地方自治体が発行する広報紙の水増し、新聞部数をこえる折込部数を提供、各地で発覚

地方自治体が発行する広報紙は、新聞折込、ポスティング、郵送などで住民に配布される。このうち最も多くの自治体が採用している配布方法は、新聞折込とポスティングである。東京23区の場合、16区が新聞折込を採用している。わたしが在住する埼玉県朝霞市はポスティングだ。

広報紙の配布をめぐり、このところ水面下で問題になっているのが、新聞販売店に卸す広報紙の水増し行為である。たとえば配達する新聞部数が1000部の販売店であれば、それに相応した広報紙の折込部数は1000部である。厳密に言えば、これに若干に予備部数が加算される程度だ。

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2020年11月21日 (土曜日)

原告弁護士に責任はないのか?提訴を思いとどまらせるべきだった、横浜副流煙裁判

横浜副流煙裁判で、被告の藤井将登さんの勝訴が確定した。提訴が2017年11月で、高裁判決が20年10月。翌11月に原告が上告を断念して、東京高裁の判決が確定した。裁判の提訴から、終了までがちょうど3年だった。

取材してきたわたしは、裁判の記録作業に入った。事件を想起しながら、わたしは改めて事件の異様さを痛感している。

まず、奇妙なのは、社会通念からして、即座に棄却されてもおかしくない裁判を、裁判所が3年も継続したことである。繰り返し述べてきたように、訴因は将登さんの喫煙である。自宅の密封された音楽室で将登さんが吸った1日に2本か3本の煙草が原因で、隣人が受動喫煙症に罹患(りかん)したとして、将登さんに対して裁判を起こしたのである。準備書面の中で原告は、癌の原因が将登さんの副流煙だという主張も展開した。

提訴の前段、つまり副流煙をめぐる隣人トラブルが浮上した段階で、将登さんの妻・敦子さんは弁護士に相談した。弁護士は、事件の中身があまりにもばかばかしいので、心配しないようにアドバイスした。箸にも棒にも掛からない案件と判断したのである。

実際、裁判所も当初は重大事件という認識が薄かったのか、合議制(裁判官が3人)を採用しなかった。裁判官は1人だけだった。

ところがいざ審理に入ると、作田学医師や宮田幹夫医師ら、著名な人々が原告のために次々と意見書を提出した。それにつれて裁判所の態度も変わった。結審の気配がなくなってしまったのだ。

藤井さんの代理人弁護士は、審理の中で喫煙する権利を重視して、科学論には深入りしようとはしなかった。それはひとつの戦略である。が、それに納得できなかった敦子さんは、弁護士を解任した。そして支援者が知恵を結集して共同で取材し、共同で書面を準備したのである。

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5Gの時代、隠されているマイクロ波のリスク、電話会社の常套句、「総務省の基準を守って操業しますから絶対に安全です」

環境問題でいう規制値とは、環境に放出される汚染物の許容範囲を定めた数値である。それは通常、総務省が設定する。無線通信で使うマイクロ波の場合、1000 μW/c㎡ (マイクロワット・パー・センチメートル)が、規制値である。

規制値が1000μW/c㎡ と言っても、ほとんどの人は、どの程度の許容範囲なのかをイメージすることができない。結論を先に言えば、この数値では、規制になっていない。

許容範囲の程度をメージ化するためには、他の地域における規制値と比較することが有効だ。

たとえば欧州機構が定めているマイクロ波の規制値(勧告値)は、0.1μW/c㎡ である。近い将来には、この数値を、0.01μW/c㎡ へ引き上げると言われている。

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2020年11月18日 (水曜日)

近々に日本禁煙学会・作田理事長を提訴、横浜副流煙裁判の判決確定を受けて藤井さんが「反訴」を表明、「支援する会」がカンパを呼びかけ

横浜副流煙裁判の東京高裁判決が確定した。原告が最高裁に上告しなかったので、裁判は終了し、自動的に藤井将登さんの勝訴が確定した。これを受けて藤井さん夫妻は、「戦後処理」に入る。裁判に深く関与した作田学医師に対して、損害賠償の裁判を起こすことを既に決めており、代理人弁護士も選任した。

