進む新聞販売店の合売店化、「押し紙」付きの新店舗開業に納得しない販売店主、対策は集団による「押し紙」裁判で、
新聞社の系統を超えるかたちで、販売店の整理統合が進んでいる。その中でいろいろな問題が噴出しているようだ。筆者は、系統を超えた販売店の整理統合、つまり合売店化が進めば、新聞社による優越的地位の濫用がなくなるのではないかと考えていたが、そうではないようだ。各新聞社が、新規の販売店に対して「押し紙」を買い取るように、「交渉」を続けているという情報提供があった。
新聞社の系統を超えるかたちで、販売店の整理統合が進んでいる。その中でいろいろな問題が噴出しているようだ。筆者は、系統を超えた販売店の整理統合、つまり合売店化が進めば、新聞社による優越的地位の濫用がなくなるのではないかと考えていたが、そうではないようだ。各新聞社が、新規の販売店に対して「押し紙」を買い取るように、「交渉」を続けているという情報提供があった。
11月1日(木)にNO!残紙キャンペーン委員会が、国会内で開催を予定している「『押し紙』を考える全国集会」のPDFの案内状が完成した。読者には、ネット上での拡散をお願いします。
既報したようにこの集会が国会内で実現するのは、小坪慎也行橋市議の尽力の果実である。
「押し紙」問題を考えるのに思想信条の違いは関係ない。販売する予定がない商品を、詭弁を弄して押し売りする行為が誤りだという立場に立つだけで十分なのだ。
当日は、佐賀新聞の「押し紙」裁判の原告・寺崎昭博氏も登壇して、ABC部数の具体的な改ざん方法についても言及することになりそうだ。
新聞販売店の経営悪化に伴い、新聞社は各販売店に割り当てる「押し紙」を減らさざるを得ない状況に追い込まれているが、例外的に「押し紙」が増えている販売店もあるようだ。それは新聞社が直営している販売店である。地方紙の店主さんらと懇談して、そんな証言があった。
新聞販売店は大別して2種類ある。個人か経営する販売店と新聞社が直営する販売店である。個人経営の販売店が廃業して、後継者がいないと新聞社の直営になる。また、政策として、販売店を新聞社の直営(販売会社化)に再編する流れもある。
なぜ、新聞社の直営店に「押し紙」が増えるのだろうか。答えは簡単で、新聞社と販売店が実質的には同じだから、「押し紙」代金を直営店から販売会社へ移動させるだけで、痛くもかゆくもないからだ。「押し紙」は負担にならない。
博報堂や電通がインボイスナンバーを外した請求書を大量に発行して、中央省庁へ送りつけ、それを媒体とした疑惑だらけの取り引きをしてきた事実は、メディア黒書で繰り返し報じてたきたが、これらの広告代理店の会計書類を監査する監査法人は、この実態をどう考えているのだろうか。
筆者は、以前、博報堂の監査法人である「あずさ監査法人」に取材を申し入れたが、何の問題もないという前提で、取材を拒否された。
あずさ監査法人が問題なしとしているのは、たとえば博報堂が内閣府に対して発行した次の請求書である。
「押し紙」を問題視する有志が、11月1日(木)に、国会の衆議院第2議員会館で、議員たちを招いて「押し紙」を考える全国集会を開くことが急遽決まった。誰でも参加できる。スケジュールは次のとうりである。
タイトル:「押し紙」を考える全国集会
日時:11月1日(木)、17:00~19:00
場所:衆議院第2議員会館 地下1F 第一会議室
10月は新聞に関連した行事があちこちで開催される。その中でも最も有名なのが、日本新聞協会が主催する新聞週間だ。今年は、15日からはじまる。
新聞週間に先立って、6日からは、第71回新聞大会開催記念フォーラム「ことばと脳のおいしい関係」が東北福祉大学仙台駅東口キャンパス(仙台市)で開かれる。
筆者は、「押し紙」の取材をはじめてのち、新聞人たちの言動に耳をかたむけてきたが、新聞大会で「押し紙」について議論したという話は聞いたことがない。本来であれば、真正面から議論して、解決しなければならない問題なのだが、新聞協会は、大会でこのテーマを扱うどころか、今だに「押し紙」は一部も存在しないと開きなおっている
2018年09月27日 (木曜日)
新潮社は25日、『新潮45』の休刊を発表した。実質的には廃刊との見方も出ている。LGBTに関する差別的表現で、激しいバッシングを受けたことが背景にある。
この事件は、2つの側面を孕んでいる。杉田水脈氏が執筆した記事そのものをどう評価するのかという問題と、バッシングによって休刊に追い込まれたことをどう考えるのかという点である。
