1. 公共広告・折込チラシ

公共広告・折込チラシに関連する記事

【YouTube動画】動画で見る参院選・選挙公報の水増し現場、税金の騙し取りもお咎めなし、新聞人は「知らぬ、存ぜぬ」

ユーチューブ動画で紹介したのは、廃棄される前段の参院選・選挙公報である。撮影日は、7月13日の21時。撮影場所は、千葉県流山市のASA(朝日新聞販売店)の前である。撮影者は、大野富雄・元流山市議。税金で制作された選挙公報が大幅に水増しされ、新聞に折り込まれないまま廃棄される前段を記録した動画を撮影した。

参院選の選挙公報は、7月12日に新聞折込のかたちで配布された。その翌日にあたる13日に大野議員はかねてから観察拠点としていた「押し紙」や折込媒体の収集場所を確認した。選挙公報は、12日に新聞に折り込まれたわけだから、本来であれば、13日に大量の選挙公報が積み上げられているはずがない。ところが収集場所には、大量の選挙公報が残っていた。(動画:1分10秒~)。大野元市議は、選挙公報の水増しの決定的な証拠を掴んだのである。

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参院選の選挙公報、全国で水増しが起きている可能性、流山市のケースは氷山の一角、背景に新聞社による「押し紙」政策

7月14日付けのメディア黒書で既報したように、新聞に折り込む参院選の選挙公報が、新聞の配達部数を大幅に超えて、新聞販売店に搬入されていることが千葉県流山市で発覚した。過剰になった選挙公報が山積みされている現場を、筆者は確認して、新聞販売店の店長に事実関係を確認した。

実は、流山市では4,5年前から、「押し紙」とそれに連動た折込媒体の水増しが発覚して、地元の市議が市議会で繰り返しこの問題を追及してきた。

たとえば、2021年10月時点での流山市のABC部数(新聞の公称部数)は、36,815部だったが、同市はこの数字をはるかに上回る50,128部の広報紙(流山市発行)を広告代理店に発注していた。その結果、たとえ「押し紙」が1部も存在しないとしても、1万3000部ほど折込媒体が過剰になっていた。これについて市当局は、広告代理店から指示された部数を発注しているだけと回答した。こうした問題は放置された。状況は改善しなかった。

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【速報】参院選の公報を水増し、千葉県流山市で発覚、住民が通報、背景に「押し紙」問題

7月20日に投票の参議院議員選挙の選挙公報が、ASA(朝日新聞販売店)で水増しされていることが分かった。筆者は、同市に在住する男性から通報を受け、14日の午後、男性と一緒にASAに急行した。店舗の外側に残紙や包装物(折込チラシの可能性が高い)に交じって、参院選の選挙公報の束が山積みになっていた。

目視できたのは、2包装。その下にも、包装束が積まれており推測で4包装から、5包装の公報が古紙回収の対象になっていた可能性が高い。

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大阪府の広報紙『府政だより』、10万部を水増し、印刷は毎日新聞社系の高速オフセット、堺市で「押し紙」の調査

大阪府の広報紙『府政だより』が大幅に水増しされ、廃棄されていることが分かった。

わたしは、全国の地方自治体を対象に、新聞折り込みで配布される広報紙が水増しされ、一定の部数が配達されずに廃棄されている問題を調査してきた。

この記事では、情報公開請求で明らかになった大阪府の『府政だより』のケースを紹介しよう。悪質な事例のひとつである。

大阪府は、広報紙『府政だより』(月刊)を発行している。配布方法は、大阪府のウェブサイトによると、「新聞折り込み(朝日、毎日、読売、産経、日経)」のほか、「府内の市区町村をはじめ、公立図書館、府政情報センター、情報プラザ(府内10カ所)などに配備」している。さらに「民間施設にも配架」しているという。

このうちわたしは大阪府に対して、新聞折り込みに割り当てられた部数を示す資料を、過去10年にさかのぼって開示するように申し立てた。その結果、6年分が開示された。

データを解析した結果、『府政だより』の新聞折り込み部数が、大阪府における日刊紙の流通部数をはるかに超えていることが分かった。ここでいう流通部数とは、日本ABC協会が定期的に公表している新聞の発行部数のことである。新聞社が販売店に搬入する部数だ。

次の表に示すのが、ABC部数(朝日、毎日、読売、産経、日経)と『府政だより』の折込枚数の比較である。いずれの調査ポイントでも、『府政だより』の部数が、新聞の流通部数を大きく上回っている。

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新聞の折込チラシVSポスティング、PR効果が高いのはどちらか?