わたしを含めて4人の支援者が、藤井さん夫妻を支援する会を立ち上げた。そして裁判費用と活動資金のカンパを呼びかけることになった。メディア黒書の読者には、次の告知を確認した上で協力をお願いします。資金の用途については報告します。

■支援カンパのお願い

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2020年11月17日 (火曜日)

KDDIが通信基地局に関する説明を一方的に打ち切り、朝霞市岡の基地局問題、設置場所の賃借料は月額360円の異常、時系列ノート㉗

KDDIは、11月5日、筆者に対して一方的に通信基地局問題に関する質疑応答の打ち切りを通知した。これに対して筆者は、基地局設置場所(朝霞市城山公園内)を提供している朝霞市に対して、基地局を2020年度中に撤去するように申し入れた。

◆一方的な基地局設置

事件の発端は、KDDIが朝霞市岡3丁目の朝霞市城山公園内に、一方的に通信基地局を設置したことである。(KDDIが朝霞市に支払う賃借料は、月額で約360円である。非常識な価格設定である。)

筆者が設置計画を知って、KDDIに中止を求めたところ、KDDIは一時的に工事をペンディングにした。そして筆者からの質問に文書で回答するようになった。KDDIの言葉を借りると、基地局の近隣住民に対する説明である。

ところがその質疑応答が完了していな段階で、KDDIは一方的に基地局設置工事を再開した。これが8月である。現場で抗議すると、警察を呼んだ。これ自体が企業コンプライアンスにかかわる行為である。

その後も質疑応答は続いた。

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2020年11月11日 (水曜日)

米国・民主党左派=社会主義者というとんでもない報道

米国大統領選の報道に接して、筆者が感じたことを、以下の4点に集約して記録しておこう。

1、民主党左派は社会主義者?

民主党の左派は、社会主義思想の持ち主だという報道があった。基礎学力を疑われかねないとんでもない誤報である。たとえば『プレジデント・オン・ライン』の次の報道である。

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2020年11月11日 (水曜日)

差別表現をめぐる部落解放同盟との論争、『紙の爆弾』(12月号)

『紙の爆弾』(2020年12月)の最新号は、筆者が寄稿した「徒(いたずら)に『差別者』を発掘してはならない」と題する一文を掲載した。内容については、同誌で確認してほしい。

この寄稿は、『紙の爆弾』の先月号から始まった「『士農工商ルポライター』は『差別を助長する』のか?」と題する連載企画の第2回の原稿である。

企画の発端は、同誌9月号が掲載した昼間たかし氏のルポの中で、昼間氏が使った次の表現に対して、部落解放同盟が鹿砦社側に釈明を求めたことである。

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2020年11月09日 (月曜日)

「政治判断」の有無、12月1日の産経新聞「押し紙」裁判、もう一つの注目点

既報したように12月1日に東京地裁は、産経新聞の元販売店主が起こした「押し紙」 裁判の判決を下す。改めていうまでもなく最大の関心事は、判決の行方であるが、それと平行して、注目されているのは、司法による「政治判断」の有無である。

昔から新聞社がらみの裁判において裁判所は、新聞社に圧倒的に優位な判決を下す傾向がある。新聞社販売局の担当者の中には、店主に向かって、「あんらた裁判しても絶対に勝てないよ」と豪語している者もいる。

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【報道検証】米国大統領選後の混乱と、トランプ政権の対ラテンアメリカ政策-市民運動の悪用

はからずも米国大統領選で、トランプ大統領が引き起こした「不正選挙」をめぐる混乱を通じて、トランプ政権がこれまでラテンアメリカに対して採用してきた対外政策が輪郭を現してきた。

ラテンアメリカに関する日本の新聞報道は、米国のFOXニュースのレベルである。キューバのPrensa LatinaやベネズエラのTelSurの報道内容とは、対極にある。ただ、現地を取材して直接、自分の目で真実を確認できないわたしは、どちらの情報を信用すべきなのか長いあいだ分からなかった。

それゆえにわたしは、メディア黒書でラテンアメリカの話題をあまり取り上げてこなかった。

しかし、米国の大統領選の後に浮上した米国民の分断を見て、Prensa LatinaTelSurの情報の方が真実を伝えているという確信を得た。

ベネズエラ、ニカラグア、ボリビアで行われた最新の大統領選について、日本のメディアは次のように報じている。これらの国は、米国でいま起きていることを経験したのだ。

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2020年11月06日 (金曜日)

