1. ドイツ通信社が「押し紙」問題の英文記事を世界に配信、日本の新聞ジャーナリズムとの温度差が顕著に

「押し紙」の実態に関連する記事

2017年05月17日 (水曜日)

ドイツ通信社が「押し紙」問題の英文記事を世界に配信、日本の新聞ジャーナリズムとの温度差が顕著に


ドイツ通信社が「押し紙」問題の英文記事を配信した。英文記者・神林毅彦氏の執筆である。

■ドイツ通信の配信記事

内容は3月30日に共産党の清水忠史議員が、衆議院の消費者問題特別委員会で行った「押し紙」についての質疑内容の紹介、マイニュースジャパンが暴露した朝日新聞の「押し紙」の実態、毎日新聞の「押し紙」を示す決定的な証拠資料「朝刊 発証数の推移」の紹介などである。

「朝刊 発証数の推移」は、2005年に毎日社から外部へもれた。2002年10月の段階で「押し紙」が36%あったことを示している。

さらに「押し紙」が戦前から存在したことや、安倍首相が90回以上もメディアの幹部や編集者、それに記者と会食を重ねていることも紹介している。

コメントは、筆者(黒薮)、山岡俊介氏、森田実氏。

「清水議員が議会でこの問題を取り上げたことは、販売店主らが声をあげはじめたこの時期に、特に大きな意義を持つ」(黒薮)

 「主流メディアは、安倍政権や大企業の批判を控えてる」(山岡)

「安倍とメディアの根深い腐敗を目にしてきた」(森田)

清水議員が2度も国会質問したのに、安倍政権が「押し紙」問題に対して何の対策も取っていないことも批判している。

通信社がこのような新聞社批判の記事を自由に配信できるところに、欧米と日本のジャーナリズムのレベル差が現れている。

ちなみに欧米でも、公称部数を偽っていた事件は発覚しているが、新聞社の対処方法が日本とはまったく異なる。たとえば米国テキサス州の日刊紙『ダラス・モーニングニュース』は、1980年代の半ばにライバル紙の『タイムス・ヘラルド』から、発行部数の水増しで告発されたことがある。2004年になって同社は、日曜版を11.9%、日刊紙を5.1%水増ししていたことを公式に認め、広告主に2300万ドル(約23億円)を払い戻したのである。

これから国境の概念がなくなるにつれて、日本の新聞は不要になりかねない。