2013年08月21日 (水曜日)

NTTドコモによる老人ホーム屋上の携帯基地局設置問題 加藤薫社長宛てに今度は住民らが個人的に内容証明を送付

NTTドコモが東京・目黒区の老人ホーム「グランダ八雲」(ベネッセ経営)の屋上に、携帯基地局を設置する計画を進めている問題で、周辺に住む住民3名は、17日、連名でNTTドコモの加藤薫社長に内容証明郵便を送付した。本サイトで既報したように、同地区の住民運動体である「携帯電話基地局設置に反対する八雲町住民の会」は、既に加藤社長に内容証明を送付している。

今回の動きは、住民個人がみずからの意思に基づいて行った抗議である。それだけ住民の間に、携帯電磁波に対する不安が広がっていることを印象ずける。

内容証明の内容は、NTTドコモに対して、説明会を開くこと、その上で住民の合意を得ること、基地局設置に際しては、公害の予防原則を重視することなどを求めたものである。(内容証明の全文は、文末に引用した。)

目黒区の基地局問題は、これまで指摘されなかった新しい問題をはらんでいる。 高齢者の人権という問題である。

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2013年08月20日 (火曜日)

SLAPPに対抗する方法、弁護士懲戒請求から2年半、進む司法の腐敗と劣化?

訴訟の性質がSLAPPとの見方で一致して、それを前提として、被告の支援が行われた裁判としては、オリコン訴訟が代表格である。被告は、元朝日新聞の記者で現在はフリージャーナリストとして活躍している烏賀陽弘道さんだった。烏賀陽さんは、みずから米国におけるSLAPPの状況を調査し、自分が被告にされた裁判もSLAPPに該当することに気付いた。SLAPPという言葉も、烏賀陽さんを支援する活動の中で日本全国に広がっていったのである。

国境なき時代に突入したことを考慮すると、本来、裁判官は海外の司法状況も把握しておかなければならないはずだが、その仕事をSLAPPの被害者にゆだねてしまったのである。職能の問題である。

オリコン訴訟の地裁判決(綿引穣裁判長)は、オリコンの勝訴だった。しかし、控訴審で烏賀陽さんに追い詰められたオリコンが訴訟を放棄するかたちで、裁判は終結した。

オリコン訴訟の次に起こったのが、わたしと読売の裁判である。従ってわたしを支援してくれた出版労連と出版ネッツ、15名を超える弁護団には、当初からSLAPPという認識があった。

本サイトで繰り返し報じたように、読売(渡邊恒雄)は2008年2月から1年半の間にわたしに対して、3件の裁判を起こした。請求額は、総計で約8000万円である。詳細は次の通りである。

■1 著作権裁判 ウエブサイトに掲載した読売の文書の削除を求めた裁判。地裁から最高裁まで黒薮の勝訴。

■2 名誉毀損裁判1 ウエブサイトに掲載した記事に対して損害賠償を求めた裁判。地裁、高裁は黒薮の勝訴。最高裁で読売が逆転。

■3 名誉毀損裁判2 『週刊新潮』に掲載した記事に対して損害賠償を求めた裁判。地裁から最高裁まで読売の勝訴。

これら一連の裁判には、司法制度の信頼にかかわる著しい特徴がある。2010年5月に『週刊新潮』の裁判で敗訴(地裁)するまでは、全ての裁判でわたしが勝訴してきた。しかし、この敗訴を境に、わたしが全敗に転じたのである。

しかも、めったに起こり得ないことが実際に起こった。それは名誉毀損裁判1における出来事だった。民事裁判の場合、地裁と高裁で勝訴した場合、その判決が最高裁で覆ることはめったにない。ところが最高裁は、読売を逆転勝訴させることを決定して、高裁へ判決を差し戻したのだ。

そして東京高裁の加藤新太郎裁判長がわたしに110万円の支払いを命じたのである。加藤新太郎裁判長について調査したところ、過去に少なくとも2回、読売新聞の地方版に登場(インタビュー)していたことが判明した。(この件については、現在、調査中である)

(参考:加藤裁判長が登場している読売サイト)

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2013年08月19日 (月曜日)

「原発フィクサー」訴訟、原告が裁判を取り下げて終結 進む司法の腐敗と劣化?

