1. 流山市の参院選・選挙公報「水増し配布」問題 元市議が請願書提出、背景に慣行化した新聞の「押し紙」問題

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流山市の参院選・選挙公報「水増し配布」問題 元市議が請願書提出、背景に慣行化した新聞の「押し紙」問題

千葉県流山市で実施された2025年7月の参院選をめぐり、朝日新聞販売店(ASA)で選挙公報の配布数が水増しされていた疑惑が浮上した。これを受け、大野富男元市議(NHK党)は、折込部数の算定方法を厳格化するよう求める請願書を提出した。請願書は9月4日、市公式サイトで公開されている。

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◆背景と経緯

大野元市議は2020年ごろから「広報ながれやま」などの折込媒体に関して、新聞販売店への搬入部数と実際のABC部数に大きな乖離がある点を追及してきた。たとえば、次のような実態が確認されている。

•2020年4月時点のABC部数:36,836部(販売店に届いた新聞部数の総数)

•2021年2月の搬入部数:「広報ながれやま」55,238部(販売店に届いた『広報ながれやま』の総数)

これらのデータを根拠に、最大で約1万8000部が水増しされていた実態があぶりだされた。

さらに、2025年7月12日に折込配布された参院選選挙公報についても、販売店の現場で未開封の束が残っていることを大野氏自身が確認・撮影した。筆者の立ち会いのもとで、販売店責任者からも選挙公報が「大量に余った」との証言を得た。

◆請願のポイント

大野元市議は、今回の問題を井崎義治(いざき よしはる)市長が掲げる「『1円まで活かす市政』に反する」として、次の対応を求めている。

(陳情理由)
2025年7月執行の参議院選挙にかかわる選挙公報の折込委託手数料は委託先事業者が各販売店の部数を集計し、流山市選挙管理委員会に報告していますが、その部数について一般に使用されている(販売店の)折込定数では、配達されなかった、予備紙(又は押し紙)が含まれている為、実際の配達部数と大きく異なる為、流山市にとっては、余分に手数料を支払う事になります。
折込定数ではなく、月末に発行した領収書の部数を示す「発証数」を基に集計し従来の対応からより実態に近い数字で対応するべきです。それが出来なければ、流山市が掲げてきた、1円まで
活かす市政に反する事になります。そして同時に、販売店に、7月13日、14日に大量の選挙公報が余った事について、調査するべきです。

(陳情項目)
1 選挙公報折込業務委託手数料の基となる部数について、「折込定数」ではなく「発証数」に基づく部数で対応すること。

2 7月12日(日付指定)朝刊折込業務完了後に、一部の販売店で選挙公報が大量に余り、廃棄予定として、山積みになっていた件について委託先事業者に調査を要求する事。
具体的には、①何部余ったのか。②何故大量に余ったのか。③大量に余る事が事前に予想出来なかったのか。④今後の業務委託手配時に大量に余る事を未然に防ぐ事が出来るのか。

 

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