『ZAITEN』9月1日発売、参院選の選挙公報が水増し・廃棄されていた、 背景に「押し紙」
9月1日発売の『ZAITEN』(財界展望新社)は、「朝日新聞『選挙公報』折込で“水増し発覚”」と題する記事を掲載している。執筆は黒薮哲哉で、7月20日に実施された参院選に向けて税金で制作された千葉県版の選挙公報が、「押し紙」とともに廃棄されていた事実を報じたものだ。詳細は同誌をご覧いただきたい。
2025年08月27日 (水曜日)
新聞社系印刷会社が参院選公報を独占受注 首都圏1都3県の実態 もうひとつの「押し紙」問題
選挙公報など、税金で制作された新聞折込媒体を新聞社系の印刷会社が印刷するケースが少なからず存在する。既報のとおり、首都圏の1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)は、いずれもこのケースに該当する。当然、新聞折込の方法を採用すると、「押し紙」がある場合、その部数に応じて折込媒体も廃棄されていることになる。
東京高裁判決を誤解させる「またも会」の投稿 作田医師による医師法20条違反をごまかす手口
8月20日に東京高裁が判決を下した横浜副流煙事件「反訴」の判決をめぐって、日本禁煙学会の会員である「またも会」(アカウント名)が世論を誘導するとんでもない策略を展開している。判決が認定した作田学理事長による医師法20条違反(無診療による診断書交付を禁止)の認定が行われていないかのような誤解を生む投稿をツイッター上で展開しているのだ。
既報したように、この判決で東京高裁は、作田医師による医師法20条違反を認定した。判決の主旨は、作田医師による医師法20条違反は認定するが、それにより藤井さんが損害を被ったわけではないので、金銭請求は棄却するというものである。ここでいう損害とは、この裁判の争点だった「訴権の濫用」の有無である。
もちろん私はコロンビアを信じる(コロンビア大統領選)
執筆者:執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
コロンビアは現在、危機的な局面に直面している。政治的分極化、治安の悪化、経済危機、そして公的機関への不信感が重なり、深刻な困難をもたらしている。この状況を乗り越えるためには、強固で統一された未来志向のリーダーシップが求められている。
政治的分極化は、扇動的な言辞と合意形成の欠如によって一層深まり、社会の分断を加速させている。
このような状況下において、2026年の大統領選挙はコロンビアの進路を左右する重大な契機である。候補者の中でも、元国家監査長官カルロス・フェリペ・コルドーバ・ララルテは、豊富な経験、具体的な政策提案、分断を回避する姿勢を兼ね備えた人物として浮上し、コロンビア再建の担い手として期待されている。
分極化を映し出した言論が広がる中で、カルロス・フェリペ「パイプ」コルドーバは(黒薮注:「パイプ」は、カルロス・フェリペ・コルドーバ・ララルテ候補のニックネーム))調和を重視する姿勢が際立っている。2018年から2022年まで監査院長を務めた彼は、人工知能と高度な分析を駆使して腐敗と闘い、国家のために51兆7,000億ペソ以上を回収した。この成果に加え、750件を超える未完成の公共事業を整理・終結させ、公共財源を効率的かつ透明性をもって管理する能力を示した。
パイプ・コルドーバは分断ではなく団結を志向している。過激な言辞で国を分断してきた指導者たちとは対照的に、彼は尊重、堅実さ、そして行動に基づくリーダーシップを掲げる。「コロンビアを再生する」という彼のメッセージは、対立する相手を攻撃するのではなく、国が直面する喫緊の課題に対し実践的な解決策を提示することに重点を置いている。この姿勢は、彼が多様な政治的・社会的セクターをつなぐ架け橋となり得る候補者であることを示している。
パイプ・コルドーバの提案は、コロンビアが抱える主要課題に対し、実践的であり、かつ成果を重視するアプローチを示している。主な取り組みは以下の通りである。
「司法の独立・裁判官の独立」について-モラル崩壊の元凶 押し紙-
執筆者:弁護士 江上武幸(福岡・佐賀押し紙弁護団、文責)2025年8月21日
井戸謙一・樋口英明両元裁判官が今年6月に旬報社から共著『司法が原発を止める』を刊行されました。これを契機に、司法の独立・裁判官の独立をめぐる議論が再び活発化しています。
