「希望の党」の登場で崖っぷちに立った憲法9条、国民投票にはルールがなく、最後は金脈と電通が勝敗を決する仕組みに
民新党の右派系議員らが「希望の党」に合流することになったために、憲法9条の「改正」がいよいよ現実味を帯びてきた。選挙後、改憲派が国会で圧倒的多数を占めることになりそうだ。
改憲の立場を取る政党は、自民党、公明党、希望の党(民進右派、自由)、日本維新の会、「日本のこころ」の6党となり、改憲に反対の立場を取る共産党、社民党の議席を圧倒的に上回る公算が強い。もちろん改憲発議に必要な3分の2を超える。
ところが護憲派の人達の中には、憲法問題については楽観視している人が少なくない。憲法改正の是非は、最終的には国民投票で決まるうえに、9条に関しては、反対する勢力が依然として強いからだ。国民投票になれば、勝てるというのだ。
自民党VS希望の党、烏合(うごう)の衆による権力争い、「反自民」よりも「反共」で結束・結党
テレビを筆頭にメディアが盛んに「希望の党」をめぐる動向を報じている。
今回の選挙は、自民党と「希望の党」の対決になる公算が強い。そして、「希望の党」が政権を取れば、日本に大きな変化が訪れると期待している人が多いようだ。しかし、筆者は自民党が政権を維持しても、小池新党が新たに政権の座に着いても、日本の政治はほとんど何も変わらないと予測している。
両党に基本的な政策の違いがないからだ。
【動画】新聞没落、秘密裏に大量廃棄される山田養蜂場の折込広告、料金を騙し取り
メディア黒書で定期的に紹介している「折り込め詐欺」の実態。今回は、山田養蜂場の折込広告が、水増しされ、配布されないまま、段ボールに詰められて廃棄されている場面を紹介しよう。
この動画も新聞人による内部告発である。山陽新聞の販売店主が、みずから撮影したものである。自分が「折り込め詐欺」を強要されているからこそ、内部告発に踏み切れたのだ。
第2自民党としての危険な「小池新党」、自民・公明・小池新党・維新で憲法改正へ
10月の総選挙を視野に入れて、「小池新党」の動きがメディアの注目を集めている。反自民と斬新さを売り物にしたこの政党に期待する声も多いようだ。
が、ここ数日、「小池新党」の体質を教えてくれる動きが浮上している。たとえば「日本のこころ」の中山恭子代表が、夫の中山成彬議員と共に「小池新党」参加する見通しとなった。「日本のこころ」は、自民党よりも更に右よりの極右政党である。
また、自民党の福田峰之内閣府副大臣も同党に合流する。
小池氏自身が極右であることはいうまでもない。日本会議の設立10周年には、次のようなメッセージを送っている。
【動画】新聞没落、「押し紙」と一緒に廃棄される(株)ユニクロの折込広告、新聞人による内部告発
「折り込め詐欺」とは、折込広告の水増し行為である。たとえば新聞を2000部しか配達していない新聞販売店に、3000枚の折込広告を割り当てれば、1000枚が過剰になる。この1000枚についても、料金を徴収する。これが「折り込め詐欺」だ。念を押すまでもなく広告主に対する明らかな詐欺である。
広告代理店が広告主と商談する際に、「もっと折り込め」「もっと折り込め」と調子よく繰り返して、折込広告を水増し状態にもっていくので、「折り込め詐欺」と呼ばれるのだ。高齢者を狙った「振り込め詐欺」とは異なり、「折り込め詐欺」については、警察もNHKも注意を呼びかけていない。
しかし、近々にある広告主が損害賠償を請求する裁判を起こすという噂もある。
豊田真由子議員の地元・埼玉4区で辞職を求める声が高まる、「豊田辞めろ」のリレートークやパレードも
10月に予定されている衆議院選挙。有権者の関心のひとつは、スキャンダルで失脚した議員が、この選挙に出馬するのかどうかという点である。また、出馬して当選できるかどうかという点である。関心の対象になるのは、中川俊直議員(不倫)、山尾志桜里議員(不倫)、豊田真由子議員(暴言・暴力)らである。
