1. 想像以上に高い日本語の壁、世界標準の公用語が不可欠な時代に

エッセイに関連する記事

2025年03月25日 (火曜日)

想像以上に高い日本語の壁、世界標準の公用語が不可欠な時代に

Chatgptに、どの国が日本語教育に力を入れているかを質問したところ、次のような回答があった。他の検索でも、ほぼ同じような結果が出たので、Chatgptの回答はおおむね現実を反映しているのではないか?

1. インドネシア
• アジアで日本語学習者数が最も多い国の一つ。
• 日系企業が多数進出しており、ビジネス上の需要が高い。
• 日本のアニメやJ-POPの人気も影響しています。

2. ベトナム
• 日本への技能実習生・留学生の数が非常に多く、日本語学習が重要視されています。
• 日本語を教える高校や大学も増加中。

3. 中国
• 歴史的・経済的な関係から、日本語学習者が多い。
• 大学に日本語学科を設けているところも多く、ビジネス分野でも日本語人材の需要あり。

4. 韓国
• 文化的に日本と近く、アニメやドラマの影響も大きい。
• 高校や大学の第2外国語として日本語を選ぶ学生が多い。

5. タイ
• 観光業や日系企業の影響で、日本語を話せる人材が求められています。
• タイ教育省も日本語教育のカリキュラムに力を入れている。

6. フィリピン
• 日本への就労や留学を希望する人が多く、日本語教育センターが多数存在。
• オンライン日本語教師の拠点としても注目されている。

7. ブラジル
• 日系人が多く住んでおり、日本語が家庭や地域社会で継承されている。
• 日本との文化交流も盛ん。

8. アメリカ
• 高校や大学で日本語を教えている学校が多い。
• アニメ・漫画ブームの影響で若者を中心に人気。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆◆

言語に関して、もうひとつ興味深いデターを紹介しよう。TOEFL(Test of English as a Foreign Language =)のアジア・ランキングである。このテストは、米国の大学や大学院に留学する際の英語能力の証明書として採用されている。日本のランキングは、以下に示すように、30カ国中28位である。ちなみに中国は6位で、朝鮮は13位である。

日本の成績がおもわしくないのは、わたしの推測になるが、第2外国語の習得は、幼児は例外として、第一言語の基盤の上で成り立つにもかかわらず、第一言語である日本語と第2言語である英語の距離が遠いことである。類似性の欠落である。教育方法や学習者の心理的な原因が大きいという説が有力だが、文法・発音・文字などあらゆる面で共通性に乏しいことが、習得が難しい原因である。

それはともかくとして日本では、国際語となっている英語の普及が停滞している上に、海外での日本語の学習者が限定的であるわけだから、日本の孤立は免れない。

実際、海外にでると日本語で発信された情報がまったく届いていないことを実感する。日本国内でネットウヨが騒いでも、何も聞こえてこない。だれも知らない。メディア関係者を除いて、朝日新聞も読売新聞も知らない。知っているのは、日本の動向について専門的に情報収集している特殊な少数の人だけである。

◆◆

ジャーナリズムの世界でも国際化が進んでいる。たとえば、中国の公共放送CGTNは、英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、ロシア語でニュースを発信している。国民もそれを視聴・共有できる。NHKの国際放送のように、報道内容を日本人が普通に視聴できない状況にはない。

日本のテレビ番組に登場するコメンテータは、99%が日本人だが、CGTNの場合はSKYPEを使って国境の壁を排除している。ケニアのナイロビ発の国際ニュースが放送されたりもする。

一方、日本はインターネットが普及しても、国境の壁を超えるには至っていない。政府が解決策に着手しても、成果があがるまでに少なくとも30年ぐらいは要する。ただ、政府は孤立を深めているという認識すらもっていない。

かつて故・志賀直哉(冒頭の写真)がフランス語を公用語にする案を公言して、顰蹙(ひんしゅく)をかったことがある。その話を知ったとき、わたしも、「志賀直哉は頭がおかしい」と思ったが、あながち間違いではないようだ。日本も日本語の外に公用語を持ったほうがいい。それ以外に解決策はない。