急激に進む米国新聞の電子化、日本の新聞社と販売店は生き残れるのか
次に掲載するのは、米国のインターネット新聞『ハフィントン・ポスト』に掲載された全米主要紙の発行部数である。記事の日付は、2013年4月30日。データの出典はABC部数。米国のABC部数は、日本とは違って電子版(デジタル)の購読者を含んだ数字が表示される。
その背景には、 電子版のデータがなければ、ABC部数はマーケット戦略の道具にはならなくなっている事情があるようだ。
1. The Wall Street Journal — 2,378,827 (898,102 デジタルを含む)
2. The New York Times — 1,865,318 (1,133,923 デジタルを含む)
3. USA Today — 1,674,306 (249,900 デジタルを含む)
4. Los Angeles Times — 653,868 (177,720 デジタル、 43,275特別版を含む )
5. Daily News of New York — 516,165 (155,706デジタルを含む)
6. New York Post — 500,521 (200,571 デジタルを含む)
7. The Washington Post — 474,767 (42,313デジタル、 1,305 特別版を含む)
8. Chicago Sun-Times — 470,548 (77,660デジタル、 208,087 特別版を含む)
9. The Denver Post — 416,676 (192,805デジタル、 10,041 特別版を含む)
10. Chicago Tribune — 414,930 ( 46,785デジタルを含む)
◇新聞販売店からの情報提供を求む
紙新聞の発行部数は表示されていないが、全体の数字から、電子版(デジタル)の数字を差し引けば明らかになる。この方法で試算すると、The Wall Street Journalは、約148万部。同紙は、2006年3月の段階で、207万部だったから、8年間で約59万部減らしたことになる。
The New York Times は、約73万部である。同紙は、2006年3月の段階で、112万部だったから、8年間で約39万部減らしたことになる。
想像以上に紙から電子版への移行が進んでいる。ただ、紙と電子版を併読している層も若干はいると思われるので、紙新聞の部数は、上記の試算よりも若干大きくなるかも知れない。
が、確実にいえることは、想像以上に電子化が進んでいる事実である。同じ現象は日本でも起こるのだろうか?その時、記者クラブの情報を主体とした紙面で読者を獲得できるのだろうか?あるいは、新聞販売店の経営はどうなるのだろうか?
わたしは数カ月前から新聞販売店の取材を再開している。プライバシーの問題があるので、詳細にはふれないが、想像以上にひどいことになっている。特に地方紙の販売店の経営が圧迫されているような印象を受けている。
「メディア黒書」では、新聞販売店からの情報提供を受け付けている。(TEL048-464-1413 秘密厳守。)