1. 「押し紙」の実態

「押し紙」の実態に関連する記事

2017年09月22日 (金曜日)

【動画】新聞没落、「押し紙」と一緒に廃棄される(株)ユニクロの折込広告、新聞人による内部告発

「折り込め詐欺」とは、折込広告の水増し行為である。たとえば新聞を2000部しか配達していない新聞販売店に、3000枚の折込広告を割り当てれば、1000枚が過剰になる。この1000枚についても、料金を徴収する。これが「折り込め詐欺」だ。念を押すまでもなく広告主に対する明らかな詐欺である。

広告代理店が広告主と商談する際に、「もっと折り込め」「もっと折り込め」と調子よく繰り返して、折込広告を水増し状態にもっていくので、「折り込め詐欺」と呼ばれるのだ。高齢者を狙った「振り込め詐欺」とは異なり、「折り込め詐欺」については、警察もNHKも注意を呼びかけていない。

しかし、近々にある広告主が損害賠償を請求する裁判を起こすという噂もある。

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2017年09月14日 (木曜日)

新聞没落、1販売店から月間30トンの「押し紙」、「折り込め詐欺」の発覚でクライアントが折込広告に見切りか?

「折り込め詐欺」とは、新聞の折込広告の水増し行為のことである。たとえば新聞を1000部しか配達していない新聞販売店に、(1種類につき)1500枚の折込広告を搬入すれば、500枚が未配達になる。この500枚についても手数料を徴収する。このような工作が「折り込め詐欺」である。

大半の新聞社は、新聞販売店に対して実配部数をはるかに上回る部数(「押し紙」)を搬入するので、「折り込め詐欺」は半ば日常化してきた。いわば新聞のビジネスモデルに組み込まれてきたのである。

次に示すのは、産経新聞・四条畷販売所から入手した古紙(「押し紙」)回収業者の伝票(2001年8月21日~29日)である。「押し紙」の回収量を㎏で表示している。古い資料だが、これを見れば「押し紙」の量がいかに凄まじく、それに連動する「折り込め詐欺」もいかに深刻だったかが分かる。

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2017年08月21日 (月曜日)

新聞崩壊、17年度上期のABC部数、朝日は1年で33万部減、読売は約19万部減、増えたのは4紙のみ

2017年上期のABC部数(1月~6月の平均部数)が明らかになった。新聞部数の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。

中央紙について言えば、朝日新聞は約630万部、読売新聞は約880万部、毎日新聞は約300万部となった。前年の同期比でみると、朝日は約-33万部、読売は約-19万部、毎日は約-8万部となった。

朝日新聞 6,258,582(-325,208)
毎日新聞 3,016,502(-77,111)
読売新聞 8,830,415(-186,823)
日経新聞 2,718,263(-12,331)
産経新聞 1,555,261(-24,420)

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2017年08月01日 (火曜日)

毎日新聞の2店、「押し紙」70%の決定的証拠、実際の全国総部数は150万部前後か?

読者にとっては、にわかに信じがたい数字かも知れない。ある新聞販売店に搬入される新聞の約70%が「押し紙」だった事実を示す決定的な書面を紹介しよう。毎日新聞の資料で、2007年のものである。10年前には、すでに大量の「押し紙」があった証拠である。

紹介する書面は、毎日新聞の蛍ヶ池店(池田市)と豊中店(豊中市)の2店を経営していた故高屋肇氏からあずかった資料の一部である。

冒頭の書面(次ページ)は、2007年(平成19年)に、高屋氏が蛍ヶ池店と豊中店を廃業した際に、毎日新聞社と交わした書面である。書面に示された部数が、後任者に引き継がれた。

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2017年07月31日 (月曜日)

【動画】「もったいないキャンペーン」の毎日新聞、自らの足下「押し紙」回収現場を撮影される、池上彰氏ら「開かれた新聞委員会」は「押し紙」問題に沈黙

このところ「押し紙」回収の現場がビデオで秘密裏に撮影されるケースが増えている。これは「押し紙」問題が一般市民の間に浸透してきた証にほかならない。インターネット上に、毎日新聞の「押し紙」回収を撮影した画像がアップされている。