まず、杉田氏の記事についてだが、明らかに偏見に満ちたもので、筆者には到底受け入れがたい。つまらない記事だと思う。
一方、バッシングによって『新潮45』が休刊に追い込まれたことは、憂慮すべき事態だというのが筆者の受けとめ方だ。一部のネットウジは、鬼の首を取ったように喜んでいるが、圧力でメディアを消滅させる行為は、最終的にはブーメランのように自分に跳ね返ってくる。言論統制への道を開きかねない。
2018年09月26日 (水曜日)
新聞の折込広告が水増しされていることは、いまや周知の事実となっている。しかし、広告主の中には、折込広告の発注枚数を減らさない者も少なくない。その理由として、最近、販売店から興味深い情報提供を受けた。広告代理店から広告主企業の担当員へ、キックバックが行われているというのだ。(もちろん一部の新聞である)
メディア黒書で繰り返し報じてきたように、「押し紙」率が5割を超えている販売店も珍しくはない。当然、広告主が自主的に折込広告の発注枚数を減らさなければ、「押し紙」と一緒に折込広告も廃棄される。それを承知のうえで、配布予定のない折込広告を発注し続けているわけだから、常識的に考えれば、騙されていることになる。
ところが実は騙されているのではないという。広告代理店から、裏金をキックバックしてもらうことで、広告主企業の担当者が私腹をこやしているというのだ。
最初に広域における「押し紙」の実態が表沙汰になったのは、2005年の毎日新聞社のケースである。社長室からもれた内部資料を『FLASH』などがスクープした。毎日新聞の全国における「押し紙」の実態が暴露されたのだ。それによると2002年10月段階で「押し紙」率は36%だった。
2016年には、北九州の地方紙(厳密にはブロック紙)である西日本新聞の佐賀県全域における「押し紙」の実態が明らかになった。この資料(2009年8月度)については、まだ認知度が低いので、再度紹介しておこう。
文部科学省の汚職が次々と明るみに出ている。
文部科学省の戸谷(とだに)一夫事務次官が、業者から不適切な接待を受けていたとして減給処分となり、きのう辞職した。
前任の前川喜平氏も天下りあっせん問題で辞職している。事務方トップが不祥事で続けて役所を去る。異常な事態だ。
次官だけではない。小中高や大学の教育をつかさどる局長2人と、官房の総務課長も同じ業者から接待を受けていた。省庁や政界にパイプを築き、情報がほしい大学や企業と行政をつないで利益を得る、ブローカーのような存在とみられている。
この業者との関係をめぐっては、別の幹部2人がすでに収賄の罪で起訴されている。(朝日新聞)
文部科学省の実態については、メディア黒書でも報じてきた。筆者が調査したのは、広告代理店との謎めいた取り引きである。
たとえば「日本人の海外留学促進事業」について言えば、たった9ページのごく普通のウエブサイトの制作で、博報堂に対して2100万円を支出していた。企業を対象として価格の相場は、300万円程度である。個人であれば50万円程度だ。
次に示すのが、裏付け資料である。
以下、文部科学省の疑惑を扱ったバックナンバーを紹介しよう。筆者は、これらの記事の裏付け資料を多くのマスコミにも提供したが、取りあげなかった。筆者一人で、この程度の報道ができるのに、人材が豊富な大手メディアが取材できないはずがないのだが。感覚がおかしいのではないかと本気で思う。
2018年09月21日 (金曜日)
東京都が東京オリンピック選手村の建設予定地(中央区晴海5丁目、都有地)を時価の9割引きで、大手デベロッパーに売却した事件を裁く裁判に新しい動きがあった。既報したように、建設予定地は時価で約1300億円。一方、土地の売買価格は、約130億円だった。叩き売り同然である。
被告の東京都は、これまで原告住民らが主張してきた時価1300億円は推論であり根拠に乏しいと主張してきた。そこで原告は、不動産鑑定士に鑑定を依頼した。鑑定評価書は、すでに原告代表に届けられたという。
ミニコミ紙『臨海かわら版』(9月18日)によると、原告らは10月2日に都庁記者クラブで、午後2時から、記者会見を開き、鑑定結果を公表するという。『臨海かわら版』は、現時点では公式の鑑定額こそ公表していないが、「当初原告が周辺の公示価格や売買価格などから1300億円と想定していた額を大幅に上回ることになる」と述べている。
建設予定地の地価が鑑定士によって評価されたとなると、東京都は売買価格を10分の1(約130億円)に値引きした根拠を示さなくてはならない立場に追い込まれる。
