2014年02月14日 (金曜日)
産経新聞の「押し紙」、古紙回収業者の荷受伝票によると四条畷販売所から10日間で11トンを回収、「押し紙」小屋も設置
「押し紙」(新聞の残紙、あるいは偽装部数)の実態を示す決定的な資料を紹介しよう。やや古い資料になるが、次のPDF(冒頭の画像)は、2001年8月21日から29日の間に、産経新聞四条畷販売所から、古紙回収業者・(株)ウエダが回収した「押し紙」の量を示す荷受伝票である。
■ウエダの伝票??
「新聞上」とは、朝刊を意味する。「新聞下」は夕刊を意味する。以下、数字を抜き書きしてみよう。
【8月21日】
朝刊:1500kg
夕刊: 510kg
【8月22日】
朝刊:2200kg
夕刊:1090kg
【8月28日】
朝刊:1550kg
夕刊: 540kg
【8月29日】
朝刊:2380kg
夕刊:1590kg
【合計】
朝刊:7630kg
夕刊:3730kg
合計:11、360kg (11・36トン)
約10日間で11トンもの「押し紙」が発生していたのである。実際、この店に搬入される新聞の4割から5割は、「押し紙」だった。
膨大な量の偽装部数を処理するために、店主は店舗の横に「押し紙」小屋を設置していた。作業場も、物置も、仮眠室も、そこら中が「押し紙」だらけになってしまい、小屋を設けたという。次から次へと押し寄せてくる新聞の中に埋もれてしまう危機に陥ったのである。
この店の元店主は、「押し紙」裁判(損害賠償)を起こしたが、裁判所は「押し紙」の買取を断った証拠がないとして、訴えを棄却した。
日本の司法当局は、この程度なのだ。新聞販売の現場に足を運んで実態調査をすれば、こうした異常な実態があることが分かり、司法の力で解決しなければならないことが判然とするはずだが、頭の中の理屈だけで判断して、「押し紙」問題を放置してきたのである。
新聞業界は、安倍内閣に新聞に対する軽減税率の適用を求めるに際して、こうした過去の大問題も検証すべきだろう。