1. 米国とキューバ、第2回の国交回復会議がワシントンで始まる、争点は米国によるキューバの「テロ支援国家」認定の解除

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2015年02月28日 (土曜日)

米国とキューバ、第2回の国交回復会議がワシントンで始まる、争点は米国によるキューバの「テロ支援国家」認定の解除

 キューバの『プレンサ・ラティナー』紙(電子)の報道によると、米国とキューバの国交回復へ向けた2回目の会議が、ワシントンで現地時間の27日、午前9時から始まった。

これは1月22日にハバナで開かれた最初の会議に続くものである。

最大の争点は、米国がキューバに対して続けてきた「テロ支援国家」認定を解除するかどうかである。「テロ支援国家」認定が、50年にわたる経済封鎖の根拠になってきたからである。また、同じ理由で世界銀行(WB)などの金融機関から、融資が受けられない状態が続いてきたからだ。

しかし、米国は、国交回復交渉と「テロ支援国家」解除の問題は別とする立場を取っている。

二つ目の争点は、CISの金融部門が不在になっている問題をどう処理するのか、という点である。

【注】CIS (Cuban Interests Section、キューバの在外公館で1977年からワシントンに設置されている。一方、ハバナには米国の在外公館がある。将来は、それぞれキューバ大使館、米国大使館に生まれ変わる可能性が高い。)

さらに大使館を開いた場合に必要となる外交官の行動規則についても話し合われる見込み。

米国が国交正常化を進める方向へ歩み始めた背景には、1999年のベネズエラ革命を皮切りに、ラテンアメリカ諸国で次々と中道左派、あるいは左派の政権が誕生して、カストロ政権の孤立が解消し、南北アメリカの政治地図が塗り変わった事情がある。さらに中国などが、ラテンアメリカで経済的な影響力を強めている背景もありそうだ。

一方、米国の経済界もキューバに新市場を求めている。単にオバマ大統領の「善意」で国交回復へ動き始めたわけではない。