【書評】『一九七〇年 端境期の時代』、よど号の元メンバーが近くて遠い祖国へ届けた言葉

ノンフィクション作品の質を決める最大の要素は、テーマの重さである。さらに欲を言えば実体験。そして表現という点では、第3者がそれを取材して書くよりも、当事者が綴る方が説得力が何倍にも増す。若林盛亮氏の「『よど号』で飛翔五十年、端境期の闘いは終わっていない」は、これらの条件を兼ねそなえた傑作だ。著者は、ピョンヤンから、同時代の日本へメッセーを送っている。

若林氏についてインタネットで検索して、筆者は次の経歴をみつけた。

  滋賀県草津市生まれ。滋賀県立膳所高等学校を経て同志社大学経済学部に入学。在学中、1970年によど号ハイジャック事件を起こし、北朝鮮に亡命。 1976年に結婚し、妻である若林佐喜子と平壌に在住している。(ウィキペディア)

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2020年11月03日 (火曜日)

楽天モバイル基地局、マンション住戸の真上に新規設置で住民が反対…健康への影響を懸念

東京都内のIT企業でAI(人工知能)の開発に携わっている中国人の柳大海(仮名、38歳)さんは、3年ほど前に東京都大田区南六郷にある分譲マンションを購入した。そこは京浜急行の雑色駅から徒歩で10分、民家や中層のビルが建ち並ぶ住宅街である。

柳さんの住居は、7階建てマンションの最上階である。2LDK。広々としたルーフバルコニーもある。築20年ほどの中古物件だが、物件管理が行き届いているので、新築のような印象がある。柳さんは月々約10万円のローンを返済している。柳さんは20代のときに仕事で来日し、その後、職能を高く評価されて日本企業に転職した。日本の生活にもなじみ、永住するつもりでマンションを購入したのである。

その柳さんに不穏な話が持ち上がったのは、今年の8月だった。楽天モバイル(以下、楽天)が柳さんの住居の真上に通信基地局を設置する計画を、マンションの管理組合に打診してきたのだ。柳さんが言う。【続きはビジネスジャーナル】

 

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米大統領選挙、バイデン圧勝か?「不正選挙」と暴力というトランプのプロパガンダと戦略、既にベネズエラ、ボリビア、ニカラグアで失敗を実証済み

NBCニュースとウオールストリートジャーナルは、米国大統領選の最新世論調査の結果を報じた。 それによるとバイデンが52%で、トランプが42%だった。米国大統領選挙の行方は、接戦というよりも、バイデンが圧勝する可能性が高い。

しかし、一部のメディアによると、トランプ陣営は、敗北した場合に不正選挙を理由に法廷闘争を開始する可能性が高いとも伝えている。選挙後の混乱の舞台となる可能性が高い大都市では、窓を板で覆って暴動に備える商店やレストランもあるという。銃を購入する市民も急増していると伝えている。

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2020年10月31日 (土曜日)

【全文公開】横浜副流煙裁判の控訴審判決、嫌がらせ裁判に審判、進む科学者のモラルハザード

東京高裁は、29日、横浜副流煙裁判の控訴審判決を言い渡した。勝訴したのは、一審被告の藤井将登さんだった。一審原告の主張はすべて棄却された。藤井さんが完全勝訴したのである。

この裁判は、外部とは完全に密閉されている音楽室(防音構造)で藤井さんが吸った煙草の副流煙が原因で、藤井さんのマンションの上階に住むAさん一家が、広義の化学物質過敏症になったとして4500万円を請求したものである。訴状には記されていないが、審理の中でAさん一家は、藤井さんの副流煙で癌になったとも主張した。

裁判そのものの異常さは、メディア黒書で繰り返し報じてきたが、実はほどんど表に出なかったもうひとつの問題がある。それは疑似科学が幅を利かせている問題である。みずから疫学調査もしないで、根拠のないことを堂々と公言してはばからない連中が、名誉教授として、あるいは医師として、さらにはクリニックの経営として社会的な地位を確立している事実である。その実態が浮かび上がった。【ウェブマガジンで全文公開

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2020年10月30日 (金曜日)

