1. 米国によるNATO拡大の実態、ソ連崩壊後に14か国が新たに加盟、西側報道に欠落したウクライナ戦争の客観的な事実

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2022年06月13日 (月曜日)

米国によるNATO拡大の実態、ソ連崩壊後に14か国が新たに加盟、西側報道に欠落したウクライナ戦争の客観的な事実

ウクライナ戦争の客観的な構図を検証してみた。この紛争を検証する際の最も根本的な部分である。大前提である。

1991年にソ連が崩壊した後、NATO(北大西洋条約機構) の拡大は、急激に進んできた。ソ連が崩壊した際に、ソ連はワルシャワ条約機構を解体し、米国はNATOを拡大しないことを約束した。しかし、米国はこの取り決めを守らなかった。

ソ連の崩壊時点におけるNATO加盟国は、次の16カ国だった。

米国、カナダ、英国、アイスランド、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、オランダ、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、ベルギー、ルクセンブルグ、ギリシャ、トルコ、

ソ連が崩壊した後、次の14カ国が加わった。

 ハンガリー、チェコ、ルーマニア、ブルガリア、ポーラインド、エストニア、スロバキア、スロベニア、ラトビア、リトアニア、モンテネグロ、アルバニア、クロアチア、北マケドニア

そして今またフィンランドとスェーデンの2か国が新たに加わろうとしている。米国がNATOを拡大したことは客観的な事実である。西側報道には、この肝心な部分が欠落している。

ウクライナ戦争の根本的な原因を作ったのは米国である。だからと言ってロシアがウクライナに対して軍事侵略してもいいことにはならないが、戦争を誘発したのはまぎれなく米国である。

西側報道には、プーチンの狂気が戦争の引き金になったとする論調が際立っている。しかし、これは歴史を動かす原動力が政治家個人の資質と考える観念論の歴史観である。ある種の英雄史観である。プーチン個人が失脚すれば、問題が解決するといった単純な発想がある。

しかし、プーチンが失脚しても、しなくてもNATOが拡大している客観的な事実に変わりはない。戦争の原因としては、むしろこちらの方が重い。ジャーナリズムは、政治家個人に対する記者の主観的な評価よりも、歴史上の客観的な事実をより重視すべだろう。