世論誘導の危険、三重大学・児玉克哉副学長による裏付けがない参院選議席獲得の予想
7月の参院選で予想される各党の獲得議席数を推測する記事が、早くも掲載されるようになった。たとえば三重大学副学長の児玉克哉氏は、Yahooニュースで、自民党の圧勝を予測している。タイトルは、「参議院選挙の予想~自民党単独過半数、自公おおさかで3分の2を確保」。
7月の参院選で予想される各党の獲得議席数を推測する記事が、早くも掲載されるようになった。たとえば三重大学副学長の児玉克哉氏は、Yahooニュースで、自民党の圧勝を予測している。タイトルは、「参議院選挙の予想~自民党単独過半数、自公おおさかで3分の2を確保」。
日本の政治家が劣化しているひとつの原因が世襲にあるのではないかと言われて久しい。世襲議員だから必ずしも能力が低いとは限らないが、そういう傾向があることは否めない。
日本では政治家の世襲は、あまり批判の対象にはならない。北朝鮮の金王朝を批判するひとはいても、日本の世襲政治家、たとえば麻生太郎氏に同じ視線を向けるひとはまずいない。
旧日本軍が朝鮮半島で引き起こした戦争犯罪-「慰安婦」問題の解決を求める弁護士の有志36名が、昨年の12月30日に声明を発表した。これは慰安婦問題の日韓合意を受けて開かれた両国の外相による共同記者会見に反応したもので、合意内容を厳しく批判する内容になっている。
2015年12月28日 (月曜日)
新聞に対する消費税の軽減税率適用が決まった。軽減される負担額、すなわち新聞を読まない国民が別途負担することになる額は、筆者試算で少なくとも360億円。このうち、最も熱心に取り組んできた公明党の支持母体(創価学会)が発行する『聖教新聞』は約23億円を免除される。
ここに至る道筋をマスコミが報じなかったため急遽決定した印象があるが、水面下では新聞業界による自民・公明への政治献金と選挙支援によって綿密な政界工作が行われていた。しかも、運動の獲得目標は8%の軽減ではなく「5%への引き下げ」だった。
政界工作の中心になったのは日販協(日本新聞販売協会)で、2014年度だけで約927万円を、高市早苗、丹羽雄哉、漆原良夫ら130名ほどの議員に献金。同年の衆院選では議員推薦も行った。新聞社が公権力に経営上の弱点や汚点を握られることでジャーナリズムが機能しなくなるのは自明だ。軽減税率適用に至るまでの、職業倫理を放棄して利権を貪った下劣な新聞業界の裏側を報告する。【続きはMyNewsJapan】
2015年12月24日 (木曜日)
「小沢一郎氏を裁いた検察審査会は、実は開かれていなかった」とする推論を『最高裁の黒い闇』 (鹿砦社)の中で記述した市民運動家の志岐武彦氏が、その推論の裏付けとなる7つの根拠を、ビデオ・カメラを前に説明した。
小沢審査(東京第5検察審査会)は2010年9月に小沢氏に対して起訴相当議決を下した。これにより小沢氏は、刑事裁判の法廷に立たされた。
12月9日に「最高裁をただす会」(志岐武彦代表)は、フリージャーナリストで元朝日新聞記者の吉竹幸則氏を講師に、裁判の実態について考える学習会を開いた。同会は講演をYouTubeに収録した。
吉竹氏は、朝日新聞の記者だった1990年ごろ、現在では国費のばらまきとして悪名だかい評価が定着した長良川河口堰の改修工事の実態をいちはやく取材した。公共事業による税金の無駄づかいを厳しく批判した。
しかし、朝日新聞社の上層部は、この問題に関する大半の記事を差し止めたあげく、吉竹氏を記者職からはずし、最後はいわゆる「ぶらきん」で定年をむかえさせた。労組もなんの支援もしなかった。
読売新聞西部本社の江崎徹志法務室長が、喜田村洋一・自由人権協会代表理事を代理人として、わたしに対して著作権裁判を起こして8年が過ぎた。「戦後検証」は、係争の発端から8年目に入る。2007年12月21日、江崎氏はEメールでわたしに対してある催告書を送りつけてきた。(判決文、弁護士懲戒請求・準備書面のダウンロード可)
