熱に反応した犬が鍋から飛び出そうとするが、男性が無理やりに蓋をかぶせて、犬を調理するという構成だ。
何が不自然かといえば、まず頭を砕かれたはずの犬から出血していないことである。しかも、意識があるらしく鍋から逃げようとする。さらに路上に、沸騰している鍋があることだ。
谷本氏は、シリーズで出版されている『世界のニュースを日本人は何も知らない』(ワニブックスPLUS新書)の著書なので、わたしなどが知りえない中国の事情を細かに取材したうえで、情報を発信されていると思っていたので、Xのダイレクトメールで本人に撮影場所を問い合わせてみた。しかし、回答はなかった。
これらの経緯を検討すると、谷本氏が投稿した動画は、嘘(フェイクニュース)の可能性が高い。
福岡・佐賀押し紙弁護団 江上武幸(文責) 2025(令和7)年5月 1日
阿蘇の北外輪山に、カルデラの中央に横たわる涅槃像の形をした噴煙をたなびかせる阿蘇五岳をながめることができる絶好の観光スポットがあります。外輪山最高峰の「大観峰」と呼ばれる峰です。小国町の温泉旅館に宿泊したときなど、天気がよければ大観峰まで足を延ばし雄大な阿蘇の景色をみて帰ったりします。
最近、熊本インター経由で久留米に帰るため大観峰から内牧温泉にくだる道を通ったことがあります。 山の上の広々した草原地帯と異なり、道の両側には鬱蒼とした杉林が続いていました。おそらく、湯けむりで湿った空気が斜面をのぼり、時には雨を降らせるような地形が杉の成長に適しているのではないでしょうか。
ところで、昨年12月に関東地区新聞労連の役員会に招かれたことから、ネットで新聞の歴史を調べていたところ、偶然、甲斐弦熊本学園大学名誉教授の『GHQ検閲官』(経営科学出版)という本を見つけました。
「元検閲官だった著者が米軍検閲の実態を生々しく描き出した敗戦秘史がここに復刻」・「敗戦で日本人は軍のくびきから解放され自由を与えられたと無邪気に信じ込んでいるが、戦争は終わったわけではなく、今なお続いているのである。」とのカバーに目をひかれ、さっそくアマゾンで購入しました。
新聞の公称部数を示すABC部数を詳細に解析すると、新聞社の「押し紙」政策の足跡が確認できることがある。そのABC部数に基づいて、折込広告の定数を決める基本原則がある。
しかし、最近ではABC部数をはるかに上回る定数の折込媒体が販売店に搬入されているケースがままある。東京23区のうち、12の区でこのような現象が確認できた。そのデタラメな実態をYouTubeで報告する。
2025年2月度のABC部数が明らかになった。前年同月比で、最も減部数が多いのは読売新聞で、-40万部だった。毎日新聞は-28万部、さらに朝日新聞は、-18万部となった。
中央紙の部数内訳は次の通りである。
朝日新聞:328万部(-18万部)
毎日新聞:130万部(-28万部)
読売新聞:560万部(-40万部)
日経新聞:133万部(-7万部)
産経新聞:81万部(-6万部)
新聞特殊指定(平成11年公取委告示第9号)の「改正」をめぐる疑惑が浮上している。既報したように、この件は1997年12月に公正取引委員会が、北國新聞社に対して、「押し紙」の排除勧告を行ったことに端を発している。公取委がはじめて新聞業界の「押し紙」にメスを入れたのである。
これを機として日本新聞協会と公取委は、解決策を話し合う。ところが不思議なことに話し合いを重ねた結論として生まれた1999年の改正・新聞特殊指定は、独禁法を骨抜きにして、新聞社がほとんど自由に「押し紙」ができる内容になっていたのである。
当時の公取委員長は根来泰周氏で、日本新聞協会の会長は渡邉恒雄(読売)氏だった。当時、渡邉氏は、「読売1000万部」に執着していた。一方、根来氏は退任後、プロ野球のコミッショナーに就任した。
これら一連の経緯は、この問題を調査した江上武幸弁護士が、次の記事に詳しく書いている。
押し紙(その1)平成11年の新聞特殊指定「改正」の謎-モラル崩壊の元凶 -
メディア黒書のYouTube版【配信2】をリンクする。
