1. 公取委がS新聞社に接触か? 「押し紙」の排除が秒読み段階に

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2016年11月30日 (水曜日)

公取委がS新聞社に接触か? 「押し紙」の排除が秒読み段階に

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公正取引委員会の新しい動きが新聞業界の水面下で噂になっている。信頼度の高いある情報筋から聞いた話によると、公正取引委員会が「押し紙」 問題でS新聞社の幹部に接触したという。もちろん現時点では、公正取引委員会に確認できているわけではないので、参考の情報でしかないが、この新聞社の実態からすればあながち噂とはいえないかも知れない。

新聞奨学生からも「押し紙」を内部告発されいる社で、公式のものか、非公式のものかは別として、公正取引委員会から何らかの接触があった可能性がある。

◇「押し紙」問題を深刻視する公取委

わたしが把握している限り、「押し紙」問題で公正取引委員会が動いたのは、今回で3度目である。最初は、1997年12月である。原因は、北國新聞が発行部数を3万部増やして、ABC部数を30万部にするために、各新聞販売店に部数負担のノルマを課したというものだった。

その際、公正取引委員会は、他の新聞社についても、類似した問題があることを指摘して、注意を喚起している。

2度目は今年の2月に朝日新聞の記者が、記者会見の場で公正取引委員会の杉本和行委員長に対して、自社の「押し紙」の実態を訴えたところ、「実態が発見できれば必要な措置をとる」と回答し、実際、その一月後に朝日新聞社に対して注意を促したのである。

そして今回のS社の件だが、公正取引委員会の動きが事実であるにせよ、根拠のない噂であるにしろ、公正取引委員会が「押し紙」問題を重大視していることだけは疑いない。たとえば知人の販売店主が「押し紙」に関する内部資料を提供した際の対応が非常によかったという。「押し紙」の証拠さえ提出すれば、取り締まると約束したという。

◇部数減の本当の原因は「押し紙」の排除

新聞の公称部数は下降の一途をたどり続けているが、その主要な原因は、新聞社にとって「押し紙」が負担になってきて、それを排除しはじめた結果というのが、販売店サイドからの情報である。新聞購読者の数そのものは、高齢者の増加に反比例するように緩やかに下降しているが、「押し紙」の排除により、部数の急減が見られると考えるのが正しい。

なぜ、新聞社にとって「押し紙」が負担になってきたのか。それは多額の補助金を支出して、販売店に「押し紙」を買い取ってもらうことで、ABC部数を恣意的にかさ上げしても、紙面広告の価格が下落の一途をたどっているからだ。

つまり補助金を出してまで「押し紙」を買い取ってもらい、ABC部数をかさ上げする意味がなくなってきたのだ。その結果、補助金と「押し紙」を同時に廃止する政策に方向転換しているのである。

改めて言うまでもなく、「押し紙」で生じる販売店の損害を補助金で相殺しなければ、販売網そのものが崩壊する。それは新聞社にとっては、致命傷だ。

しかし、それにもかかわらず「押し紙」は依然として多量に存在する。販売店(中央紙)からの最新の内部告発によると、25%から30%が「押し紙」だという。埼玉県内の1万部クラスの販売店では、4割が「押し紙」になっているという情報が動画で提供されてきた。

日本の新聞業界は大きな曲がり角にきている。新聞人たちが豪語してきた「『押し紙』は1部も存在しない」という嘘が近い将来に暴かれるはずだ。