ジャーナリストの田中稔(『社会新報副編集長』)氏が、白川司郎氏から6700万円の損害賠償を請求されていた「原発フィクサー」裁判は、原告の白川氏が8月12日、東京地裁に対し裁判の取り下げを申し立てたのを受け、田中氏がそれに合意したことで結審した。19日には、白川氏の本人尋問が開かれる予定になっていたが、裁判が終わったことでそれも中止になった。

発端は、『週刊金曜日』誌上に田中氏が執筆した「『最後の大物フィクサー』白川司郎氏 東電原発利権に食い込む」と題する記事。

記事の中で田中氏が使った「フィクサー」、「利権に食い込んだ」などの表現が、白川氏の名誉を毀損したというのが、原告の主張だった。  ちなみに白川氏がターゲットにしたのは田中氏だけで、記事を掲載した『週刊金曜日』は訴外とした。編集部サイドに対する訴訟行為は控えて、記事の制作にかかわった一個人だけに的を絞って高額な賠償金を請求したのである。?? また、白川氏の代理人を務めたのは、第二東京弁護士会に所属する土屋東一弁護士(元検事)である。

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2013年08月16日 (金曜日)

「荻野晃也VSソフトバンク」電磁波をめぐる公開討論を申し入れ、長野県坂城町の住民グループがソフトバンクの基地局問題で

ディベート(debate)とは、あるテーマについて対立する見解を公衆の前で戦わせるイベントのことである。よく知られている例としては、米国の大統領選挙で、民主党候補と共和党候補が、ディベートを開催する。有権者はそれを参考にして、投票する候補を選ぶ。

現在、環境問題に関心を持っている人々にとって、最も注目に値するテーマのひとつに携帯電磁波を長期間にわたって被爆した場合に生じる人体影響をめぐる議論がある。

日本政府は、携帯電磁波を浴び続けても人体影響は生じないという立場から、電波防護指針を1000μW/c?という高い数値に設定している。

これに対して、ヨーロッパ諸国は、携帯電磁波の長期間的影響が否定できないとする立場から、電波防護指針を極めて低い数値に設定している。たとえば次の通りである。

UEの提言値:0.1μW/c?

ザルツブルグ市の目標値:0.0001μW/c?

日本の電話会社が日本の規準(1000μW/c?)に基づいて基地局の操業を続けていることは周知の事実である。もっとも、実際には1000μW/c?といった値が測定されることはありえないが。

こうした状況の下で、携帯電磁波は安全か、否かという興味深いディベートが、日本を代表する電磁波問題の研究者・荻野晃也氏とソフトバンクの間で、実現する可能性が浮上してきた。

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2013年08月15日 (木曜日)

老人ホーム「グランダ八雲」の基地局問題 施設を運営するベネッセは設置に反対

なぜ携帯基地局の設置場所として、老人ホームの屋上が候補地になるのだろうか。推測になるが、それは高齢者の多くに電磁波と健康被害についての知識がないことが多いからだ。また、反対運動を組織する体力に欠ける人が大半であるからだ。つまり弱者が狙われているのだ。

神戸市、世田谷区、そして本サイトで報じている目黒区で同じような問題が発生している。

携帯基地局からは、マイクロ波と呼ばれる電磁波(電波)が放出される。マイクロ波は、原発のガンマ線や医療現場のエックス線と同様に放射線の仲間である。出力が同じであれば、周波数が高いほど、破壊力がある。ガンマ線が恐れられ、エックス線に注意が促されるゆえんにほかならない。

が、マイクロ波については、その危険性が認識されていない。確かに、ガンマ線やエックス線のように強い遺伝子毒性はないが、これを延々と浴び続ければ、人的影響は避けられないのではという懸念が広がっている。ドイツなど海外の疫学調査では、基地局周辺で癌の発症率が高いという結果が確認されている。