このうち豊田真由子議員の選挙区は、筆者の地元・埼玉4区(和光市・朝霞市・新座市、志木市)である。
埼玉4区では、豊田議員の暴言・暴力が発覚した後、議員辞職を求める運動が始まっている。その中心になっているのが、「市民が野党をつなぐ埼玉4区の会」だ。8月2日には、豊田議員の辞職を求めるためのリレートークが行われた。9月2日には、市民パレードが行われた。
【動画】豊洲移転の背景に規制緩和=新自由主義の導入、豊洲の物流センター化で排除される仲卸業者ら
築地から豊洲への移転問題といえば、とかく化学物資による土壌や空気の汚染がクローズアップされているが、ほとんど知られてないもうひとつの大問題がある。それは、食品の物流過程における規制緩和=新自由主義の導入である。それにより、いま仲卸業者が排除されようとしている。豊洲移転は、その象徴的な現象の反映でもある。
われわれが口にする食品は、中央卸売市場(築地)を通じて、仲卸業者により、目利き(品質の見極め)や価格形成が行われ、生産者や消費者の利益を守ってきた。それを担保するための中央卸売市場法などの法律も整備されている。
ところが今、規制緩和の流れのなかで、中央卸売市場法を無視した「市場外取引」が急増しているという。大手量販店が直接取引で食品を入手するようになってきたのだ。その結果、かつては約1250軒もあった仲卸業者が、今は500軒を割っているという。
2017年09月15日 (金曜日)
公権力の介入に鈍感なメディア関係者、本来抗議すべき2つの大問題、内閣官房が東京新聞へ宛てた抗議文、「Jアラート」の垂れ流し
メディア関係者が政府に抗議しなければならない問題が、現時点で、少なくとも2件ある。まず、第一は、東京新聞の望月記者の質問に対して、内閣官房が同社へ抗議文を送付したことに対する反論である。
東京新聞も日本新聞協会も、いまだに抗議していない。望月氏が所属する記者クラブについても同じことが言える。厳重に抗議すべきなのだ。
新聞没落、1販売店から月間30トンの「押し紙」、「折り込め詐欺」の発覚でクライアントが折込広告に見切りか?
「折り込め詐欺」とは、新聞の折込広告の水増し行為のことである。たとえば新聞を1000部しか配達していない新聞販売店に、(1種類につき)1500枚の折込広告を搬入すれば、500枚が未配達になる。この500枚についても手数料を徴収する。このような工作が「折り込め詐欺」である。
大半の新聞社は、新聞販売店に対して実配部数をはるかに上回る部数(「押し紙」)を搬入するので、「折り込め詐欺」は半ば日常化してきた。いわば新聞のビジネスモデルに組み込まれてきたのである。
次に示すのは、産経新聞・四条畷販売所から入手した古紙(「押し紙」)回収業者の伝票(2001年8月21日~29日)である。「押し紙」の回収量を㎏で表示している。古い資料だが、これを見れば「押し紙」の量がいかに凄まじく、それに連動する「折り込め詐欺」もいかに深刻だったかが分かる。
【動画】小笠原みどり氏の講演、「監視社会とメディア 共謀罪後の言論の自由とは」
去る8月19日に日本ジャーナリスト会議(JCJ)が主宰するJCJ賞の授賞式で、ジャーナリストでクイーンズ大学大学院生の小笠原みどり氏が、「監視社会とメディア 共謀罪後の言論の自由とは」というタイトルで講演した。
小笠原氏は昨年、NSA(アメリカ国家安全保障局)による不正な個人情報収集の実態などを内部告発したエドワード・スノーデン氏にインタビューした。その中でスノーデン氏が明らかにしたスパイ活動の実態、日本政府の関与、それに共謀罪制定との関係などについて語った。
日本で、世界で想像以上の恐ろしい情報収集が始まっている。