藤井さんの全面勝訴、横浜副流煙裁判の控訴審、次のステップは「戦後処理」、判決全文を公開

横浜副流煙裁判の控訴審で、東京高裁は29日、控訴人(一審原告)の控訴を棄却する判決を言い渡した。これにより事実上、被告・藤井将登さんの勝訴が確定した。判決は、第一審の横浜地裁判決を追認したもので、原告の主張はまったく認められなかった。

◆◆
この裁判は、藤井さんが自室の音楽室(密封された防音構造)で吸っていた1日に2,3本程度の煙草の副流煙が、2階に住むAさん一家の健康を害したとして、Aさん一家が4500万円を請求した事件である。Aさん一家は、藤井さんの副流煙によって「受動喫煙症」、化学物質過敏症、癌に罹患(りかん)したと主張した。

その主張を宮田幹夫・北里大学名誉教授、日本禁煙学会・作田学理事長など多数の医師が全面的に支持して、Aさん一家を擁護するための意見書を次々と提出した。

建物の構造と副流煙の動きを立証するために、建築士なども裁判に加わった。提訴が2017年11月であるから、藤井さんは、3年にわたって法廷に立たされたのである。

作田医師ら、日本禁煙学会の関係者の主張に対して「極論ではないか?」、「疑似科学ではないか」、「禁煙ファシズム」といった批判が上がっていたが、原告側は主張を変えなかった。

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2020年10月29日 (木曜日)

藤井さんが勝訴、横浜副流煙裁判の控訴審、作田医師による医師法20条違反については判断せず

【臨時ニュース】
横浜副流煙裁判の控訴審で、東京高裁は29日、控訴人(一審原告)の控訴を棄却する判決を言い渡した。しかし、作田学・日本禁煙学会理事長による医療行為が医師法20条違反に該当するかどかの直接的な判断は避けた。

 

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2020年10月29日 (木曜日)

危険極まりない総務省の電波防護指針、 KDDIは安全を断言、「60年以上に及ぶ研究結果が蓄積」、5G導入の国策下でメディアは沈黙【時系列ノート㉖】

スマホなどの通信基地局の設置をめぐって電話会社と住民の間で、トラブルになるケースが増えている。メディア黒書に情報が提供される事件についていえば、最も件数が多いのは楽天である。次にKDDIである。

基地局問題の諸悪の根源は、総務省が定めている電波防護指針(マイクロ波の規制値)が実質的には規制レベルになっていないことである。それは次の比較値を見れば明らかになる。

日本:1000μW/cm2

中国:40μW/cm2

イタリア:10μW/cm2

スイス:6.6μW/cm2

欧州評議会:0.1μW/cm2(勧告値)

日本は米国と並んで世界で最も規制がゆるい国なのである。確かに1000μW/cm2まではいかなくても、900μW/cm2ぐらいのレベルを規制値に定めている国は少なくないが、マイクロ波が人体に及ぼす影響が研究により裏付けられて来るにつれて、海外では国とは別に地方自治体が独自の基準を設置するケースが増え、現在、規制値に大きな差が生じているのである。

日本の規制値は、1989年に設定された。それ以来、更新されていない。

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2020年10月28日 (水曜日)

29日に東京高裁で控訴審判決、横浜副流煙スラップ裁判、提訴から3年の節目

横浜副流煙裁判の控訴審判決が、29日に言い渡される。日時と場所は次の通りである。

日時:10月29日(木)15:30より

場所:東京高裁809号室

第1審の横浜地裁判決は、被告の藤井将登さんの完全勝訴だった。藤井さんが提訴されたのは、2017年11月であるから、藤井さん一家は、約3年の歳月を裁判に奪われたことになる。高裁判決の結果がどうであれ、実質的にはこれで裁判は終結する。

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2020年10月27日 (火曜日)

新聞社が避けたい「押し紙」裁判、提訴の前段で販売店が強く抗議すれば「解決金」は高くなる

残紙問題が深刻になる状況下で、メディア黒書への情報提供も増えている。先日は、朝日新聞の残紙の実態を収録した動画が送られてきた。残紙の回収ルートを知らせてくれた人もいる。

ABC部数の激減は、残紙の排除が進んでいることを意味するが、それでも依然として残紙はなくならない。

新聞販売店の経営は悪化の一途をたどり、廃業を検討している店主が増えているようだ。

日本新聞販売協会が8月に発表した「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」によると、71.5%の店主が、1000万円以上の借金をかかえている。経営が苦しいと回答した店主が93%にものぼった。

