1. 最高裁、木村元昭裁判官が判決で言及した資料・情報の公開を拒否 証人尋問を実施せずに訴外者を誹謗中傷

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2013年07月31日 (水曜日)

最高裁、木村元昭裁判官が判決で言及した資料・情報の公開を拒否 証人尋問を実施せずに訴外者を誹謗中傷

最高裁に対する情報公開請求についての連載・第2回。下記の請求に対して、7月25日付で回答があったので紹介する。

請求内容は次の通りである。

告人・真村久三と読売新聞西部の裁判(平成24年(オ)1604号・平成24年(受)1987号)で、貴裁判所が2013年6月18日に、上告を棄却することで認定した福岡高裁判例(平成23年[ネ]第390号)について。 同判決の中に、上告人真村と彼の代理人弁護士らが「黒薮の取材に応じ、情報や資料の提供を行ったことは明白」(33項)という記載がある。ここで言及している「情報」「資料」に該当する証拠をすべて公開せよ。

請求を申し立てた背景を説明する前に、最高裁からの回答を、下記に示す。

(最高裁からの回答=ここをクリック)

◆判決文で訴外者を誹謗中傷  

本サイトで頻繁に取り上げている真村裁判(第2次)の判決の中で、福岡高裁の木村元昭裁判官が、訴外の立場にあるわたしのジャーナリズム活動を誹謗中傷したことである。真村裁判は2008年7月、読売がYC広川の店主・真村久三さんを一方的に解任したのをうけて、真村さんが地位保全を求めた裁判である。木村裁判官は、真村さんの解任理由のひとつとして、わたしのジャーナリズム活動を「幇助」したことをあげた。

ちなみに裁判のプロセスの中で、わたし対する証人尋問は行われていない。尋問を行わずに訴外の立場にある者の行為に対して、実名で断定的な認定を行ったのである。

繰り返しになるが、問題となっている判決の記述を再度引用しておこう。(既に熟知されている読者は、スキップしてください)

被控訴人(読売)の指摘する黒薮の記事等には、別件訴訟における控訴人(真村)の主張のほか、被控訴人(読売)が、販売店に押し紙を押し付け、それが大きな問題となっていることなどが記載されているが、押し紙の事実を認めるに足りる証拠はなく、控訴人(真村)及び黒薮において、押し紙の存在が事実であると信じるにつき正当な理由がると認めるに足りる証拠もない(かえって、控訴人は、平成13年には、現実には読者が存在しない26区という架空の配達区域を設けていたところ、これを被控訴人[読売]も了解していたと認めるに足りる証拠はない。)????

そうすると、控訴人において、被控訴人による違法不当な行為の存在を指摘することが容認される場合があるとしても、本件は、これに当たらないというべきである。

???? そして、控訴人(真村)や控訴人代理人(江上弁護士ら)が、上記のような記事の執筆に利用されることを認識、容認しながら、黒薮の取材に応じ、情報や資料の提供を行ったことは明白であり、控訴人は、少なくとも、黒薮の上記記事等の掲載を幇助したというべきであるから、たとえ控訴人自身が、押し紙等の批判をウェブサイト等を通じて行ったものではないとしても、その情報や資料の提供自体が、被控訴人の名誉又は信用を害するというべきであり、本件販売店契約の更新拒絶における正当理由の一事情として考慮し得る 。

判決内容を予約すると、次のようになる。

? ?黒薮は、「押し紙」についての記事を執筆しているが、「押し紙の事実を認めるに足りる証拠はなく、控訴人(真村)及び黒薮において、押し紙の存在が事実であると信じるにつき正当な理由があると認めるに足りる証拠もない」。

?それゆえに真村さんや真村さんの弁護団が黒薮の取材に協力したことは、黒薮の名誉毀損的なジャーナリズム活動を「幇助」したことになる。

??それは読売の名誉と信用を害するものである。

?従って真村さんを解任する理由として正当である。

◆情報公開を請求した理由

木村裁判官が執筆した判決を最高裁が認定したことも既報の通りである。  わたしが情報公開を請求した理由は、真村さんと彼の弁護団がわたしに提供した資料や情報が具体的に何を指しているのか分からないからだ。

確かに情報提供を受けたことはあるが、それは第1次真村裁判(2002?2007)の時期である。第2次真村裁判で対象になった期間は、2008年の1月から7月である。この期間にどのような資料・情報をわたしが受け取ったのか、曖昧なので、情報公開請求の手続きを取ったのである。

わたしが、自分自身が真村さんらから、この時期に資料を受け取っていないと断言しているわけではない。メール記録などを基に調査しなくては分からない。たとえ受け取っていたとしても、それは真村さんらが裁判所に提出し、裁判所でだれでも閲覧できる公開資料であったはずだ。

何を根拠に木村裁判官が上記のような記述をしたのか、そして何を根拠に最高裁が木村裁判官執筆の判決を認定したのかを確かめるのは、当事者としては当然の欲求である。

◆「それは嘘だ、嘘だ」の論法  

名誉毀損裁判の原告代理人を引き受ける弁護士の中には、名誉毀損の対象として争点にした表現を指して、「これは嘘だ、!嘘だ!、事実ではない」と声を張り上げ、被告に真実性の立証責任を求める者がいるが、残念ながら、このような裁判制度が堂々とまかり通っているのが、現在日本の裁判である。改めていうまでもなく、それを容認しているのが、(全員ではないが)大半の裁判官である。

ちなみに米国では、逆に訴えた側(原告)が、真実性を立証するのが原則。

と、すればこの際、彼らが構築した司法制度にのっとり、木村裁判官と最高裁判事には、わたしが真村さんらから受け取った資料・情報が具体的に何であり、それらのうちのどの部分が読売の名誉を毀損しているのか、立証してほしいものだ。

判決文は、「幇助」という当事者からすれば、侮辱的な表現が使われている。「押し紙」報道が事実ではないとも断言している。本来、現場の取材すらしていない木村裁判官から、このような認定を受ける筋合いはないはずだが。