1ヶ月や2ヶ月で影響が現れなくても、5年、10年とマイクロ波に被爆した場合は話が違う。体に影響が現れても不思議はない。

言うまでもなく、老人ホームでは高齢者たちが生活している。年齢を重ねるにつれて、外出の機会も減るので、ますます被曝のリスクは増える。

一般論から言えば、電磁波の強度は、アンテナの直下よりも、周辺の方が強い。しかし、街中にはビルが林立しているので、電磁波が反射することが頻繁で、どの位置で電磁波が最も強くなるかは、実際に測定してみなければ分からない。

もちろん基地局が立ったマンションの住民が深刻な健康被害を受けた例は実際にある。沖縄の新城医師の例である。

(参考記事:携帯電話基地局について)

 

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2013年08月14日 (水曜日)

緊急のお知らせ

緊急のお知らせ

先日、本サイトで発生していた不具合(会員読者が会員限定画面にログインしようとすると、契約期間が切れた旨の表示が現れて、ログインできない)の修正を完了しました。その後、読者の方からKOKUSYO宛てに、再度、同じ不具合が発生したとの連絡がありました。

会員読者の方は、会員限定画面にログインできるか否かを確認するようにお願いします。不具合が発生している場合は、お手数をかけますが下記までご連絡ください。

メール:xxmwg240@ybb.ne.jp

電話 :048?464?1413

本サイトの「お問い合わせ」欄の使用は、しばらく控えるようにお願いします。先日、送付されたメールが届いていないことが判明しました。 情報提供と連絡は次のメールへお願いします。

メール:xxmwg240@ybb.ne.jp

KOKUSYOに対してカンパしていただいた皆様には、ジャーナリズム活動支援に対してこの場でお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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2013年08月13日 (火曜日)

NTTドコモ、株主向け情報には、携帯電磁波のリスクを通知「電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません」

ある朝、ベランダに通じる戸を開けると、向かいのマンションの屋上に立った見慣れない棒状の物体が視界に飛び込んでくる。グロテスクな印象があるが、それを何であるかは分からない。そのうち頭の中でセミが鳴いているような感覚に襲われ始める。頭痛がする。夜中に目が覚めるようになる。

近くの主治医に足を運び、血液検査をしたり心電図を取るが何の異常もない。結局、単なる体調不良だと思い、そのまま放置してしまう。

こんな体験がある読者は少なからずいるのではないか。ようやくグロテスクな物体の正体が携帯電話の基地局であることや、携帯電磁波の影響で健康被害が多発していることを知り、電話会社に抗議の電話をするが、「国が定めた電波防護指針の規準を守ってやっています」とそっけなく言われる。これもいまや当たり前の光景になっている。

携帯基地局が新たに設置された地区の人々に、

「基地局が設置される前は、携帯電話が通じなかったのですか」

と、尋ねてみると、たいていは「通じていた」という返事がある。

それにもかかわらずなぜ、次々と基地局が新設されたり、既存の基地局に、住民に通知することもなく新たな機能が加えられるのだろうか。推測になるが、スマートフォンやワイヤレス・ブロードバンドの爆発的な普及がその背景にあるようだ。

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2013年08月12日 (月曜日)

頭痛、鼻血、視力低下…ついにガン発症、携帯電磁波の過敏症一家に聞く「平穏に暮らせない」被害の数々

パン職人の塩田永さん一家4人は、携帯基地局から発せられる電磁波によると思われる体調不良に悩まされ続け、携帯電磁波の「圏外」へ引っ越した。しかし、電磁波のシャワーを浴び続けていた家族のうち、奥さんの三枝子さんが昨年末、消化器系で癌を発症。携帯電磁波は2011年、IARC(国際癌研究機関)により「2B」(発癌の可能性あり)に認定され、三枝子さんは複雑な思いに駆られている。

永さんは両眼の激痛や吐き気に悩まされ、長男の素也さんは鼻血、長女の実杜さんは著しい視力の低下を体験したが、「圏外」へ逃れた後は劇的に回復した。見落とされがちな携帯電磁波による人体影響とは何なのか。「圏外」の消滅を狙う政府のIT戦略に、問題はないのか。長野県の山中にある塩田家を訪れ、4人に胸の内を語ってもらった。(続きはマイニュースジャパン)

 

 

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2013年08月09日 (金曜日)