大手デベロッパーとの間に、どのような話し合いがあったのかを明らかにしなければならない。小池知事は苦境に立たされそうだ。
このところ筆者のもとへ新聞販売店の廃業に関する情報が数多く寄せられている。昨日(19日)も、一通の匿名メールーを受け取った。次のような内容である。
東京都町田市のXX新聞の店、同時に3店やめました。
まだ裏付けは取っていないが、最近の情勢から判断して、特に驚く情報ではない。筆者は、ここ1年ぐらいの間に、新聞販売網の整理統合が急速に進むと予測している。
2018年09月19日 (水曜日)
朝日新聞本社(東京・築地)で先月(2018年8月)、関西発で全国1千店弱の家電店をフランチャイズ展開するアトム電器が、朝日販売店主向けに加盟説明会を開催した。
新聞の表向き刷り部数であるABC部数が凄まじい勢いで減るなか、業界全体で会社の垣根を越えた販売店の統廃合計画(1つの販売店で全紙を配達)を水面下で進めざるをえなくなり、多くの店主が廃業・業態転換を迫られているのだ。
いわば、切り捨てられる販売店主向けに、朝日が転職活動を斡旋しているのである。「私のところにも案内状が来ました。大谷選手(MLBエンジェルス)と同様、“二刀流”はむつかしいです」(参加を見送った店主)。
1年間の研修を受けられるとはいえ、新聞屋から“町の電器屋さん”への転換は容易ではない。だが、それも選択肢に入れねばならないほど、新聞業界の将来に光は見えない。既に、エアコン掃除などの事業を副業で始めた店主もいるという。新聞崩壊の内情をレポートした。【続きは、 MyNewsJapan】
2018年09月18日 (火曜日)
このところスポーツ現場におけるパワハラ問題が次々と報道されている。女子レスリング、ボクシング、体操、野球、陸上競技、そしてウエイトリフティング。こんな現象は、スポーツジャーナリズム史上かつてなかった?
が、パワハラの問題は、今にはじまったことではない。昔からあった。筆者が高校生だった1976年ごろは、スポーツにパワハラはつきもので、国士舘大学を卒業したばかりの柔道部の教員が、椅子を振り回して、それが生徒の側頭部に命中し、口角から血を流しながら、ほうほうのていで床を滑るように逃げる事件もあった。新任教員はさすがに職員会議で注意されたそうだが、特に大きな問題にはならなかった。
2018年09月15日 (土曜日)
地方自治体の予算の使い方に疑義がある場合、地元住民は訴訟という手段で抗議することができるが、国家予算の疑義については、訴訟を提起する制度がないことを、読者はご存じだろうか。筆者は2016年から17年にかけて、中央省庁の予算の使い方を徹底取材し、その中でずさんな出費の例を数多く見つけた。
そこで裁判を起こすことを視野に入れて弁護士に相談したところ、そのような制度は日本にはないことを知った。国家予算の使い方を司法で正すことはできないのだ。
次の記事は、内閣府から大手広告代理店に対して実施された疑惑の出費の一例を紹介したものである。2016年06月09日 の記事の再録だ。
(本稿は、『紙の爆弾』(9月号)に掲載したルポ、「三宅雪子元衆議院の支援者「告訴」騒動にみるTwitterの社会病理」をウエブサイト用に修正したものである。登場人物は、三宅氏を除いて仮名。敬称略とした。)
「心理作戦」という戦法がある。相手に精神的なゆさぶりをかけて、自分に有利な状況を作る戦術のことである。たとえば仮病で同情を惹く。暴力団員を装って交渉を優位に進める。その中でも最近、とりわけ増えているのが、裁判提起など法的措置をほのめかして、相手を恫喝する手口である。それは著名人についても例外ではない。
2017年5月10日、1件の「告知」がインターネット上のツイッターに投稿された。
「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました。@gachktmama0113,@torch2012,@nanachan77,@makimakiia,@him_beereほか二名 私の名前を出してのツイート、家族知人、仕事先への接触を固くお断りします」
これを投稿したのは、元衆院議員の三宅雪子である。刑事告訴が事実であるにしろ、単なる「心理作戦」であるにしろ、告知に自分のアカウントがあった5人は動揺した。
三宅のツイッターのフォロワーは、約5万8000人。ツィートの拡散が繰り返されると少なくとも15万人ぐらいの人の目に「告知」が知れるだろう。
