1. 新潟地検が森ゆうこ氏を不起訴に、政治資金の「還付金」をめぐる事件で、政治家によるマネーロンダリングを事実上容認

「森裕子VS志岐武彦」の裁判に関連する記事

2017年12月11日 (月曜日)

新潟地検が森ゆうこ氏を不起訴に、政治資金の「還付金」をめぐる事件で、政治家によるマネーロンダリングを事実上容認

政治資金の処理方法に不正があるとして、筆者と市民運動家の志岐武彦氏が自由党の森ゆうこ氏を刑事告発した事件で、新潟地検は12月8日、不起訴の決定を下した。新潟地検は、2016年10月と2017年1月に、それぞれ2つのケースに対する筆者らの刑事告発を受理して「詐欺」と「所得税法違反」で捜査していた。

この事件は、森氏の地元である新潟県の経済誌、『財界にいがた』でも繰り返し取りあげてきた。

◇何が問題なのか?

政治献金は、政治家の活動を支えるために不可欠なものである。そのために政治家は、有権者から政治献金を集める。その際、地元の政党支部などに対して献金をした有権者は、ある優遇措置を受けることができる。それが「還付制度」といわれるものだ。

たとえばA議員の政党支部に100万円献金して、税務署で所定の手続きを取れば、献金額の30%が戻ってくる。100万円を献金した場合は、30万円が戻るので、寄付者の負担は70万円に軽減される。政治資金を集めやすくするために政治家に配慮した制度なのである。

森氏はこの制度を利用して、自分で自分の政党支部へ献金を行い、自ら還付を受けていたのだ。自分で自分の政党支部へ献金したわけだから、寄附金はもともと自分のものである。この「寄附金」に加えて、30%の還付金も自分の懐に入れていたのだ。

還付金制度は租税特別措置法の41条18・1で定められている。しかし、例外として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められたものを除く」と定めているのだ。つまり森氏がやったことは違法行為であるというのが、筆者らの主張だった。

◇情報公開請求へ

『財界新潟』の報道によると、森氏は過去12年間で自身の政党支部へ9100万円を寄付していた。かりに森氏が、全ケースで還付金を受ける手続をしていたとすれば、2730万円の還付金を受けた計算になる。

新潟地検が森氏を不起訴にしたことで、政治家は森氏と同じ手口で還付金を受けることが容認されたことになる。全国から永田町に集まった「烏合の衆」が、このような形で還付金を受け、私服を肥やすことになる。検察は、政治家によるマネーロンダリングを容認したのである。

改めて言うまでもなく、還付金の財源は血税である。

森氏は、森友・加計事件では、辣腕ぶりを発揮しているが、みずからの足下を自己検証すべきだろう。受け取った還付金は返すべきだろう。

筆者は、今後、検察審査会への不服の申し立て、新潟地検に対する情報公開請求などを進める予定だ。

【参考記事】高市早苗総務大臣と森裕子議員の政治献金を悪用したマネーロンダリング、与野党政治家の劣化が顕著に