1. 化学物質過敏症

化学物質過敏症に関連する記事

2025年10月31日 (金曜日)

横浜副流煙裁判、ついに決着 ニューソク通信が総集編番組を公開

ニューソク通信が制作したインタビュー番組「ついに決着!!『横浜副流煙裁判』」が公開された。

この番組は、8月20日に東京高裁で結審した横浜副流煙事件の総集編である。既報のとおり、この裁判は2017年11月、たばこの副流煙によって健康を害されたとして、隣人が隣人に対し4518万円の損害賠償を請求したことに端を発している。

裁判所は原告の訴えを棄却したが、その後、元被告が逆に元原告に対して「訴権の濫用(広義のスラップ)」による被害を理由に反訴を起こした。いわば、訴訟が訴訟を呼ぶ異例の展開となった事件である。

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2025年10月24日 (金曜日)

ごく微量の化学物質で中毒症状は起こり得るのか?メディアが煽る疑似科学としての「香害」

「香害」とは、文字どおり香りによる被害のことである。柔軟剤など人工的な香りを伴う製品によって健康被害が生じるとされる現象を指す。

近年、『週刊金曜日』をはじめ新聞やテレビでも、化学物質過敏症と同じ文脈で「香害」が公害問題として取り上げられるようになった。しかし、その科学的根拠は極めて乏しい。

結論から言えば、疑似科学の色合いが濃い。もちろん予防原則の立場から、被害を訴える人々に一定の配慮を示すことは必要だが、科学的な視点からは説得力を欠いている。

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2025年09月29日 (月曜日)

「『化学物質過敏症』の原因は、本当に化学物質だけなのか――見落とされる別の病因」、『週刊金曜日』の加藤やすこ氏の記事について

『週刊金曜日』(9月26日付)が、「化学物質だらけで医療や介護が受かられません」と題する記事を掲載している。執筆者は環境ジャーナリストの加藤やすこ氏で、化学物質や電磁波による人体影響に詳しく、市民運動も組織している人物である。

この記事は、化学物質過敏症を考える際の重大な視点が欠落しているので、指摘しておく。なお、私は環境問題を取材してきた立場ではあるが専門家ではない。したがって、以下に述べることは、私が取材を通じて学んだ考察であることを付記しておく。

加藤氏は記事の中で、化学物質過敏症が原因で介護や医療を受けることに支障を来している人の事例をいくつか紹介している。医療や介護の現場にはさまざまな化学物質があふれており、そのために医療機関を利用できなかったり、介護士との接触が困難になっているという。例えば次のような事例である

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90.7% vs 10.1%――「香害」アンケート結果の異常な乖離、横浜副流煙裁判が突き付けた“香害論”の盲点

「香害」は、横浜副流煙裁判を通じてクローズアップされた。それ以前にも『週刊金曜日』など一部メディアがこの問題を取り上げてきたが、横浜副流煙裁判の中で、「香害を訴える人々のなかに、かなりの割合で精神疾患の人が含まれている」という新しい視点が浮上したのである。

さらに、「香害」が誘発するとされる化学物質過敏症については、従来「不治の病で治療法がない」との説が定着していたが、平久美子医師や舩越典子医師が完治例を報告した。こうして「香害」について再考する必要性が浮上したのである。

 

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