こうした状況の中で、「押し紙」裁判も増えている。

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新聞業界--公序良俗違反のデパート、残紙、ABC部数の改ざん、技能研修性の使用

民法90条を根拠として、残紙の無効と損害倍書を主張する潮流が生まれはじめている。

【民法90条】公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

ウェブサイト上のHP「民法の基本」は、次のように公序良俗を解説しいている。

伝統的な学説は、公序良俗概念を社会的妥当性の意味に捉えて、社会的妥当性を欠く行為を絶対無効であるとしてきた。だが、近時は、公序良俗概念を再構成する試みがある。有力な見解として、社会的公序と経済的公序を対比させたり、個人の基本権保護と結び付けて考えたりする学説がある。これらの学説の特徴は、公序良俗に反する行為を類型化することによって、違反の効果を柔軟に判断する点にある。

◆◆
専門的な解釈と運用は、法の専門家にゆだねるとして、ジャーナリズムの観点から、新聞業界の中で明らかに公共の秩序を乱している行為をクローズアップしてみよう。

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2020年10月24日 (土曜日)

「押し紙」と折込広告の水増しを柱とした新聞社のビジネスモデルそのものが公序良俗違反

残紙問題を考える重要な視点として、公序良俗違反がある。残紙の性質が「押し紙」であろうが、「残紙」であろうが、大量の紙を廃棄する行為が公序良俗に違反していないか。あるいは日本経済が好調だった時代、実配部数だけではなく残紙部数に対しても折込広告を割り当て、最終的にそれを廃棄していた行為は公序良俗に反していなかったか。(上写真:右は残紙の山、左は水増しされた江戸川区の広報紙の山)

(現在は、折込広告の水増しは、ほぼなくなっている。ただし、地方自治体の広報紙の新聞折り込みに関しては、情況は変わっていない。むしろ悪化しているようだ。)

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2020年10月23日 (金曜日)

裁判所が「押し紙」の定義の明確化を求める、読売の代理人は喜田村洋一・自由人権協会代表理事、残紙率50%の読売・濱中裁判の第1回口頭弁論

読売新聞・YC門前駅前店の元店主・濱中勇志さんが8月に、読売新聞大阪本社に対して起こした「押し紙」裁判の第1回口頭弁論が、10月22日の午後、大阪地裁で開かれた。

原告の訴状、それに対する被告・読売新聞の答弁書の提出を確認した後、池上尚子裁判長は原告に対して、「押し紙」の定義をより具体的に示すように求めた。これは読売側が、答弁書の中で釈明を求めている事柄でもある。

今後の裁判の進行については、口頭弁論(公開)の形式で行われることになった。

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2020年10月20日 (火曜日)

楽天の方針、欧州評議会の勧告値の20倍までの強度で通信基地局を操業、基地局周辺住民に懸念されるガンの罹患率上昇

電話会社による通信基地局設置に拍車がかかる中で、電磁波による人体影響が懸念されている。とりわけ5Gで使われるミリ波の安全性についての不安が広がっている。

昨日、総務省が定めている電波防護指針(安全基準)について、楽天に問い合わせをした。その中で楽天は、総務省の基準が示している数値で、健康被害を防止できると考える根拠について、「総務省が定めた数値であるから」と述べた後、次のような主旨の説明を付け加えた。

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2020年10月16日 (金曜日)

新聞協会が佐賀新聞販売店を表彰、新聞大会で贈賞、「押し紙」による独禁法違反にはふれず

日本新聞協会は、10月8日、今年の「地域貢献大賞」を佐賀新聞の販売店に贈ることを発表した。受賞の対象になったのは、佐賀県多久市の佐賀新聞・東多久販売店の宮口昭博店主である。「2011年の販売店開業を機に、住民とのふれあいの場をつくり地域を元気にしたいとの思いで『多久ちんどん芸能隊』を発足させ、地域活性化に取り組んでいる」というのが受賞理由である。

宮口店主は、10月の新聞週間に開かれる新聞大会で表彰される。

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2020年10月14日 (水曜日)

