第2自民党としての危険な「小池新党」、自民・公明・小池新党・維新で憲法改正へ
10月の総選挙を視野に入れて、「小池新党」の動きがメディアの注目を集めている。反自民と斬新さを売り物にしたこの政党に期待する声も多いようだ。
が、ここ数日、「小池新党」の体質を教えてくれる動きが浮上している。たとえば「日本のこころ」の中山恭子代表が、夫の中山成彬議員と共に「小池新党」参加する見通しとなった。「日本のこころ」は、自民党よりも更に右よりの極右政党である。
また、自民党の福田峰之内閣府副大臣も同党に合流する。
小池氏自身が極右であることはいうまでもない。日本会議の設立10周年には、次のようなメッセージを送っている。
叡智の結果を
『日本会議・日本会議国会議員懇談会設立十周年記念大会』のご盛会をお慶び申し上げます。
誇りある国づくりのため、皆様の叡智を結集していただけますよう祈念しています。
貴会議の今後益々のご発展と、ご参集の皆様の尚一層のご健勝をお祈り申し上げます。(九月十三日)
■出典
つまり「小池新党」というのは、第2自民党なのだ。斬新さの看板がはがれるのは時間の問題だ。
◇「小池新党」のトリック
一体、「小池新党」は、財界を中心とする日本の保守勢力にとってどのような意味を持つのだろうか。結論を先に言えば、それは衰退する自民党の「受け皿」としての役割である。それ以外のなにものでもない。党名は異なっても、中身は自民党とほぼ同じである。
当然、自民党が議席を減らしても、自民、公明、「小池新党」、維新の4党で議席の3分の2を占めれば、改憲は可能になる。今回の解散・総選挙は、森友・加計疑惑を隠ぺいすることだけが目的ではなく、「小池新党」を上手に利用して、改憲に必要な政治勢力を結集する布石を築くことのようだ。
後者については、あまり報道されていないが、これも安倍首相が解散に踏み切った大きな理由だと思われる。軍事大国化の最後のハードルが改憲であるから、それを2020年までにやり遂げるためには、どうしても、改憲勢力で議席の3分の2を占める必要があるのだ。
◇小沢一郎から小池百合子へ
「野党再編」といえば、かつては小沢一郎氏がその中心を担ってきた。小沢氏がやってきたのは、共産党を除外した非自民勢力の結集だった。当然、構造改革=新自由主義の導入という点では、自民党とまったく同じだった。軍事大国化についても、枝葉末節の違いはあるものの、基本的には同じ方向を向いてきた。
小沢氏の大罪は、改めていうまでもなく、小選挙区制による2大政党制を日本に導入したことである。それがいかに理不尽な制度であるかは、現在の政治を凝視すれば一目瞭然だろう。ほとんど民意を反映しない制度なのである。
皮肉なことに、小沢氏が率いる自由党は、小選挙区制によって消滅しようとしている。
かつて小沢氏が果たした役割を、今度は小池百合子氏が担っているのだ。そして、それに多くの人々が騙されようとしている。かつては小沢氏に騙され、今は、小池氏に騙されようとしている。マスコミが彼らの危険な体質を報じないのが、その最大の原因といえよう。
◇写真が記録した小池・安倍の親密な関係
安倍首相と小池氏の親密ぶりは、インターネットの検索で、写真を検索するとよく分かる。両者は、「改憲の同士」にほかならない。
【写真】冒頭写真の出典:東京スポーツ