今回の配信では、【配信1】の訂正について説明した後、「押し紙」が生む不正金額が35年ベースで3兆円を超えている事実を紹介した。毎日新聞の内部資料「朝刊 発証数の推移」についても検証した。
それによると2002年10月の段階で、販売店への搬入部数は約395万部だった。これに対して発証数は251万部。差異の144万部が「押し紙」という試算が成り立つ。
新聞1部の卸価格が月額1500円と仮定すると、「押し紙」からひと月で21億6000万円の販売収入が発生している計算になる。これを1年に換算すると295億2000万円になる。
このような汚点に公権力機関が着目すれば、新聞紙面への暗黙の介入が可能になる。
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)4月15日
(年号は、西暦と和暦をランダムに用いることをあらかじめお断りしておきます。)
・新聞倫理綱領(2000(平成12)年6月21日制定)
「編集、制作、広告、販売などすべての新聞人は、自らを厳しく律し、品格を重んじなければならない。」・「新聞は、公共の利害を害することのないよう、十分配慮しなければならない。」・「販売にあたっては節度と良識をもってひとびとと接すべきである。」
・新聞販売綱領(2001(平成13)年6月20日制定)
「新聞販売に携わるすべての人々は、言論・表現の自由を守るために、それぞれの経営の独立に寄与する責任を負っている。販売活動においては、自らを厳しき律し、ルールを順守して節度と責任ある競争の中で、読者の信頼と理解を得るよう努める。」
日本の新聞は明治・大正・昭和と軍国主義日本の台頭と歩調を一にして発展してきました。戦前、1000社を超えた新聞社は、戦争に向けて国論を統一するために50数社に整理統合され、戦時中は大本営発表を垂れ流す軍の広報紙に成り下がりました。戦後は、多くの若者を戦地に送り出して無駄死にさせた責任をとることもなく、新聞経営者らは、一転して占領軍の手先となって、鬼畜米英の対象だったアメリカを美化する役割を引き受けました。
讀賣新聞の正力松太郎氏や朝日新聞の緒方竹虎氏らがCIAのスパイ、あるいは協力者となったことは戦後日本の歴史的事実です。戦前の戦意高揚の記事の氾濫の中、戦地に送られて亡くなっていった若者達や、銃後に家族を残したまま最前線で餓死状態で死んでいった壮年兵達、あるいは内地で空襲や原爆でなくなっていった人達、沖縄で断崖から飛び降りていった人達など、多くの戦争の犠牲者の方達の無念の思いはどこに行ったのでしょか。
ウクライナやイスラエルのガザでは今でも戦争が続いており、数え切れないほどの尊い命が失われています。せっかくこの世に生を受けてきた幼い子供たちも大勢殺されています。21世紀に生きる私達は、宇宙から地球を見ることができる神の目を持ちえた最初の人類です。地球が広大な漆黒の闇に浮かぶチリほどの存在にすぎないことを知っています。同時にこの地球を滅ぼすことが出来る大量の核兵器を製造し貯蔵していること、原子力発電所を多数稼働させていること、それらがいったん暴走を始めたら誰のもとめることが出来ないことを知っています。
ネット上で巨石文明の写真をみると、人類は滅亡と誕生を繰り返してきたとの説もあながち嘘とは思えません。祖父母の世代は日清・日露戦争、父母の世代は太平洋戦争を経験しています。私たちの世代だけが戦争のない平和な時代を過ごせていいのだろうかという思いを抱えてきました。人生は長くてせいぜい7~80年程度です。残された時の間に私達の世代も同じ体験することになっても不思議ではありません。
しかし、高齢の私はともかく、次世代の子供や孫達の時代に戦争を体験することにならないようにしなければなりません。戦争の準備が着々と進んでいるかのように見えてきており、人間の愚かさをしみじみと感じるようになりました。