*瀬木比呂志元裁判官が『絶望の裁判所』(講談社)を刊行したのは2014年2月、生田輝雄元裁判官が『最高裁に「安保法」違憲を出させる方法』(三五館)を刊行したのは2016年5月です。なお、岡口基一元裁判官は現在もFacebookで最新状況を発信し続けています。
押し紙裁判においても、審理途中で不可解な裁判官交代があったり、販売店側の敗訴判決に類似性・同一性が認められることなどから、最高裁事務総局による報告事件指定がなされているのではないかとの疑念があります。
憲法76条3項は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と定め、81条は「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かを決定する権限を有する終審裁判所である」と規定しています。
このように、日本国憲法は裁判官の独立と違憲立法審査権を明確に定めていますが、実際に裁判の場で法令の無効を宣言するには、裁判官に相当の勇気が求められるのが現実です。
裁判官の独立を妨げる圧力や、さまざまなしがらみについて、少し考えてみたいと思います。
平和か、それとも権力か(ロシア・ウクライナの停戦協議)
執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
変貌し続ける地政学の舞台で、アメリカのドナルド・トランプ大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、そして複数のヨーロッパ指導者らと行った最近の会談は、世界の注目を集めている。
これらの首脳会談は、過去10年にわたって続くロシアとウクライナの戦争に終止符を打とうとする大胆かつ物議を醸す試みといえる。
では、これらの会談は何を意味するのか。和平への進展から私たちは何を期待できるのか。そして何よりも、ウクライナ、ヨーロッパ、さらには国際秩序にとって、どのような点が重要となるのか。
本稿では、会談の内容とその意味合い、さらに紛争の行方を左右しうる合意の可能性を探っていく。
2025年08月14日 (木曜日)
新聞社と公共機関の蜜月構造 ― ジャーナリズムの独立性を脅かす「特権と利権」
新聞社や関連会社が公共機関と取引を行うことで、ジャーナリズム本来の役割が損なわれる構図は、これまでも『メディア黒書』が繰り返し指摘してきた。主な構図は以下の通りである。
1. 公共機関による「押し紙」の黙認によって得られる莫大な新聞販売収入
2. 新聞に対する軽減税率の適用
3. 再販制度による価格維持
4. 記者クラブを通じた情報入手の優遇
5. 公共広告の出稿
これらの便宜に加え、新聞社や系列の印刷会社が公共機関から受注する折込媒体の印刷収入も巨額に上る。
2025年08月13日 (水曜日)
参院選選挙公報、首都圏で新聞社系が印刷を独占,神奈川新聞は1億4000万円で落札
7月2o日に投票が行われた参議院選挙の選挙公報について、首都圏の一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)を対象に印刷業者を調査した結果、いずれの自治体も新聞社系列の印刷会社に発注していたことが判明した。詳細は順次公表予定。
神奈川県では、神奈川新聞社が選挙公報の印刷を担当。入札情報によれば落札額は1億4,460万円(144,647,814円)。
不可能なことを成し遂げた、カフカスに平和!(アゼルバイジャンとアルメニアが40年の紛争に終止符)
執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
2025年8月8日、ホワイトハウスは、歴史的瞬間の舞台となった。アゼルバイジャン共和国のイルハム・アリエフ大統領とアルメニアのニコル・パシニャン首相が、約40年にわたる両国の紛争に終止符を打つ和平協定に署名したのだ。
【書評】『前立腺がん患者、最善の治療を求めて』—記録された大学病院の深い闇
大阪市の都心から離れた住宅街に、2024年4月、前立腺がんの小線源治療を専門とするクリニックが開業した。院長は、異色の経歴を持つ岡本圭生医師である。
本書は、その岡本医師と患者たちが、前近代的な師弟関係に支配された大学病院と対峙した事件を詳細に記録したものである。著者の出河雅彦氏はこう述べる。
「医師の世界に限らず、自分が所属する組織や集団の中で、権威者や上位の者の意思に逆らってまで職業倫理や良心に忠実に行動しようとすれば、おのれの保身、利己的計算、事なかれ主義を克服しなければならず、それは口で言うほどたやすいことではない」
