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2016年06月17日 (金曜日)

『週刊実話』がCM問題を報道、タイトルは「博報堂のテレビCM『巨額水増し請求』を暴く!」

昨日(16日)発売された『週刊実話』が「博報堂のテレビCM『巨額水増し請求』を暴く」と題する記事を掲載している。

博報堂と通販のアスカコーポレーション(福岡市)の係争は、メディア黒書でも重点的に報道して来た。博報堂がアスカから請け負っていた通販情報誌に多数のデータ流用(バックナンバーからのパクリ)が発見された事件を皮切りに、昨日付けの記事では、CMコードが刻印されていない放送確認書が多数発見された件などを伝えた。

◇視聴率21.9%で番組制作を提案

『週刊実話』の記事は、新たに視聴率の偽装を報じている。視聴率のデータは通常、ビデオリサーチ社のものを使用する。番組(CM/通販番組)の制作提案書に同社のデータを明示して、「しかじかの視聴率が期待できるので、この時間帯にCMを流しましょう」と提案するのだ。

『週刊実話』は、実際にはあり得ない数字が提示されていたと伝えている。実は、不自然な視聴率の問題に関しては、筆者もアスカから若干の資料を入手している。それによると極端なケースでは、21.9%の視聴率を提示して、番組企画が提案されている。この数字を参考にしても『週刊実話』の記事は、信憑性が高い。

ちなみに『サンデー毎日』(6月14日号)に、主要放送局の視聴率比較表が掲載されている。次の数値である。

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2016年06月16日 (木曜日)

100枚近いCMコード不在の放送確認書を発見、博報堂による代筆も判明、「博報堂VSアスカ」の係争

大手広告代理店の博報堂と通販のアスカコポーレーションの係争は、両者あわせて請求額が約21億円にもなる巨額の訴訟だ。博報堂が約6億1000万円を請求し、アスカコポーレーションが15億3000万円である。

■参考記事

係争の勃発から半年が過ぎ、さらに賠償額が膨れ上がる可能性が浮上している。アスカコポーレーションは現在、博報堂を通じて契約したCMが本当に放送されたか否かの調査を進めているという。

筆者がアスカコポーレーションを取材したところ、CMの放送確認書に「CMコード」が刻印されていないものが、すでに100枚近く見つかっていることが分かった。「CMコード」は、CMが放送された証拠であり、これが刻印されていないものは、原則として放送されていないことを意味する。

ただ、CMコードがない放送確認書が多数存在する原因については、アスカコポーレーションが調査しており、現段階では原因は不明だ。

ちなみにCMコードが不在になっている放送確認書の発行元放送局は、朝日放送、テレビ大阪、福岡放送、高知報道など多数に及んでいる。

次に示すのがCMコードが不在になった放送確認書の例である。

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2016年06月10日 (金曜日)

メディア界の2大病魔、新聞の偽装部数からテレビの視聴率偽装へ

新聞・テレビの没落に歯止めがかからない。
NHKが2015年7月に実施した世論調査の結果が、それを物語っている。

ふだんの日にテレビを見る時間*(ビデオやDVDの再生は除く)は、1985年から2010年までは“長時間化”の傾向が続いていたが、この5年で「ほとんど、まったく見ない」人と「短時間」(30分~2時間)視聴の人が増加、「長時間」(4時間以上)視聴の人が減少し、全体の視聴時間は初めて“短時間化”する傾向に転じた。

■「日本人とテレビ 2015」調査 結果の概要について

テレビ離れの背景に、インターネットの台頭があることは論を待たない。たとえテレビの愛好者であっても、番組を録画して、自分が見たいときにそれを視聴する行動パターンが定着してきた。このような視聴者は、CMは、「早送り」でスキップしてしまうことが多い。

こうした状況の下で大きな影響を受けていると推測されるのがテレビ局と大手広告代理店である。クライアントのPR戦略がテレビから、他媒体、たとえばインターネットやイベントに移行する傾向が顕著になっているなか、広告代理店も同じ方向へ連動し始めているが、新分野でも問題を起こしているようだ。これについては、後述する機会があるかも知れない。

最近、メディア黒書に視聴率の「偽装」に関する情報が寄せられている。「視聴率」を偽装してCM営業を展開するケースが増えているというのだ。筆者は、長いあいだ新聞部数の偽装を問題視して取材にしてきたが、テレビ業界でも「偽装」が起こっているようだ。