携帯基地局の設置問題で目黒区八雲の住民が「住民の会」を結成、NTTドコモ・加藤薫社長らに内容証明  

東京目黒区にあるベネッセが経営する老人ホーム「グランダ八雲」の屋上にNTTドコモが携帯基地局を設置する計画に反対する住民運動は、新しい段階に入った。住民側は、8月5日、公式に携帯基地局の設置に反対する運動体「携帯電話基地局設置に反対する八雲町住民の会」を立ち上げた。

NTTドコモがお盆明けに、基地局の設置工事に着手すると通告してきたことに対抗して、「住民の会」は、8日、NTTドコモの加藤薫社長などに内容証明郵便で説明会の開催や住民の合意を得ずに工事を強行しないように申し入れた。

「住民の会」が内容証明を送付した団体は、次の通りである。

NTTドコモ

藤田商店(地権者で日本マクドナルドの創業者)

ベネッセ(ホームの経営社)

目黒区長

東京都知事

総務大臣

目黒区長の青木英二氏ら行政関係者に対しては、NTTドコモに対する指導を要請した。

このところ老人ホームの屋上に携帯基地局を設置しようとしてトラブルになるケースが相次いでいる。目黒区の他に、世田谷区や神戸市でも同じ問題が発生している。

老人ホームが狙われる背景には、基地局から得る賃貸料により、ホームの経営を効率化する方針があるようだ。また、高齢者が反対運動を組織することがなかなか難しい事情も、ターゲットにされる背景のようだ。

「住民の会」がNTTドコモ宛てに送った内容証明は次の通りである。

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2013年08月08日 (木曜日)

木村元昭裁判官が第2次真村裁判で下した判決にみる日本語の誤り 真村裁判再考?

第2次真村裁判の高裁判決を検証する作業を続けよう。意外に見過ごされがちだが、この判決には、日本語文法の誤りもある。それが原因で意味が曖昧になり、「おそらく、・・・・の意味だろう」と推測した上で、他の記述との整合性を考え、意味を組み取らざるを得ない箇所があるのだ。改めて言うまでもなく、判決文がどうにでも解釈できるようでは、さまざまな不都合が生じてくる。特に敗訴した側はたまったものではない。

日本語文法の誤りは、赤字で表示した次の箇所である。

被控訴人(読売)の指摘する黒薮の記事等には、別件訴訟における控訴人(真村)の主張のほか、被控訴人(読売)が、販売店に押し紙を押し付け、それが大きな問題となっていることなどが記載されているが、押し紙の事実を認めるに足りる証拠はなく、控訴人(真村)及び黒薮において、押し紙の存在が事実であると信じるにつき正当な理由がると認めるに足りる証拠もないかえって、控訴人は、平成13年には、現実には読者が存在しない26区という架空の配達区域を設けていたところ、これを被控訴人[読売]も了解していたと認めるに足りる証拠はない。)?

そうすると、控訴人において、被控訴人による違法不当な行為の存在を指摘することが容認される場合があるとしても、本件は、これに当たらないというべきである。?

??? そして、控訴人(真村)や控訴人代理人(江上弁護士ら)が、上記のような記事の執筆に利用されることを認識、容認しながら、黒薮の取材に応じ、情報や資料の提供を行ったことは明白であり、控訴人は、少なくとも、黒薮の上記記事等の掲載を幇助したというべきであるから、たとえ控訴人自身が、押し紙等の批判をウェブサイト等を通じて行ったものではないとしても、その情報や資料の提供自体が、被控訴人の名誉又は信用を害するというべきであり、本件販売店契約の更新拒絶における正当理由の一事情として考慮し得る 。

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2013年08月07日 (水曜日)

読売裁判を担当してきた福岡高裁の木村元昭裁判官が福岡家裁へ異動 真村裁判再考?

