2015年09月25日 (金曜日)

小渕優子前経済産業大臣が不起訴に、政治家の権力抗争の「道具」としての検察審査会制度

【サマリー】小渕優子前経済産業大臣の政治資金を巡る事件で、検察審査会は「不起訴相当」を議決した。これにより小渕氏は、法廷に立つことなく潔白の身となった。

今回、この決定を下した検察審査会制度とは、どのような制度なのか。結論を先に言えば、それは政治家の権力抗争の「道具」となっている。過去には、小沢一郎氏や鳩山由紀夫氏らが、検察審査会で裁かれたり、逆に救済されたりしている。

まやかしの検察審査会制度とは何かを概要する。

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2015年09月22日 (火曜日)

パブロ・ネルーダ没後42年、チリの軍事クーデターを予知していた詩人

9月23日は、チリの詩人パブロ・ネルーダの没42周年である。ネルーダは1973年9月11日に軍事クーデターが起こったのち、持病の癌を悪化させ、軍靴に血塗られていく祖国を見ながら生涯をとじた。

1904年7月12日生まれ。内戦下のスペインへ外交官として赴任していた時代、1934年、スペイン人民戦線を支援して職を解任された。代表作に、『大いなる歌』などがある。1970年にノーベル文学賞を受賞した。

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2015年09月21日 (月曜日)

『小説 新聞社販売局』が描いた「押し紙」や「裏金づくり」の実態、元新聞記者が販売局の実態を内部告発

新聞社を舞台にした小説は特にめずらしくはないが、新聞社の販売局を舞台として、しかも詐欺まがいの新聞拡販や「押し紙」、それに補助金を捻出するための裏金づくりなどの実態をあからさまに描いた小説が、単行本として世に出たのは初めてではないか。

著者は元新聞記者である。

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2015年09月18日 (金曜日)

安保関連法の狙いは何か? ラテンアメリカに見る海外派兵と多国籍企業の関係

【サマリー】チリの軍事クーデターから42年が過ぎた。このクーデターに象徴されるように米軍やCIAによる暴力的策動の背景には、常に多国籍企業の権益がある。グローバリゼーションが進行するなかで安保関連法は、日米共同で多国籍企業の権益を守るための体制づくりの法的根拠となる。

ラテンアメリカの同時史から、マスコミが報じない安保関連法の本当の目的を想定する。

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2015年09月17日 (木曜日)

「押し紙」70年⑩、「押し紙」隠しの手口を暴いた真村裁判・福岡高裁判決

【サマリー】真村裁判の意義は、「押し紙」隠しの手口を暴いたことである。この裁判は新聞販売店主が起こした地位保全の裁判であるにもかかわらず、なぜ、「押し紙」問題が争点になったのかを解説する。

福岡高裁判決は読売の体質を、「しかしながら、新聞販売店が虚偽報告をする背景には、ひたすら増紙を求め、減紙を極端に嫌う一審被告の方針があり、それは一審被告の体質にさえなっているといっても過言ではない程である」と認定した。

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2015年09月16日 (水曜日)

小池晃議員が暴露した統合幕僚監部が作成した資料の情報公開請求、防衛大臣が決定期間を30日延長、

【サマリー】防衛省に対して申し立てていた内部資料の開示請求に対する回答が15日に届いた。結果は、決定期間を30日延長するというものだった。わたしが開示請求した文書は、共産党の小池晃議員が国会で取り上げた統合幕僚監部が作成した資料である。

タイトルは「日米防衛協力指針(ガイドライン)および安全保障関連法案を受けた今後の方向性」。

この資料の存在は、防衛省も認めているうえに、すでに小池氏により公にされているわけだから、決定期間を延長する正当な理由はないはずだが・・・

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2015年09月15日 (火曜日)

「押し紙」70年⑨、人権問題としての読売の真村事件と真村裁判、裁判所は読売による「押し紙」を認定したが・・・

【サマリー】 「押し紙」問題を考えるうえで、無視する事ができないのが、真村裁判である。判決の中で裁判所は、新聞社による「押し紙」行為をはじめて認定した。実質的に読売による優越的地位の濫用を認定したのである。

この真村裁判から派生した裁判は、少なくとも7件起きている。これらの裁判に読売の代理人として常にかかわってきたのが、喜田村洋一・自由人権協会代表理事である。

真村裁判の全容を伝える連載(1) ・・・。

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2015年09月14日 (月曜日)

常総市の水害報道の裏で進む安保関連法案の報道自粛

【サマリー】茨城県常総市の水害にマスコミ報道が集中している裏側で、安保関連法案の成立が刻々と近づいている。連日、国会議事堂前をはじめ全国で安保関連法案に反対する活動が展開されているが、マスコミはそれをほとんど報じない。

その原因を突き詰めていくと、メディア企業の経営上の汚点が要因になっているようだ。新聞に対する軽減税率適用問題。「押し紙」問題。再版制度を巡る問題。粉飾決算の問題・・・・。

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2015年09月10日 (木曜日)

歌手で作家の八木啓代氏が志岐武彦氏に訴えられた裁判と、黒薮が八木氏に訴えられた裁判の関係はどうなっているのか?