虚偽の記事により韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を傷つけたとして起訴された産経新聞の前ソウル支局長(49)の加藤達也氏に対して、ソウル中央裁判所は、17日、無罪の判決を言い渡した。
判決そのものは真っ当で、当然の結果であるが、裁判の中で、韓国の司法制度の未熟さを国際的に露呈する取り返しのつかない珍事が発生した。改めていうまでもなく、韓国外務省が「産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)の裁判に関し、検察を通じて裁判所に対し、日韓関係などを考慮し善処するよう要請した」ことである。
2015年10月度のABC部数を紹介しよう。新聞の長期低落傾向に歯止めがかかる気配はない。この1年間で朝日、読売、毎日、産経、日経の中央紙5紙は、総計で発行部数を約72万部減らしている。
一方、地方紙・ブロック紙、それにABC調査の対象となっている若干の子供新聞や英字紙などは、総計で約25万部を失った。つまり1年の間に日本全体では、約100万部の新聞が減ったことになる。
中堅規模の地方紙が3社ほど姿を消した計算になる。文化のにない手、あるいはニュースの提供源が紙メディアから電子メディアにシフトチェンジしている現象を反映している。
朝日、読売、毎日の部数変動は次の通りである。()内は対前年同月差。
2015年12月16日 (水曜日)
市民運動家の志岐武彦氏が歌手で作家の八木啓代氏に対して起こした名誉毀損裁判が東京高裁へ舞台を移すことが確実になった。地裁で敗訴した八木氏が控訴したのを受けて、志岐氏も控訴を決めた。高裁での争点は、名誉毀損の認定をめぐる抗弁に加えて、八木氏が命じられた賠償額10万円の妥当性になりそうだ。
地裁判決のうち判決文の本文はすでに紹介したが、その後半、八木氏による具体的なツイートを裁判所がどう見たかを示す一覧を紹介しよう。判決文の記述部分も再掲載する。
最近、世界文学の新訳が相次いで刊行されている。しかし、新しい訳がかならずしも旧訳よりも優れているとは限らない。少なくともわたしが見る限り、訳文の質がかつてよりもはるかに落ちているケースが増えている。
コレットの『青い麦』における詩人・堀口大学訳(新潮文庫)と他の翻訳書を比較すると、前者がプロで、後者は小学生ぐらいのレベルしかない。両者の読み比べは、日本語の表現力とはなにかを知るうえで最も効率的な手段にほかならない。
この問題に関しては、以前、メディア黒書でも、モームの『月と六ペンス』(新潮文庫)の中野好夫訳の「後継者」を例に、この珍事で残念な現象を紹介したことがある。
今回取り上げるのは、『怒りの葡萄』(新潮文庫)である。正直なところ新訳は文章の質が悪くて読む気がしなかった。
2015年12月14日 (月曜日)
自民党と公明党が生鮮食品と加工食品に対する軽減税率の適応で合意したとメディアが報じている。一連の報道に接していると、軽減税率の適用が検討されてきたのは食料品だけで、他には対象品目がないかのような印象を受ける。
しかし、実は新聞と書籍も検討対象になってきた。その表向きの理由は、新聞関係者らによるこれまでの言動からすると、新聞と書籍は文化と知的水準の維持にかかわる問題であるからという主張である。
ところが主要メディアは、新聞・書籍への軽減税率適用について、自民党と公明党の間でどのような話し合いが行われたのかは、ほとんど報じていない。報じたのは主にウエブサイトである。
ウエブサイト・LITERAによると「昨日(12月10日)、TBSと日本テレビがようやく“新聞も軽減税率の範囲内になる”と報じたが、新聞は一切報じなかった」という。毎日新聞も「政府関係者が10日夜、『新聞、書籍への適用を考えている』と東京都内で記者団に語った」という。
このうち新聞に関しては、早々と軽減税率の適用が決まっていたとする見方が有力だ。食品よりもはるかにはやく決着していたと見て間違いない。
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