時事通信のニュースによると、福岡高裁の部総括判事で真村裁判や黒薮裁判など、読売関連の裁判を担当してきた木村元昭裁判官が、福岡家裁の所長に就任した。

福岡家裁所長(福岡高裁部総括判事)木村元昭▽福岡高裁部総括判事(那覇地裁所長)高野裕▽那覇地裁所長(那覇家裁所長)高麗邦彦▽那覇家裁所長(東京高裁判事)鶴岡稔彦(以上24日)定年退官(福岡家裁所長)榎下義康(23日)(了)

木村裁判官が、真村裁判でいかに物議をかもす判決を下してきたかは、本サイトで報じてきたとおりである。その裁判官が国費で運営されている福岡家裁のトップに座るとなれば、今後、福岡県民は家裁にトラブルの解決をゆだねることに躊躇(ちゅうちょ)を覚えるのではないか。この人事異動は、日本の司法制度の信用や尊厳にかかわる問題を孕んでいる。

繰り返しになるが、木村裁判官が真村裁判で下した判決で問題になっているのは、次の記述である。(熟知されている方は、スキップしてください。ただし赤字に注意

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2013年08月05日 (月曜日)

公共事業は諸悪の根源? 長良川河口堰に見る官僚の際限ないウソ

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

参院選で自民が圧勝しました。アベノミックス効果なのでしょう。でも、消費者物価が0.4%上がったとはいえ、中身は円安でエネルギー価格が上昇。電気・ガス料金に跳ね返っただけです。給料が上がらず、公共料金の高騰では、ますます家計はひっ迫します。

自民の選挙を支えたのは、既得権益を持つ強大な利権組織です。これから彼らは、大手を振って見返りを要求するでしょう。自民の多くの議員の言動を聞いても、これまで大借金を溜めてきたことや、原発を安全策を怠ったまま推進してきたことにも真摯な反省はありません。高市早苗政調会長の発言が、その典型です。

結果、消費税を上げても、また税収は既得権益層を潤す公共事業に注ぎ込まれます。家計が潤ってこそ、人々に買う意欲が芽生え、デフレ脱却の好循環が生まれます。でも、とてもそうなりそうにありません。来年の今頃、ますます物価は上がり、需要は落ち込む消費税不況に見舞われるのではないかと、私は恐れています。

そうならないためには、公共事業の大盤振る舞いをまず止めることです。官僚利権を排し、規制緩和で民間活力を強め、この国の経済を復活させる以外にないのです。

これまで3回にわたりこの欄で、多額の税金を注ぎ込み、官僚・政治家が利権目当てに進める大型公共事業の内実がいかなるものだったのか、私が解明しながら朝日が記事を止めたことで、読者・世間の皆さんに伝えることが出来なかった長良川河口堰事業の「真実」について書いてきました。今回はその4回目です。今回も、前回までのおさらいから始めます。

(参考:毎秒7500トンが流れた時のシミュレーション水位)

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2013年08月01日 (木曜日)

最高裁が受け付ける事件は年間で4000件超、3小法廷で処理できるのか? 

「最高裁判所における訴訟事件の状況」と題する最高裁による報告書によると、2010年度に受け付けた上告事件は2036件、上告受理事件は2485件である。

上告は、高裁の判決内容が日本国憲法の趣旨に合致していないと判断した時などに行うことができる。上告受理申立は、高裁の判決内容が既に存在する判例と乖離していると判断したときに行うことができる。

上告事件と上告受理申立の件数の総計は、2010年度の場合、4521件である。

周知のように最高裁には小法廷と大法廷があり、大半の事件は小法廷で処理される。小法廷は、第1から第3に分かれて、それぞれに4名から5名の判事が配属されている。

最高裁が1年間に受け付ける事件数が4000件を超え、小法廷の数はたったの3つ。読者はこれらの数字を前に、疑問を感じないだろうか。次の計算式で導きだされる数字は興味深い。

 4000件÷3=1333件

単純に計算するとひとつの小法廷が年間に1000件を優に超える事件を処理することになる。それぞれの事件について膨大なファイルが存在し、しかも、裁判はひとの人生を左右するわけだから、「速読」するわけにもいかない。ひとつひとつの記述を慎重に検証していかなければならない。それが最高裁判事という公務員の役割である。

しかし、常識的に考えて、最高裁に上告(あるいは、上告受理)された事件が、綿密に検証されているとは思えない。第一に、物理的に不可能ではないか。大半の事件が、判事の「めくら印」で終結している可能性が高い。

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