医学的根拠に乏しい日本禁煙学会の受動喫煙症・診断基準、藤井さんの支援者が論考を公表、横浜副流煙事件の闇

横浜副流煙裁判の控訴審判決(東京高裁)が、29日に下される。既報してきたように、第1審議の横浜地裁判決は、藤井将登さんの完全勝訴だった。そして最も注目すべき点は、判決の中で、作田学医師(日本禁煙学会理事長、一口坂クリニック)の医師法20条違反が認定されたことだった。

■事件の概要

医師法20条は、患者を診察せずに診断書を作成する行為を禁止している。最近は、診療については、初診を除き、インターネットによる遠隔診療も部分的に容認されているが、診断書作成については、従来どおり禁止されている。診断書は一種の証明書であるから、それを診察しないで作成することは、患者の病状を誤って公式記録する誤りに繋がりかねないからだ。

ちなみに医師法20条は、死亡診断書につても、患者を診察せずに交付する行為を禁止している。同様の理由による。

控訴審でも、裁判所が作田医師による医師法20条違反をどう判断するかが、最大の注目的になっている。

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2020年10月13日 (火曜日)

読売は740万部、年間で52万部減、朝日は490万部、43万部減、8月のABC部数、販売店の経営悪化と人手不足、外国人の技能研修生の雇用へ

2020年8月のABC部数が明らかになった。朝日新聞は500万部を割った。前年同月差は、-43万部である。

読売新聞は、約740万部。前年同月差は-52万部となった。

ブロック紙では、中日新聞の前年同月差が約-10万部となった。裁判所が独禁法違反を認定した佐賀新聞は-3700部である。

全国の主要な新聞社のABC部数は次の通りである。

朝日新聞:4,991,642 (-430,340)
毎日新聞:2,097,843 (-233,650)
読売新聞:7,423,536 (-521,601)
日経新聞:2,065,973 (-227,832)
産経新聞:1,243,536 (-118,311)

北海道新聞:907,718(-35,248)
河北新報:409,918(-17,107)
東京新聞:414,145(-18,056)
中日新聞:2,084,519(-104,371)

京都新聞:393,603(-24,725)
神戸新聞:450,064(-28,957)
山陽新聞:319,680(-25,635)
西日本新聞:493,395(-53,325)

佐賀新聞:121,829(-3,721)
熊本日日新聞:257,003(-10,169)

次に示すPDF資料は、全国の新聞社の部数一覧である。

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2020年10月08日 (木曜日)

12月1日に産経「押し紙」裁判の判決、裁判官の交代で判決の方向性が変わる可能性も

「押し紙」裁判が多発しているなか、東京地裁は、12月1日に、産経新聞の「押し紙」裁判の判決を下す。既報してきたように、この裁判を起こしたのは、千葉県内の元販売店主である。請求額は、約2600万円。

この元店主は、毎日新聞や産経新聞、それに東京新聞などを配達していた。このうち毎日新聞に対して起こした「押し紙」裁判では、元店主が和解勝訴した。推定の和解金額は3500万円である。この和解勝訴を受けて、元店主は新たに産経新聞に対する損害賠償裁判を起こしたのである。

 ■訴状全文

わたしは2018年7月の提訴当時から、この事件を取材しているが、販売店の勝訴が確実視されていた。事実、裁判所は和解を提案し、産経側に一定の和解金を支払うように求めた経緯がある。

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2020年10月05日 (月曜日)

10月22日に第1回口頭弁論、残紙率50%の読売新聞「押し紙」裁判、裁判所は「押し紙」の定義をどう判断するか?

読売新聞・YC門前駅前店の元店主・濱中勇志さんが8月に、読売新聞大阪本社に対して起こした「押し紙」裁判の第1回口頭弁論が10月22日に行われる。日時と場所は次の通りである。

日時:10月22日(木) 13時10分~ 

場所:大阪地裁 本館10階 1007号法廷にて

この裁判で予測される主要な争点としては、次のようなものがある。

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2020年10月04日 (日曜日)

懸念される名誉毀損裁判への影響、忍び寄る組織(家庭)内部への干渉、自民党がリークした事実、杉田議員による「差別発言」の検証②

朝日新聞が、杉田水脈議員の「差別発言」問題を続報した。タイトルは、「『私たちウソついてない』性被害者ら、杉田水脈氏に抗議」。

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が性暴力の被害者への支援をめぐり「女性はいくらでもウソをつける」と発言した問題で、発言に抗議する「フラワーデモ」が3日夜、東京都内であった。被害を経験した人たちは「私たちはウソをついていない」と声を上げた。■出典