動画は、小笠原氏の講演を収録したものである。動画の出典は、「自由メディア」。
チリの軍事クーデターから44年、米軍が繰り返してきた他国への軍事介入の典型
チリの軍事クーデターから9月11日で44年が過ぎた。「9・11」といえば、米国の同時多発テロの日として知られているが、もうひとつの「9・11」と呼ばれるのがチリの軍事クーデターである。
この事件は米国CIAが、当時、チリで成立した左派政権を軍事クーデターで倒し、その後、ピノチェットによる軍政を敷いたというものである。
1970年、チリの大統領選挙で社会党のサルバドール・アジェンデが当選して、社会党、共産党、キリスト教民主党のUP(人民連合)が成立した。これは世界ではじめて、選挙によって成立した社会主義をめざす政権だった。日本の共産党や社民党が政権を取っても、現段階で社会主義をめざすことは絶対にあり得ないが、アジェンデ政権は最初から社会主義を目指したのだ。
【書評】『メディアに操作される憲法改正国民投票』、国民投票に介在してくる電通、改憲派が圧倒的に有利に
国際平和協力法(PKO法)が制定・施行され、日本が戦後はじめて、海外へ自衛隊を派遣したのは1992年である。アンゴラとカンボジアへ自衛隊を投入したのである。その時、これが憲法9条「改正」への最初の一里塚であることに気づいた人は、ごく限られていただろう。自衛隊の活動が、選挙監視など武力とは関係ないものに限定されていたからだ。
ところがその後、自衛隊の海外派兵や安全保障に関する法律が次々に制定され、現在では、日米共同作戦を展開できる段階にまで達している。このような体制の維持を支える特定秘密保護法や共謀罪法も制定・施行された。そして今、安倍内閣は、北朝鮮のミサイル・核問題を巧みに利用し、2020年までの改憲を視野に入れて、憲法9条をドブに捨てようとしている。
この25年を振り返ると、自民党は憲法9条の「改正」をゴールとして、日本の軍事大国化を進めてきたとも解釈できる。改めていうまでもなく、改憲の最後の「儀式」は、憲法改正国民投票である。
が、憲法9条の支持は依然として根強い。実際、今年の4月に毎日新聞が実施した世論調査では、憲法9条を「改正すべきだと『思わない』が46%で、『思う』の30%を上回った」。護憲派の人々の間には、国民投票になれば負けないという楽観論も広がっている。しかし、これはとんでもない誤解である。逆に全く勝ち目がないと言っても過言ではない。「無党派層」を世論誘導する恐るべきあるカラクリが隠されているからだ。
本間龍氏の『メディアに操作される憲法改正国民投票』(岩波ブックレット)は、憲法改正国民投票の致命的な欠点を指摘している。欠点とは、投票に先立つ運動期間中に、テレビCMなどのPRに関する規制がほぼ存在しないことである。テレビCMなどを制限なく流すことができる制度になっているのだ。
内閣官房が望月記者の発言をめぐり東京新聞へ送付した抗議文、送付先を誤った的はずれな内容、全文を公開
8月25日に管官房長官が開いた記者会見で、東京新聞の望月衣塑子・記者が行った質問に、内閣官房からクレームが付いた。加計学園が進めている獣医学部施設に関して望月記者が、「認可の保留という決定が出た」と言及した事(この時点では公式発表はされていなかった)に対して、内閣官房の上村秀紀報道室長が抗議の文書を送付したのだ。
送付先は、東京新聞政治部次長(官邸キャップ)の篠ヶ瀬祐司氏だった。
読者はこの対応をどう思うだろうか。抗議文の全文を公開した上で、筆者の意見を述べよう。
【内閣官房による抗議文の全文】
東京新聞政治部次長(官邸キャップ)
篠ヶ瀬 祐司 様
内閣官房 総理大臣官邸報道室長
上村 秀紀
半世紀を超えたコロンビア内戦が終わる、世界を変える決意とは何か?