新聞、止まらぬ部数減 読売41万部減、毎日29万部減――最新のABC発表で浮き彫りになった「新聞崩壊」の現実
2025年6月度のABC部数が明らかになった。これは日本ABC協会が公表する最新の新聞発行部数であり、新聞業界の動向を示すひとつの指標である。
この1年間で、中央紙各社はいずれも大幅な減部数となった。最新のABC部数と、前年同月比(▲)は以下の通りである。
読売新聞:5,442,550部(▲413,770部)
朝日新聞:3,234,313部(▲156,690部)
毎日新聞:1,213,572部(▲285,999部)
日経新聞:1,288,439部(▲86,975部)
産経新聞:798,252部(▲51,539部)
若者たちがリーダーシップを発揮!(腐敗防止に挑むコロンビアの若者たち)
執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
想像してみてほしい。教室で生徒たちが学んでいるのは、数学や歴史だけではない。地域の財産を守る方法、公的資金の使い道をチェックする方法、そして幼いころから透明性の文化を育む方法だ。これは理想論ではない。実際にボゴタ市をはじめ、コロンビア各地で行われている取り組みなのだ。
「学生監査官」として活動することを通じて、倫理や反腐敗の精神を持った新しい世代がコロンビアの首都で育ちつつある。この教育の変革を推し進めているのが、ボゴタ市監査官のジュリアン・マウリシオ・ルイスだ。彼は若者を「公共の利益を守る担い手」として育成している。
◆学生監査官とは?
コロンビアにおける「学生監査官」は名ばかりの役職ではない。公立・私立を問わず、生徒自身が公共機関の監視に積極的に関わる制度だ。2009年にボゴタで始まり、2022年に制定された法律2195号を根拠に、全国的に広がった。生徒たちは教育予算の使い道から、政府が運営する学校給食プログラム(SFPs)のチェックまで担っている。
とはいえ、これは単なる「監視活動」ではない。リーダーシップ、民主主義、社会的責任を実践的に学ぶ教育プログラムであり、生徒たちが自らの役割を実感できる画期的な仕組みなのだ。
毎年、学校では選挙で学生監査官を選出する。選ばれた生徒は、ボゴタ監査局、教育省、そしてIDPAC(地域コミュニティ参加・行動研究所)と協力して活動する。例えば2025年には、ボゴタ市の412人の若者が「学校に割り当てられた予算を正しく管理し、透明性や環境保護を推進する」と誓っている。
◆ユーモアを交えた学びと変革
この取り組みの大きな特徴は、「社会の中で楽しみながら関わる力」を育む点にある。倫理を説く退屈な授業ではなく、生徒たちは地域に密着した実践的で創造的な活動に取り組むのだ。
たとえば、ボゴタ市の各地区から代表が集まる「地区学生監査員ネットワーク」では、学校給食で使う水資源の節約やごみ削減など、幅広いテーマを扱う委員会が組織される。委員会は問題を分析するだけでなく、リサイクルキャンペーンの企画や薬物乱用防止のための戦略づくりなど、具体的な解決策まで提案している。
こうした活動を通じて生徒たちは、楽しみながら議論し、仲間とネットワークを築き、前向きな市民としての姿勢を育んでいく。学校の取り組みは、若者が自分の力で社会の変革に貢献できることを実感させるのだ。
これは単なる教育プログラムではない。「自分たちに社会を変える力がある」という自覚を若者に与えるための教育でもある。
佐賀県西日本新聞店押し紙訴訟の裁判官交代について、モラル崩壊の元凶-押し紙-
福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士江上武幸(文責)2025年7月31日
長崎県販売店の地裁裁判官の交代については、2024年12月26日(木)投稿の「西日本新聞福岡地裁敗訴判決のお知らせ」で報告したとおりです。
今回は、佐賀県販売店の押し紙訴訟の担当裁判官の交代について報告いたします。
佐賀県販売店の押し紙訴訟は、令和7年5月20日に原告本人尋問と販売部長の証人尋問が実施され、即日結審し、来る9月9日が判決言渡期日と定められました。
前回の4月15日の期日において日景聡裁判長は「裁判官変更の予定はありません。」と告げました。裁判官の異動は4月1日付で行われますので、日景裁判長がそのようなことを当事者双方の代理人に告げたのは、今の合議体で本件事案の審理を終え判決を作成することを宣言したに等しい出来事でした。