1. 「押し紙」の決定的証拠、西日本新聞の内部資料を公開、佐賀県下の販売店ごとの「押し紙」部数が判明

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2016年05月10日 (火曜日)

「押し紙」の決定的証拠、西日本新聞の内部資料を公開、佐賀県下の販売店ごとの「押し紙」部数が判明

次に紹介(エクセルにリンク)する一覧表は、西日本新聞の販売店主から提供された内部資料である。西日本新聞の佐賀県下における新聞の部数内訳を、販売店ごとに示したものである。

■西日本新聞の「押し紙」を示す内部資料

この内部資料は、西日本新聞社では、「押し紙」政策が行われていることを示している。念のために筆者は、同社の販売局に、「これは貴社の資料か?」と問い合わせてみたが、回答はなかった。

内部資料の提供者によると、この表は次のように読み解く。

1、表の最左の縦列は、佐賀県下の新聞販売店を示している。

2、最上段の列、左から4枠目にある「8/3数」は、新聞販売店が西日本新聞に注文した部数を意味する。たとえば鳥栖中央店では、1,802部を注文したことを意味する。

3、「8/3数」の右隣りの枠にある「8/6数」は、新聞社が実際に搬入した部数を示している。鳥栖中央店のケースでは、2,158部である。

つまり鳥栖中央店は、1802部を注文したにもかかわらず、新聞社は注文部数を超えた2,158部を搬入したことになる。

ちなみに「前年数」も「前月数」も、「8/3数」も同一の数字(鳥栖中央店のケースでは2,158部)になっているの事実から察すると、注文部数が固定化されている可能性が高い。

◇疑いの余地がない独禁法違反

独禁法の新聞特殊指定は次のように「押し紙」の禁止条項を設けている。

3 発行業者が、販売業者に対し、正当かつ合理的な理由がないのに、次の各号のいずれかに該当する行為をすることにより、販売業者に不利益を与えること。

一 販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること(販売業者からの減紙の申出に応じない方法による場合を含む。)。

二 販売業者に自己の指示する部数を注文させ、当該部数の新聞を供給すること。

◇販売店名を公表した理由

今回、販売店名をあえて公表したのは、販売店名と数字を公表することで、折込広告の水増し行為の防止策になるからだ。クライアントの利益に配慮したものである。

新聞社の「押し紙」にメスが入るのは時間の問題だ。秒読み段階に入っている。と、すれば次のテーマは、折込広告の水増し行為(「折り込め詐欺」)に対する賠償問題になる。

この問題は、新聞社よりもむしろ広告代理店の体質解明が前提になりそうだ。