戦後民主主義教育を受けた世代で、新聞・テレビ等のマスメディアに対しては漠然とした信頼感がありました。まさか嘘はつかないだろうと思ってきました。しかし、ひょんなことから押し紙問題に首を突っ込むようになり新聞業界の闇を覗いたことから、はたして新聞・テレビが果たしている役割とはなんだろうという疑問と不安を覚えるようになりました。戦前と同じ過ちを新聞・テレビのマスメディアが繰り返す心配はないか。せめて、日本は戦争をせず、他国の戦争にも巻き込まれない、平和な国であって欲しいものです。
アメリカ並みの軍産官界複合体のもとマスコミを動員して戦争熱を掻き立てたるようになれば、その行き着く先は第二次世界大戦以上に恐ろしい光景しか見えてきません。幸い、今のところネット上でも公然と戦争熱をあおる番組には出会っていませんが、鬱積した失われた30年に対する若者の怒りが爆発したとき、そのエネルギーがどこに向かうのか心配です。
「またも会」のアカウント名でXに投稿された記述で、名誉を毀損(侮辱罪)されたとして、横浜副流煙事件「反訴」の原告、藤井敦子さんが、被疑者不詳で神奈川県警青葉警察署に刑事告訴した事件で、新しい展開があった。書類送検の後、横浜地検は嫌疑不十分で不起訴の判断を下したが、藤井さんは4月4日付けで検察審査会に審査を申し立てた。
横浜副流煙事件の法廷で作田学医師(冒頭写真、当時、日本禁煙学会理事長)が行った証言の内容をめぐり、刑事告訴にエスカレートした事件が、検察審査会の議決により、2月27日に終了していたことが分かった。この刑事告訴は既報してきたように、作田医師が横浜副流煙事件の法廷で、数年前に外来を受診した患者を指して、「会計にも行っていないと思います」などと事実無根の証言をしたのが引き金である。
作田医師が言及した患者は、傍聴席で作田医師の証言を聞いた。怒り心頭に達し、その後、作田氏に内容証明で真意を問い合わせた。しかし、回答がなかったので、神奈川県警青葉警察署に刑事告訴したのである。
青葉警察署は告訴を受理して捜査した後、横浜地検に作田医師を書類送検した。しかし、横浜地検は不起訴とした。これに対して男性は、検察審査会に審査を申し立てたが、2月27日付けで、「不起訴処分相当」の結論が下された。
事件の経緯については、次の記事に詳しい
東京地裁は25日、統一教会に対して解散を命じた。このカルト集団が不正に集めた資金は、全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、35年間で1237億円になる。しかし、それをもってして日本の司法制度が正常に機能しているとまでは言えない。と、いうのもおそらくは最高裁事務総局の指示で意図的に、介入を避けている事件が他にもあるからだ。
その代表格が「押し紙」問題である。霊感商法による1237億円に対して、「押し紙」が生む不正資金は、筆者の試算によると35年換算で3兆2620億円になる。「押し紙」商法は、その規模と悪質性では、統一教会のカルト商法と比較にならない。
32兆6200万円の裏付けについては、『新聞と公権力の暗部』(鹿砦社)に詳しいが、概要は次の通りである。2021年度の全国の朝刊発行部数は約2590万部だった。このうちの20%にあたる518万部が「押し紙」と仮定する。また、新聞1部の卸代金を月額1500円と仮定する。「押し紙」による販売収入は、次の計算式で導きだせる。
518万部×1500円×12カ月=年間932億円
霊感商法による35年間の被害額と比較するために、「押し紙」の不正金額・年間932億円を35倍すると、3.2兆6200万円になる。
ただし、「押し紙」20%の仮定は控え目に設定した数字である。最近の「押し紙」裁判では、多いケースになると40%から50%が「押し紙」になっている。また、新聞の卸価格1500円も過少に見積もっている。さらに「押し紙」によるABC部数のかさ上げにより、上昇する紙面広告の価格は考慮していない。
Chatgptに、どの国が日本語教育に力を入れているかを質問したところ、次のような回答があった。他の検索でも、ほぼ同じような結果が出たので、Chatgptの回答はおおむね現実を反映しているのではないか?
