2014年03月03日 (月曜日)

国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」は、本当に信頼できるのか?

フランスに本部がある国境なき記者団が、2014年度の「報道の自由度ランキング」を発表した。

1位から20位までのランキングの中に、欧州と北欧の17カ国がランクインしている。

主なランキングは次の通りである。

1位:フィンランド

2位:オランダ

3位:ノルウェー

4位:ルクセンブルグ

5位:アンドラ

1位から5位は、前年のランキングそのままである。

46位:アメリカ合衆国

59位:日本

125位:グアテマラ

■全ランキング

新聞の印刷部数やHPへのアクセス、それに視聴率など、客観的に数値で測定できるものにランキングをつけるのであれば、それなりに有意義な情報になるが、果たして「言論の自由度」といった抽象的で、個人の主観に依存する要素が多いものを序列化できるのだろうか?疑問が多い。

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2014年02月28日 (金曜日)

警視庁神田警察署が編集者を逮捕 警察「暴走」の背景に新自由主義の破綻

編集者の三角忠さんが、20日に逮捕された。三角さんは、三一書房を退職したあと、編集工房・朔を経営し、精力的に社会問題を世に問う本を出版してきた。

また、救援連絡センター運営委員やユニオン東京合同副委員長などを務め、 秘密保護法に反対する運動にも熱心に取り組んできた。

27日の午前中、わたしは出版関係の友人たちと、三角さんが拘留されている警視庁神田警察署を訪れた。三角さんへの面談を申し入れると、面談者を3人に、面談時間を20分に限定した上で許可が下りた。面談には、このような条件が付けられる。しかも、1日に1回の面談に限られている。

神田署の接見室は6畳ほどの無機質な空間だ。透明なガラス壁で中央部が仕切られ、ガラス隔の両サイドに、それぞれ椅子が3脚設置されている。接見室に窓はなく、冷たいLDEの光が壁に反射している。

三角さんは、中央の椅子に腰を下ろし、われわれを待っていた。後ろには、警官が椅子に腰掛け、長い脚をだらしなく前方に伸ばして「監視」している。

三角さんの顔には疲れが現れていたが、話してみると、言葉はごく普通だった。

刑事事件の取材は、かならず「被害者」と「被疑者」の双方から、事情を聞き取らなければならない。逮捕の経緯を知るために、わたしは三角さんが所属する救援連絡センターから資料をもらい、関係者から話を聞いた。

一方、「被害者」の取材については、「被害者」の勤務先であるJR東日本に取材を申し入れた。しかし、同社は、電話をたらいまわしにしたあげく、取材を断ってきた。唯一、社員が口にした主張は、「暴力に対しては毅然として対処します」というものだった。

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2014年02月27日 (木曜日)

森ゆうこVS志岐武彦の裁判 訴状に匿名「X氏」で登場する人物がキーパーソンに


この裁判で最も重要な解明点のひとつに、検察が作成した小沢事件の捏造報告書を、だれがロシアのサーバーを使い、発信元を隠して、歌手で検察の「闇」を告発してきた八木啓代氏に流したのかという点である。この謎の中心にいるのがエンジニアで情報通のX氏という人物である。訴状にも実名を隠し、「X氏」で登場する。

とはいえ、いきなりX氏について述べても、初めてこの記事を読む読者には、事件の全体像が読み取れないはずだ。順を追って説明しよう。そもそもX氏とは何者で、どのような理由で、裁判のキーパーソンとして浮上したのだろうか?

◇すべては小沢起訴から始まった

事件の発端は、小沢一郎氏が2010年に東京第5検察審査会(以下、第5検審)の議決で起訴され、最終的には無罪になった件である。メディアでも大きく報道され、喜びを露呈した小沢氏の映像はわれわれの記憶に新しい。冒頭の画像は、小沢弁護団による会見である。

ところが第5検審の起訴議決には、当初から不可解な点があった。起訴議決を行った日が、小沢氏が立候補していた民主党代表選の投票日と重複したのだ。故意なのか、偶然なのか、いずれにしても不自然さを払拭できない。そのために、何者かが「小沢排除」をたくらみ、なんらかの裏工作を行ったのではないか、という噂が広がったのだ。特に小沢氏の支持者の間で、第5検審に対する漠然とした不信感が広がった。

ちなみに検察審査会は、「検察」という名前を付しているが、検察の組織ではなく、文字通り「検察」を「審査」する最高裁事務総局の機関である。

従って小沢氏の支援者らが抱いた不信感は、最高裁事務総局に向けられたものだった。

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2014年02月26日 (水曜日)

森ゆうこVS志岐武彦裁判 森側はX氏の陳述書作成へ 志岐側は小沢一郎氏の証人調べも視野に?

森ゆうこ元参議院議員が、『最高裁の罠』(K&Kプレス)の著者で、ブログ「一市民が斬る」の主宰者・志岐武彦氏を訴えた裁判の第3回口頭弁論が、25日の午後、東京地裁で開かれた。同じ法廷で、ほぼ同じ時刻に別の裁判が予定されていたこともあって、30名を超える傍聴者が席を占めた。

原告の森氏は出廷しなかった。原告席には小倉秀夫弁護士、被告席には山下幸夫弁護士と志岐氏の姿があった。

(注:事件の経緯については、記事末の資料を参照にしてください。)

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2014年02月24日 (月曜日)

情報通信政策に見る政府・官庁・財界の癒着 構造改革(新自由主義)=脱官僚支配のウソ

次に示すのは、安倍内閣の下で総務省に設置された「電波政策ビジョン懇話会」の構成員一覧である。

■「電波政策ビジョン懇話会」構成員一覧 

最も異様なのは、企業や業界団体の面々が名を連ねていることである。つまり選挙で選ばれたわけでもない企業人が望む政策が、直に政策決定に反映する仕組みが機能しているのだ。

驚くべきことに経団連の常務理事・椋田哲史氏も構成員になっている。改めていうまでもなく、経団連は財界人の集まりである。

■経団連の役員一覧 ?