2018年09月13日 (木曜日)
文科省が7月に発表した「高等学校学習指導要領」の解説で、教材として新聞の活用が推奨されていることを読者はご存じだろうか。「総則編」の中に7箇所も、新聞の活用が明記されている。たとえば次の箇所である。
各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。
日販協(日本新聞販売協会)の『日販協月報』(4月)によると、新聞を活用する教育方針は、高校だけではなく、小中学校でも導入される見込みだという。
小中学校の次期指導要領改訂案でも、新聞を活用する方針が盛り込まれ、国語では小学5年、6年で複数の本や新聞を用いることを明記。中学2年は新聞などで情報を集め、中学3年で論説や報道を読み比べするように求めている。
チリの軍事クーデターから45年が過ぎた。チリの「9.11」は、ラテンアメリカの人々にとっては、記憶の中の色あせた遠い事件になっていくどころか、ますます鮮明さを増し、多様な観点から再考される事件である。常に現在へ蘇ってくるのだ。
実際、キューバのプレンサ・ラティーナ紙やメキシコのラ・ホルナダ紙などラテンアメリカの主要な新聞(電子)は、今年も「9.11」についての記事を掲載している。スペインのエル・パイス紙も、この事件を取り上げている。
チリの軍事クーデターからは、政治力学の問題と、内政干渉(海外派兵)の問題が鮮明に見えてくる。
2018年7月度の新聞のABC部数が明らかになった。それによると、読売新聞が年間で約39万部を減らしたのを筆頭に、朝日新聞も約33万部の減部数、毎日新聞も約23万部の減部数と、軒並み大幅に部数を減らしている。新聞の没落に拍車がかかっている。
日刊紙全体でみると、1年間で162万部の減部数。地方紙は、中央紙ほど減部数を招いてはいないが、それでも低落傾向に変わりはない。
中央紙の部数は次の通りである。()は前年同月比である。
マイクロ波によって人間の精神を攪乱できるのだろうか?この問題を考える場合、統合失調症(旧精神分裂病)の発生メカニズムを理解すると分かりやすい。
脳の神経細胞は、微弱な電気と神経伝達物質によって結合したり離れたりする仕組みになっている。それによって意識として提示する情報を引き出しているのである。ところが統合失調症になると神経伝達物質のバランスが崩れ、神経細胞の結合が正常にできなくなるのだ。
その結果、思考が混乱したり、実際には存在しない音や会話が聞こえたりするのだ。人間の認識・思考・行動はすべて脳によってコントロールされているわけだから、情報の取捨選択機能がおかしくなると、引き出される情報の組み合わせもおかしくなる。
このような原理を悪用すれば、何らかのかたちで人工的に脳の神経細胞を刺激して、精神を混乱させることも可能だ。実際には音がしていないのに、音が聞こえたり、誰も話しかけていないのに会話が聞こえたりするのだ。脳神経の誤作動である。
2018年09月08日 (土曜日)
スマホなどの通信に使われるマイクロ波の規制基準がダブルスタンダードになっている理由はなにか?。マイクロ波の規制値は、実質的に2つ存在するのだ。しかも、それは日本だけの話ではない。世界中のほとんどの国が、おそらく故意にダブルスタンダードを採用しているのだ。
筆者はその理由を延々と考えてきたが、最近、極めて単純な理由であることに気づいた。その答えを紹介する前に、ダブルスタンダードの実態を、国際比較をしながら紹介しよう。
まず、各国が定めている規制値である。
日本:1000μW/cm2
米国:1000μW/cm2
カナダ:1000μW/cm2
スウェーデン:900μW/cm2
ノルウェー:900μW/cm2
デンマーク:900μW/cm2
オランダ:900μW/cm2
フランス:900μW/cm2
英国:900μW/cm2
ドイツ:900μW/cm2
ベルギー:225μW/cm2
大半の国がおおよそ900μW/cm2ぐらいを規制値としている。ちなみに数値が大きくなるほどエネルギーが強く、危険度が増す。
国家の規制値に対してEUの提言値と「バイオイニシアチブ報告・2012」の提言は、次のようになっている。
EU:0.1μW/cm2 (屋内は、0.01μW/cm2)
バイオイニシアティブ報告:0.001μW/cm2~0.05μW/cm2よりも低い強度でも人体影響がある。
こうした状況の下で、ヨーロッパでは国家が定めた規制値と各自治体が独自に定めた規制値がある。これ自体不思議なことだ。