経営が悪化して廃業に追い込まれる新聞販売店が増えている。新聞の購読者が減っているのに加えて、折込広告の激減が背景にあるようだ。

新聞のビジネスモデルは、「押し紙」で発生する損害を、折込広告の水増しで相殺する構図になっているので、折込広告の需要が減ると、販売店はたちまちその影響を受ける。歯車が狂ってしまうのだ。

折込チラシが減っている要因は、新聞の購読者が減っているためにPR効果がなくなり、広告主が他のPR媒体を選択するようになったからである。

広告主の新しい選択肢のひとつに、チラシの全戸配布がある。ポスティング業者に依頼して、チラシを全戸配布するのだ。しかし、PR効果はあるのだろうか?

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千葉県流山市の大野富生市議(NHK党)が広報紙の水増し問題を追及、市当局の見解、「不正があれば契約を破棄して、損害賠償を請求する」

千葉県流山市の大野富生市議(NHK党)は、26日に開かれた定例会で、広報紙『広報ながれやま』が水増しされている疑惑を取り上げた。メディア黒書でも既報したように、新聞のABC部数が全市で36、836部(2020年4月時点)しかないのに、新聞販売店には55,238部の『広報ながれやま』が搬入されている。千葉日報の部数が若干あるとしても、約2万部が水増し状態になっている。

配達されずに廃棄されている可能性が極めて高い。

■千葉県流山市で広報紙の大幅な水増し、約3万7000の新聞発行部数に対して約5万5000部を供給

また大野議員は、現在の折込定数55,238部(新聞に折り込む媒体の枚数)を固定した時期について質問した。これに対して、同市の総合政策部長は、2016年(平成28年)11月と回答した。つまり新聞のABC部数が大幅に減少しているにもかかわらず、約5年に渡って折込定数を固定していた事実が明らかになった。

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『週刊金曜日』が広報紙の水増し問題を指摘、「押し紙」同様に古くて新しい問題

8日に発売された『週刊金曜日』が埼玉県の広報紙『彩の国だより』(月刊)が、約22万部水増しされていることを報じた。(9ページ)『彩の国だより』は、新聞折り込みのかたちで、配布されるが、埼玉県が広告代理店(埼玉県折込広告事業協同組合)へ卸している部数は、新聞の発行部数を約22万部上回っていた。

紙媒体が、広報紙の水増し問題を取り上げたのは、『紙の爆弾』に続いて2度目である。この問題は、「押し紙」問題と同様に古くから水面下で指摘されていたが、近年、水増しの割合が増えたこともあって全国各地で問題になっている。「押し紙」同様に古くて新しい問題である。

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千葉県の広報紙『ちば県民だより』、21万部水増しの疑惑、必要な予備部数は9000部、背景に新聞社のビジネスモデル

千葉県が税金で制作して、新聞折り込みで配布する広報紙『ちば県民だより』が、大幅に水増しされている疑惑が浮上した。

筆者ら取材チームが調査したところ、『ちば県民だより』の発行総数は、187万部(2020年6月時点)だった。このうち新聞折り込みで配布することを前提に、広告代理店が新聞販売店に卸している部数は、177万9000部(2020年6月)だった。

ところが千葉県下における新聞の総発行部数は、約156万8369部である。約21万部が過剰になっている。配布されずに廃棄されていることを意味する。

新聞発行部数の内訳は次の通りである。

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地方自治体が発行する広報紙の水増し、新聞部数をこえる折込部数を提供、各地で発覚

