1. 6月度の新聞のABC部数、読売は年間約36万部の減、朝日は約31万部の減、新聞産業の衰退に歯止めかからず

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2018年07月30日 (月曜日)

6月度の新聞のABC部数、読売は年間約36万部の減、朝日は約31万部の減、新聞産業の衰退に歯止めかからず

2018年6月度の新聞のABC部数が明らかになった。ABC部数の激減傾向にまったく歯止めがかかっていないことが分かった。年間で朝日は約31万部を、読売は約36万部を失った。もともとABC部数が少ない毎日も、年間で約20万部を減らしている。

中央紙のABC部数の詳細は次の通りである。

朝日:5,884,764(-314,046)
毎日:2,769,159(-202,353)
読売:8,419,052(-359,829)
日経:2,421,882(-296,674)
産経:1,464,355(-55,177)

ちなみにABC部数は、新聞の印刷部数であって、必ずしも実配部数と一致しているわけではない。ABC部数には、「押し紙」(新聞社がノルマとして、販売店に買い取らせた部数)が大量に含まれているというのが、常識的な見方である。

従ってABC部数の減部数そのものを根拠に、新聞離れ現象を説明するのは正確ではない。それよりも「押し紙」の負担に販売店が耐えられなくなり、新聞社が自主的に「押し紙」を減らさざるを得ない状況に追い込まれている実態が新聞産業の衰退を示していると考える方がより実情に即している。

新聞購読者は、確かに減り続けているが、新聞を読まない層は、すでに何年も前に購読を中止していると考えうる。

◇日経電子版は好調

今後、新聞社は、「紙」から「電子」への切り換えを進め、しかも、購読料を徴収するビジネスモデルを構築しなければならない。

業界紙の報道によると、日経新聞の電子版単体の会員数は、7月の時点で384,015人。これは前年比で+56,458人である。日経の場合、企業情報に特化しているので、有料にしても需要があると考えうる。