1. 大阪府の『府政だより』の水増しをめぐる疑問、謎の約50万部、1回目の広報提供データと2回目の広報提供データに大きな誤差、過去10年分を公式に情報公開請求へ

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大阪府の『府政だより』の水増しをめぐる疑問、謎の約50万部、1回目の広報提供データと2回目の広報提供データに大きな誤差、過去10年分を公式に情報公開請求へ

大阪府(吉村洋文知事)の『府政だより』の発行部数に関して疑惑が浮上している。この問題については、1月22日付けの記事で、新聞折込部数がABC部数を下回り、「水増し」とは言えないと報告したが、その後、過去の取材記録を再検証したところ、次の疑問点が明らかになった。

既報したように筆者らは、都道府県が発行する広報紙の新聞折り込み部数について調査している。このうち大阪府が筆者に公表した『府政たより』の発行総部数と新聞折込部数が、1回目の取材と2回目の取材では異なっているのだ。

1回目の取材では、関連するデータについて大阪府は次のように報告していた。

発行部数:約282万部

新聞折込部数:約277部

(ABC部数は約232万部で、『府政たより』は45万部水増し)

新聞折込が45万部ほど水増し状態になっている疑惑が浮上したのだ。そこで筆者は、大阪府に対して公式に情報公開請求を申し立てた。

ところが大阪府は、開示には積極的ではなかった。情報開示には第3者の承諾が必要などとして、速やかに公開しなかった。その代わりにメールでこれらに関するデータを提供すると提案した。

その結果、送られてきたデータが次の通りある。2回目の取材のデータである。

 発行総部数: 232部

 新聞折込部数:227部

(ABC部数は約232部で、『府政たより』は水増し状態にはなっていない)

『府政だより』の新聞折込部数は水増しにはなっていないが、1回目の取材時に比べて、発行総部数が50万部減部数されている。また新聞折込部数は、約50万部が減部数されている。1回目の取材時に得たデータと、2回目の取材時に得たデータが異なるのだ。

1回目の取材で筆者が、『府政だより』の水増しを指摘したので、大阪府は情報公開をしぶり、非公式のデータ(総発行部数を50万部、新聞折込部数を50万部減らしたデータ)を筆者に通知した可能性がある。

今後、筆者は当初の方針どおり公式に情報公開請求を行うことにした。過去10年を対象として『府政だより』の総発行部数と新聞折込部数の開示を請求する。