1. 読売の渡辺恒雄主筆、「読売1000万部」の復活を呼びかける、全国各地で確認できるABC部数のロック、定数主義の闇

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2022年07月07日 (木曜日)

読売の渡辺恒雄主筆、「読売1000万部」の復活を呼びかける、全国各地で確認できるABC部数のロック、定数主義の闇

読売新聞社の渡辺恒雄主筆(写真)が、今年1月の賀詞交換会で「読売1000万部」の復活を呼びかけていたことが分かった。『新聞情報』(1月19日付)は、次のようにこの事実を伝えている。

数10年の間に読売新聞は非常に健全になって、財政的にはびくともしない。経営上の不安はほとんどない。皆さんのおかげで、非常に丈夫な、立派な新聞社に育った。大変うれしいと思っております。この調子で今年もさらに一層、いろんな智恵を出して、もう一遍、1000万部を取り戻したいと思っておりますので、頑張ってください。

 

 

渡辺氏が言及する「1000万部」とは、何を意味しているのか。1000万部の中に残紙が含まれているのか、それとも新聞の購読契約者が1000万人という意味なのか不明だ。

わたしは地方自治体を対象にして、読売新聞のABC部数の変化を調査しているが、地域全体で部数がロックされているケースが多々ある。ここでいうロックとは、部数の固定化を意味している。定数主義とも呼ばれている。次に示すのは、広島県府中市における読売新聞のABC部数の変遷である。

2014年4月:5679部
2014年10月 :5679部
2015年4月 :5679部
2015年10月 :5679部
2016年4月 :5679部
2016年6月 :5679部
2017年4月 :5679部
2017年10月 :5679部
2018年4月 :5679部
2018年10月 :5679部
2019年4月 :5679部
2019年10月 :5679部
2020年4月 :5679部
2020年10月 :5679部

府中市のABC部数が7年に渡ってロックされている。しかし、府中市の読売新聞の購読者数が7年に渡ってまったく変化しないことはありえない。残紙の中身が、「押し紙」であろうが、「積み紙」であろうが、公称部数を偽っていることには変わりない。渡辺氏は、まず現場で事実を確認すべきだろう。

また、公正取引委員会はなぜ指導しないのか?承知しているということなのだろうか。

次に都府県を対象とした調査のいくつかを紹介しよう。マーカーで着色した箇所がロックの部数と期間である。

●兵庫県(読売)

●長崎県(読売)

●香川県(読売)

●大阪府堺市