コロンビアのELN(民族解放軍)と政府が、5日、停戦に合意した。コロンビアには、複数の反政府ゲリラがあったが、今回の停戦合意により半世紀を超えたコロンビア内戦は完全に終わる。
これに先だつ2016年8月には、FARC-EP(コロンビア革命軍 - 人民軍)と政府の間で和平が実現していた。FARC-EPは合法政党に生まれかわり、すでに元戦士の社会復帰も始まっている。去る8月には、キューバによる国際支援により、FARC-EPの元戦士ら200人が、医学留学のためにハバナへ旅立った。医師を目指す若ものたちである。(写真左)
内閣府から疑惑のプロジェクトで電通へ25億7200万円
読者は、メディア黒書でたびたび取りあげてきた内閣府と広告代理店が連携したプロジェクト-「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広告テーマの実施」-を記憶されているだろか? プロジェクト名が長いので、ここでは「ブランドコンセプトP」と略称しておこう。
このプロジェクトは、国策(たとえば、北朝鮮に対する警戒の喚起)をPRするためのもので、新聞広告、テレビCMなど種々の内容で構成されている。内閣府が広告代理店と提携してPR活動を展開するのは、珍しいことではないが、ブランドコンセプトPには、ある著しい特徴がある。
北朝鮮のミサイル開発の背景に、日本の軍事大国化と歴史改ざんに対する警戒心
東京の中心部に水爆が投下されると、伊豆あたりまで影響が及ぶ。23区は完全に消える。北朝鮮のミサイルと核開発で、偶発により、人類がほろびかねない危機が到来している。
しかし、マスコミにより「木を見て森を見ない」思考が広がっている。いまや国際政治は、単独の事実だけに焦点を絞っていては、正しく理解できない。他の事実との関連の中で考える必要があるだろう。
日本の世論は、北朝鮮のミサイル問題だけを捉えて、一方的にこの国を悪者に仕立て上げているが、筆者は責任の半分は日米にあると考えている。特に日本の責任は重大だ。
結論を先に言えば、現在の状況は、日本政府が1990年代の初頭から進めてきた軍事大国化の行き着いた結果と言っても過言ではない。軍事大国化は、PKOに始まり、自衛隊の活動範囲を徐々に拡大して、いまや日米共同作戦が可能な段階にまで達している。さらにこの体制を維持・強化するために、特定秘密保護法や共謀罪までが施行され、いよいよ憲法9条をドブに捨てかなねない段階に達している。
北朝鮮が警戒を強めるのは当然だ。複眼的に見れば、歴史教科書の改ざん問題も北朝鮮を刺激する要素として存在する。
北朝鮮のミサイル危機は米国と連動した日本の軍事大国化の結果にほかならない。この点を認識ぜずに、北朝鮮だけを非難するのは的はずれである。「木を見て森を見ない」論理で、もちろん問題の解決にはならない。
ちなみに安倍政権が拉致問題をまったく進展させることができないのも、同じ理由による。軍による暴力という歴史問題は、当事者にとっては、想像以上にセンシティブなのだ。その軍隊が再び海外へ出始めたのである。北朝鮮が脅威を抱くのは当然だろう。しかも、両国に外交関係は存在しないのだから、その脅威は尋常ではない。
汚染された魚類などが都民の食卓へ、築地から豊洲への移転を強行する小池知事の愚行
豊洲新市場予定地の地下水が無害化(環境基準値以下)できていない事を理由に、市場の移転を延期してきた小池ゆりこ東京都知事。だが、都議選が終わったとたんに、無害化の方針を撤回し、移転を強行しようとしている。
豊洲へ移転されれば、世界に誇る安全で良質な「築地ブランド」は消えてしまう。それに代わって汚染された危険な食が食卓へ届く可能性が高い。
安倍首相が海外での自衛隊PRのCMにみずから登場、東京新聞が報じる
8月1日付けの東京新聞に興味深い記事が掲載されている。日本政府が日本の自衛隊をPRするCMを作成し、それに安倍首相がみずから登場しているというのだ。タイトルは、次の通り。
・自衛隊「活躍」CM
・首相登場「違和感」
・欧米で放映 在外邦人から疑問の声
・「軍隊PR 独裁国家のよう」
・「税金使って個人メッセージか」
・アジアなら反発必至 日本の印象ゆがめる
リードは次のようになっている。