折込広告の大量水増し、最大の被害者はパチスロ業者、1700部の新聞に対して2400枚のチラシ
新聞人による「押し紙」と折込広告の「折り込め詐欺」が後を絶たない。1980年代から、これらは大きな問題になってきたが、彼らはまったく聞く耳をもたない。まるで批判が耳に入らないかのように、新聞部数の詐欺的なかさ上げと、それに連動した折込広告の水増しを続けている。
恐るべき腐敗が進行しているのだが、感覚が麻痺してしまい、罪悪感すらもないようだ。それどころか、たとえば毎日新聞などは「事実へまっすぐ」というキャッチフレーズで、自社の新聞をPRしている。言行不一致とはこのことである。
「押し紙」問題は、新聞業界内部の問題である。これに対して「折り込め詐欺」は、新聞業界の枠を超え、さまざまな分野の職種との関連性を持っている。それゆえに、「押し紙」問題に取り組んでいる筆者らは、広告主に実態を伝える重要性を認識している。
新聞社を批判しても解決しない。大半のメディア研究者もこの問題にだけはタッチしたがらない。新聞について論じるときも、ABC部数には「押し紙」が含まれていないという間違った事実認識を前提にしている。
新聞販売店を取材したところ、「折り込め詐欺」の最大の被害者は、パチスロ業者だという声が多い。パチスロ業者はABC部数が実配部数だと勘違いしているので、簡単に騙されてしまうという。たとえば新聞の実配部数が2000部しかないのに、ABC部数が2500部になっていれば、2500枚の折込広告の発注する。