【サマリー】志岐武彦氏が、歌手で作家の八木啓代氏に対して、東京地裁で起こした名誉毀損裁判(請求は200万円)が、9日、結審した。判決は、11月25日に言い渡される。実はこの裁判には、関連する4件の裁判がある。元国会議員・森裕子氏が起こした裁判を起点として、複数の裁判が起こされ、このうちに2件がいまも進行している。

このうちの1件にわたしも被告として巻き込まれている。その中には、言論表現の自由にかかわる重大なテーマ--記事を執筆した際に、特定の取材内容を入れなかったことが名誉毀損にあたるかどうか?--も含まれている。4つ裁判の関係がどうなっているのかを解説した。

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2015年09月09日 (水曜日)

日本は米国憲法を持つ国になったのか、改めて法的安定性を問う

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

安倍政権の本質が、丸見えになればなるほど、安保法制を何としてでも今国会で成立させてしまおうと、躍起になっている。憲法の「法的安定性」の議論は、最近下火になっているが、この国の主権者は誰なのか。それだけ考えても、安倍政権は憲法の法的安定性を守るつもりがないことは明らかだ。

しかし、それ以上に安保法制が成立したなら、日本の自衛隊は、国民の意思と関係なく、米国の軍事戦略に組み込まれ世界で活動する軍隊となる。つまり、日本から憲法9条の指し示す「法的安定性」を失い、実質、米国憲法を持つ国になる。安保法制強行採決を目前とするこの時期だからこそ、安倍首相が憲法の「法的安定性を維持する」と言うなら、安保法制を廃案にすることを改めて求める。

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2015年09月08日 (火曜日)

共産党が指摘した自衛隊内部文書「統幕長訪米時の(ママ)おける会談の結果概要について」をネット公開、日米両軍の合体に向けた計画の存在を暴露

【サマリー】日米両軍の合体に向けた計画が着々と進んでいる。 共産党の仁比聡平議員はそれを裏付ける自衛隊の内部文書を国会で暴露した。タイトルは「統幕長訪米時の(ママ)おける会談の結果概要について」。「黒書」はこの文書を入手し、公開に踏み切った。

この内部文書は、会話形式のもので、たとえばワーク国防副長官は河野統幕長に対して、「ガイドラインの見直し作業は進展しており、私だけでなくヘーゲル長官や我々の政治チームも10月の中間報告には満足している。現在は4月の作業完了を期待している」などと述べている。

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2015年09月07日 (月曜日)

都市部は「電磁波地獄」、東京練馬区の住民らが携帯電話基地局の点在状況を示す地図を作成、約2キロ×2キロの範囲に約60基

【サマリー】練馬区で基地局の設置に反対する住民らが、基地局の設置状況をビジュアルに示す地図を作成した。それによると約2キロ×2キロの範囲に、少なくとも58基もの基地局が設置されていることが分かった。本当に新しい基地局が必要なのかを検証するための資料になりそうだ。

最近の基地局問題の特徴として、基地局の設置場所を提供する地権者がトラブルに巻き込まれていることである。地権者になることは、賃料収入を得られる反面、健康被害に対する損害賠償裁判の被告にされた場合、たとえ勝訴しても大きなリスクを背負うことになる。

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2015年09月04日 (金曜日)

「仕掛け人」の世代交代、小沢一郎氏から橋下徹氏へ、野党再編の茶番劇20年の中身とは?

【サマリー】野党再編の仕掛け人が、小沢一郎氏から橋下徹氏に交代しようとしている。これまで野党再編の場に常に登場してきたのが小沢氏である。小沢氏は自民党政治に不満を持つ人々の受け皿になりながら、政策の中身は自民党と基本的に変わらない構造改革=新自由主義の路線を支持してきた人物である。

安倍政権が危機に立たされるなか、同じような役割を担って登場してきたのが橋下徹氏である。しかし、橋下新党は、自民党に不満を持つ有権者の受け皿となっても、中身は基本的に同じだ。結局、自民党延命装置として機能する可能性が高い。

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