1. インドネシア
• アジアで日本語学習者数が最も多い国の一つ。
• 日系企業が多数進出しており、ビジネス上の需要が高い。
• 日本のアニメやJ-POPの人気も影響しています。
『報道しないメディア』(喜田村洋一著、岩波書店)は、英国BBCが点火したジャニー喜多川による性加害問題の背景を探った論考である。著者の喜田村氏は、弁護士で自由人権協会の代表理事の座にある。メディア問題への洞察が深く、出版関係者や大学の研究者からありがたがられる存在だ。
その喜田村弁護士が著した本書は、ジャニーズ問題がほとんど報じられなかった背景に、報道すれば返り血を浴びる構図があったと結論づけている。喜田村氏は、ジャニーズ問題を報じてきたマスコミが『週刊文春』と『週刊現代』の2媒体だけであった事実を指摘した上で、次のように述べている。
ジャニー喜多川氏の性加害だけでなく、マスメディアにジャニーズ事務所の気に入らない記事が掲載されたりすれば、ジャニーズ事務所は、当該メディアを出入り差し止めにしたり、そのメディアの発行会社の雑誌全部にジャニーズ事務所の所属タレントを出演させなかったり、さらにはそのメディアの上層部に直接不満を言いつけるということをやっていた。
報道に踏み切ることで、不利益を被る構図が存在したという説である。改めて言うまでもなく、そのような構図を構築したのは、報道対象であるジャニーズ事務所の側である。
日本で定着している中国に関する情報には、誤ったものがかなり含まれている。たとえば宗教が禁止されているという情報である。社会主義の国では唯物論哲学が主流なので、その対極にある観念論哲学の典型である宗教が禁止されているという机上の論理が広がった結果ではないかと思うが、これは事実ではない。
昨年(2024年)の9月、筆者は中国遼寧省の広佑寺を訪れた。広佑寺は、漢代に建立された名刹(めいさつ)で、明の時代に仏教の聖地として繁栄した。
USAIDとCIAの傘下にあるNED(全米民主主義基金)は、3月5日、米国議会が同基金に割り当てた予算が違法に保留されているとして、3月5日、行政機関と政府高官を相手に、米国連邦地方裁判所に裁判を提起した。ピーター・ロスカム会長によると、NEDの予算は、事前通告なしに凍結されたという。
ENDは、USAIDから資金提供を受け、CIAからは戦略上のノウハウを受けてきた。表向きは、他国の民主化を支援することを活動の柱としているが、実態としては、米国に敵対する国や地域の市民運動やメディアをてこ入れして、親米世論を拡散し、社会を混乱させたうえで、最後にクーデターなどの手段で「反米政権」の転覆をはかることをゴールとしている。
USAIDの活動分野は多岐にわたるが、世論誘導の役割を担っているのがNEDなのである。NEDの活動により混乱を招いた典型的な例としては、香港の「雨傘運動」がある。NEDから資金援助を受けてきたとされる日本の一部のマスコミも、周 庭 ( しゅう てい 、Agnes Chow Ting)を「民主主義の女神」として称え、NEDの方針に追随した。
ラテンアメリカの中でキューバ政府と最も親密な関係にあるニカラグアとベネズエラに対しても、NEDは侵入して、「民主化」の旗を掲げ、大混乱を引き起こした。しかし、ニカラグアでもベネズエラでも、クーデターは失敗した。
NEDの今後については、存続されるのではないかとする見方もある。筆者も存続の可能性が高いとみている。その意味でも、裁判の行方が注目される。
『創』の3月号(2025年)が「新聞社の徹底研究」と題する特集を組んでいる。これは、延々と続いてきた企画で定評もあるが、最近は内容の劣化が著しい。新聞社に配慮しているのか、「押し紙」問題へ言及を回避している。肝心の問題を隠蔽すると、誤った新聞業界のイメージが拡散する。世論の形成においては、むしろ有害な企画だ。
「押し紙」は、今や公然の事実になっているわけだから、メディア専門誌である『創』がその実態を把握していないはずがないが、「押し紙」は存在しないという偽りのリアリティーを前提に新聞を論じている。
以前は、消極的ながらも「押し紙」について言及することもあった。たとえば、2011年度の新聞特集(『創』4月号)は、鼎談の中で、共同通信編集主幹の原壽雄氏が「押し紙」に疑問を呈している。次の発言である。