他社も続報記事を掲載している。テレビも続報した。
この問題を通じて、わたしは次の4点を危惧している。

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2020年10月03日 (土曜日)

非「西側メディア」の報道、米国とブラジルで感染者が多い理由

新聞・テレビが流す情報に、バイアスがかかっていることがままある。報道されていない部分や、我田引水に加工されている部分が少なくない。

たとえばコロナウィルスによる感染拡大の報道である。米国やブラジルで感染者の拡大が止まらない事実は伝えているが、その背景に何があるかには言及しない。それを解明するのが本来のジャーナリズムなのだが。その結果、これらの国々で感染者が多いのは、偶然であるかのような世論が形成されている。【続きはウェブマガジン】

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2020年10月02日 (金曜日)

杉田水脈議員の「女性差別」発言、報道検証、リークと誤報に踊らされた市民運動

自民党の杉田水脈議員の「女性差別」発言をめぐる報道は、新聞・テレビの報道姿勢を改めて問うことになった。発端は新聞・テレビの事実上の誤報である。あるいは不正確な報道である。

新聞・テレビは、杉田議員が自民党内の会合で、「女性はいくらでもうそをつけます」と発言したことを、発言全体の文脈を考慮せず、差別発言として一斉報道した。女性というものはいくらでも嘘をつける性質であると摘示したとして、問題視したのだ。

ところが杉田議員が公表した発言全体の趣旨は、報道とは異なり、韓国の国会議員、尹美香(ユン・ミヒャン)氏を念頭に置いたものだった。尹議員は、元従軍慰安婦を支援する市民団体で発覚した不正会計疑惑の当事者として、9月14日に逮捕された。

杉田議員が自分のウエブサイトで公表した説明は次の通りである。一部を引用してみよう。

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トランプ政権が凍結したはずのUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)向けの資金提供の一部が、3月から再開されて...

甲斐弦著『GHQ検閲官』の読後感-モラル崩壊の元凶「押し紙」-

福岡・佐賀押し紙弁護団 江上武幸(文責) 2025(令和7)年5月 1日 阿蘇の北外輪山に、カルデラの...

2025年2月度のABC部数、読売は前年同月比で-40万部、毎...

2025年2月度のABC部数が明らかになった。前年同月比で、最も減部数が多いのは読売新聞で、-40万部だった...

押し紙(その1)平成11年の新聞特殊指定「改正」の謎-モラル崩...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)4月15日 (年号は、西暦と和暦...

検察審査会が「不起訴処分相当」の結論、作田学医師の法廷での発言...

横浜副流煙事件の法廷で作田学医師(冒頭写真、当時、日本禁煙学会理事長)が行った証言の内容をめぐり、刑事告訴に...

統一教会の霊感商法による被害額は35年間で1237億円、「押し...

東京地裁は25日、統一教会に対して解散を命じた。このカルト集団が不正に集めた資金は、全国霊感商法対策弁護士連...

【書評】喜田村洋一の『報道しないメディア』、著者の思想の整合性...

『報道しないメディア』(喜田村洋一著、岩波書店)は、英国BBCが点火したジャニー喜多川による性加害問題の背景...

中国レポート②:遼寧省広佑寺、宗教が禁止されているというのは事...

日本で定着している中国に関する情報には、誤ったものがかなり含まれている。たとえば宗教が禁止されているという情...

雑誌『創』の新聞社特集、「押し紙」問題の隠蔽と誌面の劣化

『創』の3月号(2025年)が「新聞社の徹底研究」と題する特集を組んでいる。これは、延々と続いてきた企画で定...

ニューソク通信がインタビュー(youTube)、作田学医師が主...

横浜副流煙事件の「反訴」について筆者は、ニューソク通信の須田慎一郎氏から、インタビューを受けた。メディア黒書...

喫煙撲滅運動と専門医師の関係、客観的な事実が欠落した診断書、横...

診断書がアクションを起こすための通行証になる現象は昔から続いてきた。たとえば大相撲の力士が本場所を休場すると...

