1. 『広報東京都』、新聞折り込みで水増しされている高い可能性

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『広報東京都』、新聞折り込みで水増しされている高い可能性

東京都が発行する広報紙、『広報東京都』が水増し状態になっている高い可能性が浮上した。東京都によると、『広報東京都』の折込定数(新聞折り込み部数)は、282,1000部(2020年4月)である。これに対して東京都全域における新聞発行部数(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経のABC部数)は、2,777,430部である。

   新聞に折り込まれる『広報東京都』の部数が新聞発行部数を約4万部ほど上回っている。この過剰になった4万部を予備部数とみなすこともできるが、それは残紙(広義の「押し紙」)が1部も存在しない場合の解釈である。しかし、実際は東京都でも大量の残紙が確認されている。

たとえば右の写真は、江戸川区内の販売店で撮影した残紙である。

広報紙の場合、新聞の搬入部数と折込定数が原則的に一致しているので、残紙が廃棄されていれば、それに相応した広報紙も廃棄されていることになる。

ちなみにこの商取引では、読売PR社が広告代理店として、東京都と販売店を仲介している。

東京都は当初、折込定数を非公開にしていたが、筆者らの強い要請に応じて、20日に公表に踏み切った。筆者に対して電話で通知してきた。全国の都道府県のうち、折込定数を公表していなかったのは東京都だけだった。

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既報してきたように、東京都では、『広報東京都』だけではなく、都を構成する区が発行する広報紙が水増しされている例が確認されている。筆者が東京の23区を対象に、調査したところ、23区のうち12区で広報紙が水増しされていた。次の記事で詳細を確認できる。

【調査報告】豊島区など東京都の12区で広報紙の水増しが発覚、新聞折込の不正と「押し紙」で税金の無駄遣い