部数の話が出るたびに思うのだけれど、元々、新聞協会が発表しているのは、本当の部数ではないわけですよね。いわゆる「押し紙」といって販売店に必要以上の部数が送られていた。それをなんとかしないといかんと思っている経営者は多いわけで、部数減のデータの中には、押し紙の調整も含まれているわけですね。
この鼎談の2年前、2009年には『創』の篠田博之編集長がわたしに「押し紙」問題についての記事の執筆を依頼してきたこともある。ただ、このときは、弁護士で自由人権協会・代表理事の喜田村洋一らが、読売新聞から委託を受けてメディア黒書に激しい裁判攻撃を加えていた時期で、しかも、3件目の裁判(約5500万円を請求)を起こされた直後だったこともあり、筆者の方から執筆の依頼を断った。
つまり『創』は、かつて「押し紙」問題を認識していたのである。
レイバーネットTVで「押し紙」問題について黒薮が解説した。出演者は次の通りである。 出演者:黒薮哲哉(...
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横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が、それぞれ1月14日と22日に言い渡された。裁判所は、いずれも原告...
福岡・佐賀押し紙弁護団弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)1月15日 令和6年12月24日の西日...
渡邉恒雄氏の死に際して、次から次へと追悼記事が掲載されている。ここまで夥しく提灯記事が現れるとさすがに吐き気...
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月25日 昨日(24...
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・ 江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月20日 11月28日(木...
福岡・佐賀押し紙弁護団・ 江 上 武 幸 (2024年「令和6年」12月19日) 去る11月29日(金...
「押し紙」の回収現場を撮影した画像を紹介しよう。新聞社は、回収されている新聞は、「押し紙」ではないと主張して...
「押し紙」裁判を取材するなかで、わたしは裁判書面に目を通す機会に接してきた。弁護士から直接書面を入手したり、...
別稿・事件の概要 来年2025年の1月に、横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が下される。詳細は次...
インターネットのポータルサイトにニュースが溢れている。衆院選挙後の政界の動きから大谷翔平選手の活躍まで話題が...
2024年10月15 (文責)福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士江上武幸 第1 はじめに 西日本新聞...
福岡・佐賀押し紙弁護団は、10月1日、毎日新聞の元店主Aさんが大阪地裁へ提起した「押し紙」裁判の訴状(9月2...
読売新聞社会部(大阪)が、情報提供を呼び掛けている。インターネット上の「あなたの情報が社会を動かします」とい...
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士 江上武幸(文責) 2024年(令和6年)9月20日 兵庫県で毎日新聞販...
柔軟剤や煙草など、広義の「香害」をどう診断するかをめぐる議論が沸騰している。日本では、「香害」による体の不調...
福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士・江上武幸(文責) 去る7月2日、西日本新聞販売店を経営していたAさ...
長崎県の元販売店主が2021年に起こした西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、7月2日の午後、福岡...
西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、次のスケジュールで実施される。 場所;福岡地裁 903...
『週刊金曜日』(6月7日付け)が、「報道の自由度、世界ランキング70位でいいのか」と題する記事を掲載している...