折込広告の水増し問題、新聞社の直営販売店に要注意
メディア黒書に折込詐欺に関する問いあわせが相次いでいる。この種の情報を伝えてくるのは、かつては新聞販売店の従業員だった。それから新聞販売店の店主になった。そして最近は広告主からの情報提供も増えている。
なぜ、新聞販売店の店主が折込広告が水増しされている実態を告発するようになったのだろうか?答えは簡単で、折込広告の水増し分が特定の販売店(証言によると新聞社の直営店)に割り当てられ、販売店にとってはあまりメリットがなくなってきたからである。
折込広告の搬入枚数を店別に決めているのは、広告代理店である。新聞社系の広告代理店が、新聞社の直営販売店に対して多量の水増し広告を不正に割り当てても不思議はない。
◇産経の「押し紙」問題は未解決
改めていうまでもなく、折込詐欺の温床になっているのは、「押し紙」である。販売店主による内部告発の一例を紹介しよう。産経新聞の例である。産経新聞は、一時、「押し紙」政策を中止したとも言われていた。
しかし、2015年11月4日付けの「増減報告書」と呼ばれる内部資料によると、千葉県内の某店では、600部のうち155部が「押し紙」になっている。「押し紙」率は26%である。
産経の場合、過去には「押し紙」率が40%にもなっていた店(たとえば、大阪府の四条畷販売所)もあったが、現在の「押し紙」率は低くなっているようだ。しかし、やはり「押し紙」はある。
【資料の見方】「▲155」は、搬入部数を155部を減らした事を意味する。「445」は、155部を減らした結果、445部になったことを意味する。
ちなみにこの販売店では、折込広告が過剰になっている。店主は、「押し紙」の証拠として、過剰になった折込広告(市の広報)を現物保管している。
◇広告主の防衛策は?
広告主が取れる防衛策は、広告代理店に対して、折込広告の販売店別の割り当て枚数を提示させることである。その上で新聞社の直営店に対しては、6ガケ程度で発注することである。