1. 読売の「押し紙」裁判、判決日が先送りに、東京地裁

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2022年08月11日 (木曜日)

読売の「押し紙」裁判、判決日が先送りに、東京地裁

東京地裁は、8月9日に予定していた「押し紙」裁判(被告・読売新聞社)の判決を10月21日に先送りした。わたしはこの変更を知らずに、9日、東京地裁へ足を運んだ。しかし、法廷には鍵がかかっていて、掲示板にも「押し紙」裁判のスケジュールは見当たらなかった。

自宅に戻ってからわたしは、この裁判を担当している東京地裁の民事25部に電話で状況を問い合わせた。そして判決日の変更を知った。

「変更理由は?」

「おこたえできません」

「裁判官の体制も変わったのか?」

「おこたえできません」

途中から電話の相手が、広報部に変わったが、判決の日程が変更になったことを除いて何も答えなかった。「最高裁事務総局からの指示があったのか」と、いう肝心な質問に対しても、「お答えできません」と答えた。

◆◆
現在、この「押し紙」裁判を担当しているのは、民事25部の古田孝夫裁判長,豊澤悠希裁判官,それに高見澤昌史裁判官である。今後、最高裁事務総局が裁判官を交代させた場合、想定されていた判決内容が変更になる可能性が高い。あるいは判決日程の先送りが、疑惑の種になる可能性が高い。

2020年に結審した産経新聞の「押し紙」裁判では、最高裁事務総局が結審の直前に裁判長を野村武範氏に交代した。交代前の裁判長は、産経に対して2度に渡り和解を勧めていたので、判決になれば、販売店が勝訴するというのが裁判を取材している人々の見方だった。

ところが野村裁判長は、産経を勝訴させる判決を下した。

◆◆
その後、わたしは野村裁判長を調査してみた。その結果、経歴が不自然なことが分かった。

R 2. 5.11 東京地裁判事・東京簡裁判事
R 2. 4. 1 東京高裁判事・東京簡裁判事
H29. 4. 1 名古屋地裁判事・名古屋簡裁判事
H25. 4. 1 最高裁裁判所調査官(東京地裁判事・東京簡裁判事)
H22. 4. 1 東京地裁判事・東京簡裁判事
H21. 4.11 大分地家裁判事・大分簡裁判事
H18. 4. 1 大分地家裁判事補・大分簡裁判事
H16. 4. 1 検事
H16. 3. 1 最高裁総務局付(東京簡裁判事・東京地裁判事補)
H14. 4.11 函館簡裁判事・函館家地裁判事補
H13. 4. 1 函館家地裁判事補
H11. 4.11 東京地裁判事補 

東京高裁に赴任して、40日後に東京地裁へ移動して、産経新聞「押し紙」裁判の判決を下したのである。(上記赤文字の箇所)

◆◆参考記事

●野村武範裁判長が執筆した判決文にみる論理の破綻、「押し紙」は認定するが賠償は認めない、産経新聞「押し紙」裁判の解説、判決全文を公開

●産経「押し紙」裁判にみる野村武範裁判長の不自然な履歴と人事異動、東京高裁にわずか40日

●野村武範判事の東京高裁での謎の40日、最高裁事務総局が情報公開請求を拒否、透明性に疑惑がある事務局運営の実態

●最高裁事務総局による「報告事件」の存在が判明、対象は国が被告か原告の裁判