2019年04月06日 (土曜日)

滋賀医科大病院、特定のがん治療突如中止で大量の待機患者発生…不適切処置で治療困難な患者も

滋賀医科大学医学部附属病院(以下、滋賀医科大病院)が、前立腺がんの高度な小線源治療「岡本メソッド」の中止を告知してのち、患者のあいだに動揺が広がっている。小線源治療の継続を求めて3月13日、患者会の代表4人が国会と厚生労働省に申し入れを行い、2万8189筆の署名も提出した。滋賀医科大病院が、高い評価を得ている岡本メソッドの中止を決めた背景には何があるのか。筆者は患者らに密着取材した。

今回の申し入れに加わった東京都在住の山口淳さんは、岡本圭生医師による小線源治療の手術の順番を待っている。しかし、スケジュールを組んでもらえない状況が続いている。山口さんと同じ立場に置かれた待機患者はすでに30名を超えた。山口さんは問題の打開を求めて、永田町と霞が関に足を運んだのである。山口さんが、岡本医師の診察にたどり着くまでを語った。

「昨年8月に健康診断で、はじめて採血による前立腺がんのPSA検査を受けました。70歳以上の正常値は4ng/mL以下ですが、私の場合、その21倍を超える87ng/mLだったのです。血液を解析した機関から、直接私に電話があり、すぐに病院へ行くように告げられました」【続きはビジネスジャーナル】

 

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2019年04月04日 (木曜日)

消費者センターが産経新聞販売店に対して措置命令、背景に景品表示法をめぐる訴訟の存在

新聞販売店が新聞購読を勧誘する際に使う高額な景品が、再び社会問題になりはじめている。3月19日付けの『日経新聞』によると、「大阪府は19日、産経新聞社(東京)と府内の系列販売店2店に再発防止と消費者への周知徹底を求める措置命令を出した」という。

電動アシスト自転車など高額景品を提供したのが景品表示法違反に該当するというものである。

これに先立つ2月13日には、大阪府消費生活センターが、府内の販売店による景品表示法違反容疑で、産経新聞大阪本社に立ち入り検査に入っていた。【続きはウェブニュース】

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2019年04月03日 (水曜日)

【書評】遠藤周作著『海と毒薬』、大学病院における人体実験を通じて日本人のメンタリティーを描く

子供のころから立ち回りが巧みで、学業に秀でている点を除くと、特に卓越した個性もなく、順調に階段を昇って大学病院の医局に入った助士。医師としての脚光を浴びたくて、出世競争の裏工作に奔走する教授。家族の不和を体験して、自立して生きるために病院に就職した看護婦。遠藤周作の『海と毒薬』(新潮文庫)に登場する人物は、だれも凡人である。どこにでもいる「普通の人々」、あえて違いを言えば知的な人々にほかならない。

が、これら普通の人間が権威により秩序を保つ村社会に投げ込まれると、何の呵責もなく、入院患者をだまして人体実験を繰り返す。あげくの果てに、軍部からの要請に応じて、米国人捕虜を使った生体人体実験にまで及んでしまう。それも「業務」の一端に過ぎない。

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2019年04月02日 (火曜日)

「令和」の「令」は法律による国家統制を、「和」は天皇を父とした偽りの平和を意味する

(「黒薮哲哉のウェブマガジン」より全文を転載)

4月1日、安倍内閣は「令和」を新元号として閣議決定した。この瞬間を待っていたかのように、テレビでスタンピード現象が始まった。「令和バームクーヘン」や「令和弁当」、さらにはさまざまな「令和」グッズなるものが、ニュースともCMとも判別できない番組に登場し、さながら朝鮮の「将軍様」の就任を祝う光景を連想させる祝賀ムードが演出されている。

わたしは、「令和」というその字面から、ファシズムの時代への回帰を直感した。不吉な印象。その不吉さの正体は、「平成」という時代を検証すれば輪郭を現してくる。

なお、安倍首相は、「令和」の意味を次のように説明しているが、この説明の中にも、首相が好んで口にしてきた「美しい国」といった言葉が使われている。心がけ次第で国は繁栄するという、ある種、前近代的な統治の思想である。

本日、元号を改める政令を閣議決定いたしました。新しい元号は「令和」(れいわ)であります。
 これは「万葉集」にある「初春の令月にして 気淑(よ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き 蘭(らん)は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す」との文言から引用したものであります。そして、この「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められております。

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2019年04月01日 (月曜日)

元号と日本人のメンタリティー、国際規格と整合しない、近代化の障害に

4月1日に新元号が発表された。

「令和」である。

マスコミ各社は、天皇制や平成時代の回想に焦点を当てた報道を活発化させてきた。これから新天皇の即位まで、メディアのスタンピード現象がはじまるだろう。確実に皇室報道が過熱する。

天皇制度を肯定する考えの人々が、依然として多数を占めている情況の下で、報道もそれに迎合しているわけだが、ジャーナリズムは天皇制についても新しい視点を提供するべきだろう。ステレオタイプではこまる。

国際的に見て、元号を採用している国はほとんどない。韓国の金王朝ですら、元号などは採用していない。

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