1. 『紙の爆弾』が「郵便不正事件の真相『不正DM』利用を手引きした『博報堂』」と題するルポを掲載

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2016年10月07日 (金曜日)

『紙の爆弾』が「郵便不正事件の真相『不正DM』利用を手引きした『博報堂』」と題するルポを掲載

7日に発売の『紙の爆弾』が、「郵便不正事件の真相『不正DM』利用を手引きした『博報堂』」と題するルポを掲載している。

郵便不正事件とは、「2009年に大阪地方検察庁特別捜査部が、障害者団体向けの郵便料金の割引制度の不正利用があったとして、障害者団体・厚生労働省・ダイレクトメール発行会社・広告代理店・郵便事業会社等の各関係者を摘発した郵便法違反・虚偽有印公文書作成事件」(ウィキペディア)である。

博報堂の関係者もDMの発行会社に対して営業を行った。現在、博報堂と係争中のアスカコーポレーション(本社・福岡市、以下、アスカ)も、DMの使用を勧誘されたという。名刺が残っている。この事件は、アスカの地元、福岡を中心に展開したのである。

ベスト電器をはじめとする多数の企業関係者のほか、博報堂エルグの執行役員も逮捕された。有印公文書偽造で厚生労働省の元局長・村木厚子氏らは逮捕後に無罪となり、逆に担当検事の前田恒彦氏らが最高検察庁に逮捕された。これも謎が多い事件だ。

結局、この事件は真相が完全に解明されないまま消えてしまった。

◇博報堂が繰り返し接待

これら一連の郵政事件と、現在、博報堂DYホールディングスに(広義の)天下りをしている元最高検察庁・「刑事部長の松田昇氏の関係をさまざまな人々の証言で検証したのが、『紙の爆弾』のルポである。

元最高検察が現役検察官に対して、どの程度の影響力を持っているのかは不明だが、国家公務員の天下りそのものがあるまじき行為である。厳密に禁止するのが原則だろう。検察の正常な機能をまひさせて、国民に害を及ぼす危険があるからだ。

博報堂DYホールディングスの有価証券報告書で確認できる松田氏の経歴は次ぎの通りである。

一連の郵政事件に関して、総務省は報告書を作成した。29ページ(下記、PDF参照)から郵政事件と博報堂の関係に言及している。その中で、郵政側の人物が博報堂から繰り返し接待を受けて、郵政4社のPR業務を独占する過程が記録されている。

その結果、次のような実態が生まれた。報告書から一部を引用しておこう。

「博報堂には民営化後の平成19年度の同グループの広告宣伝費約192億円(公社から承継された契約に係る部分を含む)のうち約154億円(全体の約80%)が、平成20年度の同247億円のうち約223億円(同約90%)が各支払われている」(同報告書)

■報告書の全文