スマホを使った実際の通話では、どの程度の強度のマイクロ波が必要なのだろうか。筆者が取材したり、実際に測定した体験からすれば、0.01W/cm2程度で十分に会話できる。それゆえに各国が定めた異常にあまい基準値を不思議に感じてきた。
新聞研究者の故新井直之氏が明言を残している。
新聞社や放送局の性格を見て行くためには、ある事実をどのように報道しているか、を見るとともに、どのようなニュースについて伝えていないか、を見ることが重要になってくる。ジャーナリズムを批評するときに欠くことができない視点は、「どのような記事を載せているか」ではなく、「どのような記事を載せていないか」なのである。
このところ研究者を取材する機会が増えている。電磁波による人体影響から化学物資の脅威まで、さまざまな分野の研究者から話をうかがっている。その中である共通点に気づいた。
何が人体や環境に有害かをメディアがほとんど報じないことに対する強い不満と危機感を持っている研究者が多いことである。報じない結果、自分たちが置かれている危険な生活環境を認識することもできない。
日本では、産業界にとってダメージになる情報は知らせない暗黙のルールがあるのだ。「先進国」の中では、日本だけが例外的に「愚民政策」が敷かれていると言っても過言ではない。新井直之氏の言葉を裏付けるようなマインドコントロールが水面下で進行しているのである。
高齢者をターゲットにした新聞広告が全体の広告に占める割合が高くなっている。これは若い世代の新聞ばなれが進んでいる結果にほかならない。
本日(9月6日)の読売新聞の朝刊を分析してみよう。ページ数は、全体で36ページ。このうち全面(15段)広告は10件。この10件のうち、高齢者、あるいは中高年をターゲットにしていると思われるものが7件ある。
老人向け広告の実態を見てみよう。
2018年09月05日 (水曜日)
CNNがマイクロ波による人身攻撃に関する記事を掲載している。タイトルは、「米外交官狙った正体不明の『音響攻撃』、原因はマイクロ波か」。
キューバなどに駐在する米国の外交官らが、身体の不調を訴え、原因がマイクロ波による攻撃だったとの見方が浮上したとする記事である。■出典
マイクロ波というのは、携帯電話やスマホの通信に使われる電波(電磁波)のことである。
実は、CNNの記事の情報源となっているのは、9月1日付けのNYT(ニューヨーク・タイムズ)の記事である。■出典
この記事では、マイクロ派を利用した武器がすでに実用の段階に入っており、米国はいうまでもなく、ロシア、中国、ヨーロッパ諸国も、新型武器の技術をもっている可能性を指摘している。まるでSFの世界だが、NYTは極めてリアルな問題提起をしている。
三権分立の崩壊が加速して、司法の場に「政治判断」が幅をきかすようになってしまった日本。その一方で、世界に視線を向けると、急速に民主主義を成熟させているかつての発展途上国がある。
中米グアテマラ--。1960年代の初頭から96年まで、軍事政権に対峙するゲリラ活動があった国で、とりわけ70年代の後半から80年代にかけては、グアテマラ民族革命連合(URNG)と政府軍の対決のもとで、暴力の嵐が吹き抜けた。
81年と82年の2年間だけでも、グアテマラの最高学府・サンカルロス大学の教授97人が殺害されている。宗教関係者の殺害は207件。殺されたジャーナリストは47人である。政府軍と警察による犯罪である。
2018年08月31日 (金曜日)
筆者と志岐武彦氏が奈良地検に対して提起した高市早苗元総務大臣に対する刑事告発が、28日付けで不起訴となった。高市氏に対しては、最初は詐欺容疑で、2度目は所得税法違反で刑事告訴をおこない2度とも受理された。しかし、1回目に続いて、2回目も不起訴となった。
事件の詳細については2回目の受理の際に掲載した次の記事を参考にしてほしい。
【参考記事】奈良地検が高市早苗・前総務大臣に対する刑事告発を受理、政治家によるマネーロンダリングにメスか?
【事件の構図と還付金制度】
議員が代表を務める地元の政党支部などへ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄付した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。
2018年08月30日 (木曜日)
NHKの受信料の徴収方法に対して、住民から疑問の声が後をたたない。ジャーナリズムの財源確保の方法として、道義的な問題はないのだろうか?