地方自治体が発行する広報紙は、新聞折込、ポスティング、郵送などで住民に配布される。このうち最も多くの自治体が採用している配布方法は、新聞折込とポスティングである。東京23区の場合、16区が新聞折込を採用している。わたしが在住する埼玉県朝霞市はポスティングだ。

広報紙の配布をめぐり、このところ水面下で問題になっているのが、新聞販売店に卸す広報紙の水増し行為である。たとえば配達する新聞部数が1000部の販売店であれば、それに相応した広報紙の折込部数は1000部である。厳密に言えば、これに若干に予備部数が加算される程度だ。

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東京・豊島区の広報紙水増し問題、2018年度の水増し率は30%、背景に「押し紙」による新聞販売店の経営悪化

豊島区の広報紙『広報としま』が大幅に水増しされている問題で、過去10年分の関係資料を入手した。詳細については、検証が完了した段階で公表するとして、今回は、2018年度のケースに絞って報告する。

朝日、読売、毎日、産経、日経、東京の6紙が折り込み媒体となっている。卸部数は総計で7万8765部である。これに対して、ABC部数(2018年4月)は、5万4778部である。次に示すのが裏付けだ。

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折込広告の水増し詐欺の露骨な手口、「4・10(よんじゅう)増減」の全容(2)

ABC公査で不正を摘発されない体制を構築すれば、新聞社はABC部数をどうにでも操作できる。新聞社が販売店へ送り込んだ部数が、そのままABC協会へ申告され、ABC部数として認定される。さらにそれが折込定数になるわけだから、自由自在に折込媒体の水増しが可能になる。

広告主企業の中には、このような構図に気づいている企業もあるが、自主的に折込媒体の発注枚数を折込定数よりも少なめに設定するだけで、新聞社に抗議したという話はない。

わたしは複数の広告主から、その理由を聞いたことがあるが、共通して「新聞社とはトラブルになりたくない」という答が返ってきた。新聞社は社会的な影響力があるので、新聞社と係争になると、折込広告や紙面広告を出稿しづらくなる上に、紙面でバッシングされるリスクがあるからだ。それゆえに抗議しない。

しかし、大半の広告主企業は、この欺瞞的な実態そのものを知らない。そこへつけ込んで、大胆にABC部数を捏造する新聞社もある。そのための変形した手口が、「4・10(よんじゅう)増減」と呼ばれるものである。これは露骨な「折り込め詐欺」にほかならない。

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豊島区の『広報としま』の水増率43%の問題、過去10年分の関連資料を情報公開請求

新聞折り込みのかたちで配布されている東京都豊島区の広報紙『広報としま』が、43%も水増しされていた問題を調査するために、新たに4件の情報公開請求を行い受理された。4件の請求項目は次の通りである。

1、『広報としま』の新聞販売店向け部数を示す資料。対象は、2011年度から2018年度。及び2020年度。

2、『広報としま』の印刷会社を示す資料。対象は。2011年度から2020年度。

3、『広報としま』の新聞折り込み業務に関する新聞販売同業組合との契約書。対象は2011年から2020年の業務をカバーするもの。

4、『広報としま』の個人宅宛て郵送分の部数を示す資料。対象は、2011年度から2020年度。 ■出典

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東京・豊島区の広報紙3万部の水増し問題、朝日オリコミの折込定数でも「詐欺」の裏付けが成立

4月22日付けのメディア黒書で、「新聞人が東京・豊島区の広報紙を大量廃棄、水増し率が43%、折込定数がABC部数を大幅に超過」と題する記事を掲載した。

これはタイトルのとおり、東京都豊島区が発行する『広報としま』の水増し問題を取り上げたものである。『広報としま』は、新聞折り込み(朝日、読売、毎日、産経、日経、東京)のかたちで配布されている。 ところがこれら6紙のABC部数の総合計が43,722部しかないのに、76、500部の『広報としま』を販売店へ卸していることが判明したのである。水増し率:43%である。

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