メディア黒書で既報したように、毎日新聞の部数は、4月から5月にかけて約4万6000部減っている。このペースで減部数を続けると、年間で約55万部減ることになる。

かつて同社は、「もったいないキャンペーン」を展開しており、「押し紙」問題との矛盾を指摘されてきた。

【参考記事】いよいよ危ない毎日新聞、ひと月で4万6000部減、試算で年間55万部減、産経は1,2年で倒産の危機、5月のABC部数

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2017年07月11日 (火曜日)

いよいよ危ない毎日新聞、ひと月で4万6000部減、試算で年間55万部減、産経は1,2年で倒産の危機、5月のABC部数

2017年5月度のABC部数が明らかになった。それによると、朝日新聞が前年同月比で約32万部の減部数、読売新聞が約20万部の減部数となった。朝日・読売の2大紙の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。

一方、ゆるやかな没落傾向にあった毎日新聞と産経新聞も、ここひと月で大きく部数を減らしている。前月比で、毎日は約4万6000部を減らし、産経は約7万4000部を減らした。この数字を12倍して1年に試算すると、それぞれ55万2000部の減、88万8000部の減ということになる。両社の経営規模からすれば、極めて深刻な実態といえるだろう。

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2017年06月14日 (水曜日)

読売の部数は3年半で約110万部減、朝日は130万部、京都新聞社5社分の部数に匹敵、読売に懸念される加計学園事件の影響

4月のABC部数(新聞各社の公称部数)が明らかになった。新聞の凋落傾向には依然として歯止めがかかっていない。

この1年間で、読売は約19万部を減らした。ただし、この数字は「政府広報」の汚名をきせられる前の数字である。この件とは関係がない。

朝日は約36万部を減らした。朝日の方が読売よりも、部数減が激しいことを示している。

中央紙5紙のABC部数は次の通りである。()内は前年同月比である。

朝日:6,243,218(-363,344)
毎日:3,050,253( -65,179)
読売:8,811,732(-187,057)
日経:2,716,463( -14,309)
産経:1,594,855( -38,972)

全国の地方紙のABC部数は次の通りである。

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2017年05月30日 (火曜日)

日本ジャーナリスト会議(JCJ)が「押し紙」問題で黒薮にインタビュー

日本ジャーナリスト会議(JCJ)の機関誌(5月25日付け)に、筆者に対するインタビューが掲載されている。タイトルは、「『押し紙』国会で35年ぶりに議論」。

「押し紙」をめぐる最近の動きについて、質問に答えたものである。経済産業省や公正取引委員会が、凄まじい「押し紙」の実態を知りながら、それを放置することで、メディアコントロールに利用していることなどを説明している。

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2017年05月17日 (水曜日)

ドイツ通信社が「押し紙」問題の英文記事を世界に配信、日本の新聞ジャーナリズムとの温度差が顕著に

ドイツ通信社が「押し紙」問題の英文記事を配信した。英文記者・神林毅彦氏の執筆である。

■ドイツ通信の配信記事

内容は3月30日に共産党の清水忠史議員が、衆議院の消費者問題特別委員会で行った「押し紙」についての質疑内容の紹介、マイニュースジャパンが暴露した朝日新聞の「押し紙」の実態、毎日新聞の「押し紙」を示す決定的な証拠資料「朝刊 発証数の推移」の紹介などである。

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2017年05月10日 (水曜日)

今月末に筆者(黒薮)の新刊『新聞の凋落と「押し紙」』が発売に

今月末に筆者(黒薮)の新刊『新聞の凋落と「押し紙」』(花伝社)が発売される。これは新聞をテーマとした7冊目の本である。

この本では、「押し紙」の最新情報を紹介した。
また、新しい2つのテーマを扱った。

まず、第一に「押し紙」の正しい定義である。現在は、「新聞社が販売店に強制的に買い取りを求める新聞」という定義が普及している。しかし、公正取引委員会の見解を歴史的に調べてみると、若干異なっていることが分かった。これは「押し紙」問題に取り組んできた江上武幸弁護士らの研究の功績である。