中国レポート:好調な経済、破綻はあり得ない、現実の世界と西側メ...

階段を這うように登る4つ足のロボット。荒漠たる大地を矢のように進む時速450キロの新幹線。AI産業に彗星のよ...

患者が退出して3分後に煙草臭、偽証の疑い、作田学医師の証言、横...

喫煙者の呼気が孕んでいる煙草臭が持続する時間はどの程度なのか?東京地裁で、ある著名な医師が興味深い証言をした...

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横浜副流煙裁判、カウンター裁判で藤井敦子さんらが敗訴、検証が不...

横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が、それぞれ1月14日と22日に言い渡された。裁判所は、いずれも原告...

西日本新聞押し紙裁判 控訴のお知らせ―モラル崩壊の元凶 押し紙...

福岡・佐賀押し紙弁護団弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)1月15日 令和6年12月24日の西日...

1999年の新聞特殊指定の改訂、「押し紙」容認への道を開く「策...

渡邉恒雄氏の死に際して、次から次へと追悼記事が掲載されている。ここまで夥しく提灯記事が現れるとさすがに吐き気...

西日本新聞福岡地裁押し紙敗訴判決のお知らせ―モラル崩壊の元凶 ...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月25日 昨日(24...

西日本新聞押し紙訴訟判決とオスプレイ搭乗記事の掲載について―モ...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・ 江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月20日 11月28日(木...

関東地区新聞労連役員会における意見発表について -モラル崩壊の...

福岡・佐賀押し紙弁護団・ 江 上 武 幸 (2024年「令和6年」12月19日) 去る11月29日(金...

動画で見る「押し紙」回収の現場

「押し紙」の回収現場を撮影した画像を紹介しよう。新聞社は、回収されている新聞は、「押し紙」ではないと主張して...

「押し紙」関連資料の閲覧制限、問われる弁護士の職業倫理、黒塗り...

「押し紙」裁判を取材するなかで、わたしは裁判書面に目を通す機会に接してきた。弁護士から直接書面を入手したり、...

「香害、すなわち化学物質過敏症」の誤り、1月に2つの判決、横浜...

別稿・事件の概要 来年2025年の1月に、横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が下される。詳細は次...

国策としての「押し紙」問題の放置と黙認、毎日新聞の内部資料「発...

インターネットのポータルサイトにニュースが溢れている。衆院選挙後の政界の動きから大谷翔平選手の活躍まで話題が...

モラル崩壊の元凶 ―押し紙― 西日本新聞押し紙訴訟判決期日決...

2024年10月15 (文責)福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士江上武幸 第1 はじめに  西日本新聞...

訴状を公開、毎日新聞の「押し紙」裁判、約1億2000万円を請求...

福岡・佐賀押し紙弁護団は、10月1日、毎日新聞の元店主Aさんが大阪地裁へ提起した「押し紙」裁判の訴状(9月2...

「押し紙」問題がジャーナリズムの根源的な問題である理由と構図、...

読売新聞社会部(大阪)が、情報提供を呼び掛けている。インターネット上の「あなたの情報が社会を動かします」とい...

モラル崩壊の元凶-押し紙- 毎日新聞押し紙裁判提訴のお知らせ

福岡・佐賀押し紙弁護団  弁護士 江上武幸(文責) 2024年(令和6年)9月20日 兵庫県で毎日新聞販...

「香害」をめぐる診断と議論、メディアに氾濫する誇張された被害の...

柔軟剤や煙草など、広義の「香害」をどう診断するかをめぐる議論が沸騰している。日本では、「香害」による体の不調...

―モラル崩壊の元凶、「押し紙」― 西日本新聞・押し紙訴訟の報...

福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士・江上武幸(文責) 去る7月2日、西日本新聞販売店を経営していたAさ...

西日本新聞「押し紙」裁判、証人尋問で残紙部数を把握した機密資料...

長崎県の元販売店主が2021年に起こした西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、7月2日の午後、福岡...

7月2日に尋問、西日本新聞の「押し紙」裁判、福岡地裁で、「4・...

西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、次のスケジュールで実施される。 場所;福岡地裁 903...

国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」のでたらめ、スポンサ...

『週刊金曜日』(6月7日付け)が、「報道の自由度、世界ランキング70位でいいのか」と題する記事を掲載している...