1. 進む新聞販売店の合売店化、「押し紙」付きの新店舗開業に納得しない販売店主、対策は集団による「押し紙」裁判で、

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2018年10月05日 (金曜日)

進む新聞販売店の合売店化、「押し紙」付きの新店舗開業に納得しない販売店主、対策は集団による「押し紙」裁判で、

新聞社の系統を超えるかたちで、販売店の整理統合が進んでいる。その中でいろいろな問題が噴出しているようだ。筆者は、系統を超えた販売店の整理統合、つまり合売店化が進めば、新聞社による優越的地位の濫用がなくなるのではないかと考えていたが、そうではないようだ。各新聞社が、新規の販売店に対して「押し紙」を買い取るように、「交渉」を続けているという情報提供があった。

新聞社は、搬入部数の決定に際しては、販売店の合意を得ているから、たとえ過剰な新聞を搬入しても、それは「押し紙」行為には該当しないと主張してきたが、この論理は独禁法の新聞特殊指定を正しく解釈していない。

新聞特殊指定でいう「押し紙」とは、実配部数に予備紙を加えた部数を超える残紙のことである。予備紙の部数は、伝統的には搬入部数の2%だったが、現在は、「2%」ルールは無くなっている。新聞人がなくしたのである。

そして残紙のことを「予備紙」と命名したのである。こうして新聞特殊指定の網の目をかいくぐって、「押し紙」行為を続けてきたのだ。かつて新聞人たちは、筆者が「押し紙」問題を指摘すると、「残紙のことですか?」と逃げていた。ところが現在では、「予備紙のことですか?」と言ってくる。

しかし、「予備紙」というからには、実際に予備紙として配布されている実態がなければならない。実態はほどんどなく、その大半はトラックで回収されている。この回収事実を見るだけで、残紙が「予備紙」として使われていないことは、誰の目にも明らかだ。

合売店化が進む中で、新店舗に対する「押し紙」の強制があった場合は、押し売りの証拠(録音等)を残したうえで、訴訟を起こすことを勧める。今は、裁判所もかつてとは異なり「押し紙」行為に対しては、一定の批判的な見解を持つようになっている。