詳しくは新刊の中で説明しているが、結論を先に言えば、「押し紙」の正しい定義は、「新聞の実配部数に予備紙を加えた部数」を超える部数である。「新聞の実配部数に予備紙を加えた部数」が販売店経営にとって真に必要な部数であり、それを超える部数は、機械的に「押し紙」と認定するのが公正取引委員会の見解だ。

従って、これまで「押し紙」裁判の争点となってきた点、つまり新聞の買い取りを新聞社が強制したか否かで、「押し紙」の有無を判断する構図は間違っている。「新聞の実配部数に予備紙を加えた部数」が経営に必要な部数で、それを超えると理由のいかんによらず、すべて機械的に「押し紙」となる。

仮に公正取引委員会が正確な「押し紙」の定義を前面に押し出せば、「押し紙」問題にメスが入るはずだが、公正取引委員会にその気はないようだ。「押し紙」は独禁法違反であるから、それを逆手に取り、新聞社に対して「押し紙」で「メスを入れるぞ!」と恫喝すれば、簡単にメディアコントロールができるからだ。こうした構図の結果、新聞の多くが「政府広報」に変質している。

その意味で「押し紙」問題は、ジャーナリズムのあり方にかかわる問題なのだ。

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2017年05月05日 (金曜日)

東京新聞が共謀罪を批判的に報じられる理由、「押し紙」の汚点とメディアコントロールの関係は?

共謀罪の危険性を最も精力的に報じている一般紙は、おそらく東京新聞である。東京新聞は、高市早苗総務大臣(自民)と森ゆうこ参議院議員のマネーロンダリングの問題も大きく報じた。

なぜ、このような報道ができるのだろうか?

これはあくまで筆者の推測になるが、経営上の汚点がないからだと思われる。改めていうまでもなく、最大の経営上の汚点は、「押し紙」である。「押し紙」は独禁法に抵触するために、公正取引委員会や経済産業省は、その気になれば、「押し紙」を取り締まることができる。新聞社を生かすことも殺すことも簡単に出来る。さじ加減ひとつなのだ。

「押し紙」で新聞社がいかに莫大な利益を上げているかを示す例を示そう。

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2017年04月15日 (土曜日)

世耕弘成・経産大臣が「日本新聞販売協会から相談があれば、残紙調査をする」と約束、共産党・清水忠史議員の「押し紙」問題の国会質問

共産党の清水忠史議員が、14日の衆議院経済産業委員会で「押し紙」問題を取り上げた。これは3月30日の消費者問題特別委員会での質問に続く、2回目の質問である。

■清水議員の質問動画(3:15:30秒から)

14日の質問で、清水議員は経産省に対して「押し紙」の実態調査をするように提案した。竹内審議官は、次のように回答した。

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2017年04月14日 (金曜日)

共産党の清水忠史議員が2回目の「押し紙」問題の国会質問、経済産業委員会で

【臨時ニュース】

明日(4月14日)、共産党の清水忠史議員が衆議院・経済産業委員会で、「押し紙」(残紙)問題を取りあげた。質問は、11時35分から25分。次のインターネット放送で視聴できる。

■インターネット中継(経済産業委員会)

清水議員は、3月30日にも、消費者問題特別委員会で「押し紙」(残紙)問題を取りあげた。

国会での「押し紙」(残紙)問題の追及は、35年前に瀬崎博義議員(共産)が行ったことがある。インターネットのない時代で、報道されることもなく、質問そのものが埋もれてしまったが、議事録には、読売新聞鶴舞直売所の店主が提供した内部資料(俗に「北田資料」)を使って、問題を明らかにした事実が記録されている。

 

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