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2016年06月08日 (水曜日)

博報堂によるタレント料の請求、08年の平均約41万円から11年は約71万円へ急騰、「博報堂VSアスカ」の裁判

大手広告代理店の実態を検証するシリーズ。博報堂と通販のアスカコーポレーション(本社・福岡市)の係争に焦点を当てみよう。
両社の係争は、昨年の10月に表面化した。博報堂がアスカに対して約6億1000万円の未払い金を請求する裁判を起こしたのに対して、アスカコーポレーションは長年にわたって過剰請求があったとして、今年5月に約15億3000万円の支払いを求める訴訟を福岡地裁へ提起した。

アスカコーポレーションからメディア黒書が入手した資料のうち、同社が主張しているタレント料の過剰請求の中身を検証してみよう。(博報堂は係争を理由に取材を拒否している。)

タレント料が不自然に右肩上がりになっているというのがアスカコーポレーション側の主張である。次に示す表は、2008年度と2011年度におけるタレント料の比較である。(裁判資料を基にメディア黒書で作成した。)

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2016年05月31日 (火曜日)

博報堂による「過去データ」の流用問題検証(続編)、画像が示す「流用」の事実

博報堂による「過去データ」の流用問題検証の続編である。前編は、30日付けのメディア黒書に掲載している。

■30日付けのメディア黒書 

メディア黒書が検証しているは、通販のアスカコーポレーション(本社・福岡市)が博報堂に制作させていた情報誌である。詳細は、後述するとして、読者は、以下に掲載した画像を注意深く観察してほしい。

それぞれ11月号(2011年)と12月号(2011年)の情報誌のページを比較したものである。左が11月号、右が12月号である。

両者の違いを発見するには、そうとう注意を払わなくてはならない。つまり全部とはいわないまでも、ほとんどのデータが11月号から「流用」されているのだ。

もちろん前号のデータを「流用」することを前提とした契約を結んでいたのであれば、問題はない。ところが見積書の内容はそうはなっていない。情報誌の全ページで「新規」あるいは「リライト・リデザイン」の約束になっている。

「新規」の定義は、改めて言うまでもなく、過去データの「流用」は一切行わずに、まったく新しい内容に仕上げることである。また、「リライト・リデザイン」は、少なくとも50%のデータを変更しなければならない。

以下、実際の画像である。ここに表示したものは、ほんの数例である。

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2016年05月30日 (月曜日)

博報堂による「過去データ」流用問題、編集の実態、アスカ側は情報誌のページ制作費だけで7億円の過剰請求を主張

電通のオリンピック「賄賂」の疑惑や、博報堂による過去データの流用問題など、大手広告代理店の業務の実態が輪郭を現してきた。

既に述べたように、博報堂と通販のアスカコーポレーション(本社・福岡市)の間で、請求額を巡る大規模な係争が勃発している。昨年、博報堂がアスカに対して約6億1000万円の未払い金を請求する裁判を起こしたのに対して、アスカも今月になって、博報堂に対して約15億3000万円の過剰請求費の返済を求める裁判を起こした。

■参考記事:博報堂に対して約15億3000万円の不当利得返還請求、通販のアスカコーポレーションが提訴

本稿では、アスカが起こした裁判で、同社が指摘している情報誌制作に見る過去データの流用問題を検証してみよう。もちろん、以下に紹介するのはアスカ側のデータに基づいた記述である。しかし、筆者が検証した限りでは、信憑性が高い。後に紹介するように、画像の証拠はごまかせない。

なお、博報堂の広報部に対してもたびたび取材を申し入れているが、係争中を理由に拒否している。

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2016年05月24日 (火曜日)

博報堂に対して約15億3000万円の不当利得返還請求、通販のアスカコーポレーションが提訴

広告代理店大手の博報堂から過剰な請求を受けていたとして、通販のアスカコーポレーション(本社・福岡市)が、5月20日、同社を相手に約15億3000万円の支払いを求める訴訟を福岡地裁へ提起した。

訴状によるとアスカは、2006年ごろから2015年3月ごろまで、博報堂に情報誌の制作やホームページの更新、さらにコマーシャルを含む通信販売番組の制作と放送などの業務を依頼していた。ところが博報堂側が実際には行っていない作業などの費用を請求していたという。

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2016年05月23日 (月曜日)

