1. 日経新聞の不自然なABC部数変動、ひと月で約24万部減るも、次の月には5万部増、さらに次月に4万部減、「押し紙」による部数操作の疑惑が浮上

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2018年02月28日 (水曜日)

日経新聞の不自然なABC部数変動、ひと月で約24万部減るも、次の月には5万部増、さらに次月に4万部減、「押し紙」による部数操作の疑惑が浮上

このところ日経新聞のABC部数の変動が不自然だ。

下の表は、2007年11月度の部数を100とした場合の2017年11月の部数である。10年間の変化を示す。

朝日 77
毎日 76
読売 87
日経 94
産経 70

朝日、毎日、産経が大きくABC部数を減らしているのに対して、日経は微減である。日経の場合は法人の読者が多く、5000円程度の購読料を惜しんで、購読を中止するケースが少ないことがひとつの原因かも知れないが、減部数分の多くが「押し紙」だった疑いもある。その根拠を示そう。

微減を維持していた日経のABC部数に激変が現れたのは、2017年10月から11月にかけての時期だった。ひと月の間に、一気に約24万も減ったのだ。通常はありえないことである。

さらに日経の部数は、ここから再び奇妙な動きを見せる。まず、翌12月には減部数の傾向とは逆に4万1792部増えている。そして年が改まり、2018年1月になると、先月の増部数分を上回る5万4650部が減った。つまり一旦、大胆な減部数を行い、次に少し部数を戻し、再び減部数したのである。

部数を増減することで日経本社に入る販売収入を調整した疑惑があるのだ。

こうした部数の操作を、慣行化している新聞社もある。たとえば毎日新聞のケースを調べてみると、4月と10月にABC部数が増えて、それぞれ5月と11月に減部数するパターンがつい最近まで延々と繰りかえされてきた。なぜ、4月と10月にABC部数を増やすのかと言えば、これらの月の部数が広告営業のために広告主に提示するABC部数として採用されるからだ。

販売関係者の間では、このようなトリックを「4,10増減(よんじゅうぞうげん)」と呼び、ABC部数をかさ上げするための周知の手口として知られている。明らかな「押し紙」の証拠だ。

昨年の12月に日経がなぜ約4万部も増え、1月に約5万部の減部数になったのかは不明だが、社員のボーナスの財源の埋め合わせとの推測もある。

いずれにしても、日経本社が「押し紙」により、販売店に対する搬入部数を決め、ABC部数を自由にコントロールしている疑惑がある。さもなければ、不自然な数字の変動の説明がつかない。日経は、広告主と納税者に対して説明すべきだろう。日経には公共広告も掲載されているから、「押し紙」があれば、広告費を払い戻す必要がある。

念のために筆者は日経本社に取材を申し入れたが、取材に応じるとも応じないとも回答してこない。