「面識のない女性からいきなりスマホに電話がかかってきて、NHKの受信料を支払うように言われました。なぜ、女性がわたしの電話番号を知っているのか気味が悪くなりました」
東京都中野区の男性(74歳)が言う。男性は、「NHKから国民を守る党」の立花孝代表に相談して、次のようなアドバイスを受けたという。
「契約をしていないのであれば、支払う必要はない」
インターネット上にも、NHKの受信料徴収について疑問を呈する記事やツイッターの投稿が見られる。その中には、ひつこい集金の実態を告発するものはいうまでもなく、テレビもスマホも使っていないのに、いきなり契約書を突き付けられたといったものもある。
筆者の知人も、NHKの営業マンに自宅に押し入られそうになった体験を持つ。
こんなふうにNHKの受信料徴収は、いま社会問題になっている。
舌たらずな言葉づかいをする人が増えている。
読者は、「ウヨ弁」という言葉をご存じだろうか?筆者がこの言葉を知ったのは昨夜だ。経緯はツイッターで市民運動と住民運動の違いに言及したことである。次の投稿である。
数年前、尊敬する弁護士からこんなふうに質問された。「黒薮さん、住民運動と市民運動の違いが分かりますか?」。当時は分からなかった。住民運動は住民の実生活に根ざした運動で、市民運動は「賛同する人は結集を」と呼びかける無責任な運動。実際、内ゲバなどとんでもない事件を起こしている。
もう少し詳しくいえば、住民運動は住民が自分たちの生きる権利を求めて戦う運動である。たとえば水俣病を原点とする運動。広義に解釈すれば、中米のグアテマラやエルサルバドルで、軍事政権のテロから村や家族を守るために武装ほう起した人々の運動である。
これに対して市民運動というのは、特定の目標をかかげて、それに賛同する人を募り、運動を展開するものである。たとえば化学物質のリスクを知らせることを目的に全国各地から市民が結集するようなケースである。
両者の境界線は重複する部分もあるが、根本的な性質は異なっている。
2018年08月27日 (月曜日)
新世紀公害が水面下で急激に広がっている。静岡県に別荘マンションを持つ理学博士のAさんが言う。
「わたしが知らないうちに、マンションの理事会が電気会社から要請を受け、スマートメータ(電磁波による遠隔操作による電気料金の計測器)の設置を受け入れていました。電磁波によるリスクがあることを理事たちにいくら説明しても、電磁波が何であるかすらも分かっていません」
Aさんは筆者が取材対象にしている研究者である。
「前には、携帯電話の基地局を屋上に設置したいという電話会社の要請を理事会が受け入れてしまいました」
実際、Aさんの別荘マンションに携帯電話の基地局は設置され、今もそのままだという。Aさんは、初歩的で常識的な科学の知識を大半の住民が知らない事実を前に、絶望的な気持ちになるという。無知の恐ろしさを痛感している。
かつて公害といえば、工場排水が引き起こす中毒であったり、工場煤煙が原因の喘息など、誰の目にも見える被害だったが、新世代の公害は、意識的にその実体を学習しなければ認識できない。被害が浮上する時期も分からない。ここに問題の深刻さが潜んでいるのだ。
懲戒請求を受けた弁護士が、懲戒請求者の個人情報を公安警察ら捜査機関に提供することが許されるのだろうか。
今年の5月12日、弁護士で自由法曹団常任幹事の神原元氏が、みずからのツイッターに、懲戒請求者の個人情報を外部の組織にもらす可能性を示唆した。
このところ弁護士に対する懲戒請求をめぐる事件が多発している。
次に再掲載する6月4日付け記事は、懲戒対象にされた弁護士が、相手方(懲戒請求者)の個人情報件を外部へ流出させることに警鐘を鳴らしたものである。神原元・自由法曹団常任幹事のケースを取りあげた。
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福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士 江上武幸(文責) 2024年(令和6年)9月20日 兵庫県で毎日新聞販...
柔軟剤や煙草など、広義の「香害」をどう診断するかをめぐる議論が沸騰している。日本では、「香害」による体の不調...
福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士・江上武幸(文責) 去る7月2日、西日本新聞販売店を経営していたAさ...
長崎県の元販売店主が2021年に起こした西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、7月2日の午後、福岡...
西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、次のスケジュールで実施される。 場所;福岡地裁 903...
『週刊金曜日』(6月7日付け)が、「報道の自由度、世界ランキング70位でいいのか」と題する記事を掲載している...