五輪委の竹田恆和会長が東京都へ約27億円の補助金を請求していた、オリンピック招致問題で電通が関与している可能性を海外紙が報道

2020招致計画委員会の竹田恆和委員長が、「平成23年9月1日」から「平成25年4月1日」までの間に、計7回、東京都に対して、総額27億円の補助金を要求していたことが分かった。

この問題に言及する前に、海外紙が報じているオリンピック招致を巡る「賄賂」疑惑の概要を説明しておこう。

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2016年05月20日 (金曜日)

最高裁から電通へ8億600万円、裁判員制度のPRで、表面化する大手広告代理店による「ぼったくり」と「偽装」

最高裁から電通に約8億600万円の金銭が、裁判員制度の企画費用として支払われていたことが、会計検査院の資料で判明した。支出の時期は、2005年から、2007年。裁判員制度のPRが盛んに行われていた時期である。

電通への支出の中には、入場者にサクラを使っていたことが発覚した「裁判員制度タウンミーティング」に関する出費約3億4000万円も含まれている。

この企画には地方紙も絡んでおり、改めて電通と地方紙の関係が確認できる。

■参考記事:電通の役員に福山正喜・共同通信社長と西澤豊・時事通信社長、博報堂の役員に松田昇・元最高検察庁刑事部長、2015年6月提出の有価証券報告書で判明

最高裁から電通に対する約8億600万円の支払いを裏付ける資料は次の通りである。

■裏付け資料DFF

■裏付け資料の出典

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2016年05月19日 (木曜日)

電通の役員に福山正喜・共同通信社長と西澤豊・時事通信社長、博報堂の役員に松田昇・元最高検察庁刑事部長、2015年6月提出の有価証券報告書で判明

企業の役員構成をみると、その企業の体質や方向性が見えてくる。とりわけ外部から役員に加わった人物は、なんらかの戦略上の方針に則して選ばれている可能性がある。

かつて公正取引委員会の委員長を務めた根来泰周氏が電通に再就職(広義の天下り)していたが、電通が根来氏を受け入れた背景には、電通による広告業界の寡占に公取委のメスを入れさせない戦略があった可能性が高い。

■参考記事:機能不全の公取委 歴代委員長が電通はじめ「寡占企業」に堂々と天下り

筆者の手元に電通と博報堂の有価証券報告書(2015年6月提出分)がある。その中に役員に関する記述がある。両社の役員人事の中で、特に気になる箇所を指摘してみよう。

※ただし、電通に関しては、2015年11月に公表の新人事が筆者の手元にある。

参考資料:電通人事

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2016年05月16日 (月曜日)

東北博報堂が岩手県の複合施設でアルバイトを使って入館者数を水増し、同県大槌町の記録誌制作では他誌からパクリ

このところ新聞の実配部数の水増し問題(「押し紙」)が再浮上して崖っぷちへ追い込まれている新聞業界だが、同じメディア業界で大手広告代理店による不正行為も次々と明るみに出ている。

岩手県盛岡市にある県の複合施設「アイーナ」の総括責任者を務めていた東北博報堂の男性社員が、入館者数を水増しして県に報告していたことが分かった。情報提供した住民によると、今年の3月22日に、NHKのローカル局がこの事件を報じた。

幸いインターネット上にニュースが残っていたので、「アイーナ」に内容を確認したところ、「HNKが報じたとおりです」と答えた。

入館者数を水増した手口は、「アルバイトのスタッフら数人が入館者数をカウントしている3階の出入り口を往復」して、カウント数を増やす幼稚な手口だった。

NHKニュースの全文は次の通りである。

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2016年05月11日 (水曜日)

写真で見る博報堂によるデータの流用(パクリ)① メディア黒書が内部資料を入手

大手広告代理店による業務の実態を示す資料を紹介しよう。

博報堂と通販のアスカコーペレーションの係争を取材する中で、メディア黒書は、アスカコーペレーションから内部資料を入手した。アスカが毎月発行している通販情報誌の制作費、制作内容などに関する資料である。

博報堂はアスカのPR活動を独占的に請け負っていた。しかし、請求内容に疑義が生じて係争になった。昨年、博報堂がアスカに未払金を請求する訴訟を起こしたのに続いて、アスカも近々に博報堂に損害賠償を請求する大型の訴訟を起こす。

取材に応じたアスカから入手した資料を精査したところ、2つの注目すべき問題が浮上した。過去テータの流用(俗にいうパクリ問題)が観察できるのだ。

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