1. 内閣官房の広報戦略推進官・田幸大輔氏が博報堂へ再就職、疑惑のプロジェクトに関与した高い可能性、博報堂へ「天下り」の実態(1)

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2017年02月08日 (水曜日)

内閣官房の広報戦略推進官・田幸大輔氏が博報堂へ再就職、疑惑のプロジェクトに関与した高い可能性、博報堂へ「天下り」の実態(1)

内閣府との不自然な取り引きが明らかになっている博報堂。
既報したように、内閣府のナンバー2にあたる審議官・阪本和道氏が博報堂に「天下り」していた事実が発覚したのを機に、筆者は追加の調査を行った。

その結果、内閣官房の広報室参事官補佐(広報戦略推進官)・田幸大輔氏が、退官のひと月後にあたる2014年5月1日付けで、博報堂に天下っていたことが分かった。匿名の通報を受け、証拠書面も入手した。

田幸氏が務めた広報戦略推進官は、まさに広報活動の指揮を取る立場にある。

これに対して内閣府は次のように説明する。

「田幸氏は内閣府ではなく、内閣官房の所属なので、無関係」

 内閣官房というのは、内閣総理大臣の直属機関である。そうであるなら、より問題は重大だ。

◇「田幸」から「阪本」へ

田幸氏が退官したのは、2014年3月31日。その翌日にあたる4月1日に、博報堂は内閣府との間で、「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広報実施業務等」と題するプロジェクトの契約を結んだ。つまり田幸氏は、契約に至る過程で業務に係わっているのである。そのひと月後に田幸氏は、博報堂へ天下りしたのである。

法的にはさまざまな解釈があるかも知れないが、実態としては完全な天下りである。博報堂側の担当者を特定する必要がある。

ちなみに「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広報実施業務等」のプロジェクトの実態については、2015年度のものを例に引きながら、メディア黒書で繰り返し報じてきたように、内閣府の裁量で湯水のように国家予算を博報堂に流し込むシステムである。しかも、「構想費」という名目で、内閣府の側が博報堂から、プロジェクトについてのアドバイスを「毎日のように」受けるという奇妙な構図になっている。

内閣府からは、2016年1月にも、阪本和道氏が博報堂に天下っている。阪本氏もやはり広報の仕事に従事した経歴を持つ。

ちなみに阪本氏の名前は、現在発売中の『週刊現代』が掲載している天下りリストにも入っている。それによると、退職金は6000万円。博報堂での地位は顧問である。

この他、同誌のリストには村木厚子氏の名前もある。博報堂が係わっていた郵政事件で逮捕され、「無罪請負人」の異名を持つ弘中惇一郎弁護士(自由人権協会)らの活躍で無罪になった人物である。この事件では、村木氏を調べた前田恒彦検事らが逆に逮捕され有罪になっている。不自然な点があるので、念のために再検証が必要かも知れない。【続く】

【写真】黒塗りで公開されたプロジェクトの博報堂の請求書。エクセルで作成されたとみられる。