また、情報通信ネットワーク産業協会専務理事の大木一夫氏も、構成員になっている。ちなみに同協会の役員構成は次の通りである。

■「情報通信ネットワーク産業協会」構成員一覧

他にも野村総合研究所、三菱総合研究所、日本総合研究所などの関係者が名を連ねている。

さらに興味深いことに、日経新聞の論説委員までがメンバーに加わっている。おそらくこれは「広報」の役割を果たしてもらうための措置ではないか。皮肉にも、日経の論説委員が独立したジャーナリストと見なされていない証である。

日本の権力構造を、内閣府や省庁に設置される各種の審議会・委員会などを検証することで部分的に解剖すると、極めて前近代的で、議会制民主主義の理念に反した側面が露呈する。

委員は、選挙で国民の信任を得ているわけではない。政治家や官僚の裁量で選出されているのだ。

ちなみに「電波政策ビジョン懇話会」の他に、総務省には、情報通信審議会も設置されている。委員は次の通りである。読売新聞の知野恵子氏の名もある。

■情報通信審議会の委員

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2014年02月21日 (金曜日)

最高裁が(株)NTTデータに、裁判員候補者名簿管理システムの開発と保守名目で2億4300万円を支出 相場は700万円?

筆者が裁判員制度に関する支出について調べたところ、2009年1月、最高裁が裁判員候補者名簿管理システムの開発・保守費として、(株)NTTデータに対し、総計で約2億4300万円の大金を支払った疑惑があることが分かった。支出の詳細は次の通りである。

■裁判員候補者名簿管理システムの開発:190,995,000円

■裁判員候補者名簿管理システム開発のアプリケーション保守:51,975,000円?

「疑惑」と書いたのは、上記の数字を裏付ける資料が(株)NTTデータが最高裁に送った請求書であるからだ。請求書であるから、額面どおりに支出した絶対的な確証はないが、通常、公的機関に対する請求書は、事前合意の上で送付されるので、実際に最高裁が約2億4300万円を支出した可能性は極めて高い。

この約2億4300万円という数字をどう評価すべきだろうか。

比較対象として、森ゆうこ元参議院が作成した「検察審査会調査報告書」と題する資料を紹介しよう。作成日は、2011年6月30日。この資料に検察審査会のクジ引きソフトを開発・保守するための費用として、最高裁(注:検察審査会は最高裁が管轄している)が支払った次の額が表示されている。

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2014年02月20日 (木曜日)

公共事業は諸悪の根源 ジャーナリズムでなくなった朝日 その8 (後編)

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

◇初耳、地方版紙面委員

◇箱島社長に「人事案件の不同意」を送付

◇朝日の取締役会が決定した差別人事

◇闘うジャーナリズムへの報復?窓際族へ

案の定、箱島社長からは何の返事もありませんでした。直接見た訳ではないので真偽のほどは分かりませんが、「箱島氏は『忙しい社長に、こんな長文を送ってくるなんて……』と、社長室の応接テーブルに私からの文書をたたきつけた」と、後日、周辺から聞きました。

それでも社長側近の一人が「この件は社長に代わって、私が話をしたい」と、私に電話してきました。しかし、その後、待てど暮らせど、なしのつぶてでした。

箱島社長の答がない以上、とるべき手段は、内部告発しかありません。でも、私にさえ、まともに答えられないのが、朝日の幹部です。この問題が週刊誌などに取り上げられ、正面から世間の批判を浴びたら、どうなるか。私は不安でした。

というのも、当時、小泉純一郎政権が全盛を迎えていたからでした。私は政治記者時代、まだ奇人変人扱いされていた頃の小泉氏に何回か直接会い、取材したことがあります。歯に衣を着せぬ官庁批判、行政改革の姿勢に強い共感を覚えました。

しかし、首相になり、人気は急上昇。靖国参拝で、憲法9条などの改憲論議が急速に盛り上がっていました。それまで私は、親しくなった小泉氏から、たとえ雑談でも「靖国」や熱心な「親米」は、聞いたことはありませんでした。

郵政民営化を進めるには、自民党の旧来の支持者の応援が不可欠です。小泉氏のことだから、異端児のイメージを拭い去り、保守層の支持を盤石にするために突然、熱心な靖国参拝論者に衣替えしたのではないか…、「どうせ小泉劇場の一環」と、タカをくくっていました。

でも、時として為政者の思惑をも超えて、時代は進んでしまうものです。官庁を握った者の独裁、官庁批判を旗印にした独裁…。「官庁を握った者の独裁」がここまで無駄な公共事業を拡大させた元凶です。でも、官庁、政党の腐敗を批判して権力を握った者の独裁が、いかに国民を不幸に陥れたかは、ナチス、日本の軍部など、過去の歴史を見れば明らかです。どちらの独裁も、世の中を危うくする前兆です。

そんなご時世に、私が朝日の内情を暴露。読者の信頼をこれ以上失っては、「護憲」対「改憲」という、この国の言論バランスを根本から崩しかねません。私は朝日を旧社会党のようにするのが怖かったのです。本来、誰が心配すべき問題か…。でも、保身と派閥抗争にうつつを抜かす社長・幹部が何も考えていない以上、自分で心配するしかありませんでした。

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