M君リンチ事件に見る言論抑圧・抑制の実態、だれが言論の自由を殺すのか?
自分と対立する言論に対して、「裁判を起こすぞ!」と恫喝する行為が、もはや日常の一齣になっている。特に、ツイッター上でその傾向が顕著になっている。これは社会病理である。背景には、名誉毀損裁判では訴えた側、つまり原告に圧倒的な法理になっている事情があるのだが、それはさておき、このような風潮は、言論を萎縮させ、最終的に法律で言論活動をがんじがらめにする危険性を孕んでいる。
司法制度を利用した言論の抑圧を狙ったツィートの具体例を紹介しよう。下記のツィートの投稿主C.R.A.C.は、反差別の市民運動を展開している団体だ。前身は、しばき隊などである。
芳香剤や建材等の化学物質過敏症、原因は化学物質イソシアネート、被害者の急増で社会問題化…日常生活に支障で退職の例も
化学物質過敏症とは、化学物質に体が反応して体調の悪化をもたらす病気である。芳香剤、柔軟剤、化粧品、農薬、塗料、建材など広範囲な製品に使われている化学物質が原因になる。将来的に患者数が花粉症なみに増えるのではないかともいわれている。
米国化学会(ACS)の情報部門であるケミカル・アブストラクト・サービス(CAS)が登録する化学物質の数は、1億件を超えている。そんなおびただしい種類の化学物質のなかでも、化学物質過敏症の因子として特に注視されているのが、ウレタン原料のイソシアネートである。その危険性に警鐘を鳴らしている内田義之医師(東京都練馬区・さんくりにっく)に、化学物質過敏症について伺った。
元「しばき隊」隊員で自由法曹団常任幹事の神原元弁護士が弁護士懲戒請求者らを提訴、エスカレートする差別をめぐる問題、訴訟社会の到来が言論の萎縮を招く危険性
ウエブサイト「弁護士ドットコム」が、9日、「『存在しない事実で懲戒請求された』神原弁護士が請求者を提訴」と題する記事を掲載している。
不当な懲戒請求によって名誉を傷つけられたうえ、その反証のために労力を費やさざるをえず、精神的苦痛を受けたとして、神奈川県弁護士会に所属する神原元弁護士が5月9日、懲戒請求をおこなった相手に対して、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
弁護士の懲戒請求をめぐっては、あるブログが発端になって、神原弁護士以外にも、大量におこなわれていることが問題になっている。このブログは、朝鮮学校への補助金交付などを求める各弁護士会の声明に反発したもので、懲戒請求のテンプレートを配布していた。(略)
懲戒理由として、「違法である朝鮮学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重、三重の確信的犯罪行為である」などと書かれていたという。(略)
最高裁の判例では、事実上または法律上の根拠を欠く場合において、請求者がそのことを知りながら、または普通の注意を払えば知りえたのに、あえて懲戒請求していれば不法行為にあたる、とされている。日弁連によると、2017年だけで組織的な懲戒請求は約13万件あり、その多くが問題のブログに起因するものとみられる。■出典
心の自由を規制する誤り、ゴールは全体主義、セクハラ報道からヘイトスピーチまで、深刻な社会病理
このところメディアで盛んに報じられている問題のひとつに、セクハラがある。TBSの元記者からレイプされたとする伊藤詩織氏による内部告発が引き金となり、レイプの域を超えて、それよりもハードルが低く材料が多いセクハラが問題視されるようになったのだ。
と、いうよりもかなり前から蔓延していた実態を、メディアがようやくクローズアップしたために、女性に対する人権侵害事件が近年急増しているような、イメージが広がったと言ったほうが適切かも知れない。
伊藤氏の事件について、ジャーナリスト・片岡健氏が興味深い指摘をしている。
伊藤氏が山口敬之氏を相手取って東京地裁に起こした民事訴訟について、その記録を「取材目的」で閲覧していた者は今年1月の段階でわずか3人だった。■出典
主要なメディアは豊富な人員がいながら、正確な裏付け調査を行わないまま、報道してきたということである。
琉球新報社に対する「押し紙」の集団訴訟、1年半前に和解で終了していた
「押し紙」を強制されたとして琉球新報社の新聞販売店8店(原告は19人)が集団で、同社に対して損害賠償を求めた「押し紙」裁判が、約1年半前に和解で終了していたことが分かった。
この裁判は注目度が高く、大手の週刊誌も関係者への接触を試みていたが、情報が少なく、結局、ほとんど報じられないままになっていた。メディア黒書に、裁判に関する情報提供があり、それに基づいて筆者が原告の弁護士とコンタクトを取ったところ、既に1年半前に終わっていたことが分かった。
和解内容については、琉球新報社と原告のあいだに非公開の取り決めがあり、分からない。
参考までに、2016年5月12日付けの記事を紹介しよう。
【参考記事:メディア黒書】販売店が集団で琉球新報社を提訴、「押し紙」問題で
なぜ遺伝子組み換え食品は危険なのか?米国で危険が指摘されている商品を日本で普及させる安倍内閣の愚策、種子法の廃止から猛毒イソシアネートの放置まで
4月1日で、種子法が廃止された。
この法律は、日本の主要な農作物(具体的には、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆)の品種改良を国の管理下で行うことで、種を確実に保存し、普及することを目的に、戦後制定された法律だった。
廃止の理由は実に単純で、農作物の品種改良を公的な管理下から、民間へ移すことである。典型的な規制緩和=新自由主義の政策である。これにより、これまで国が管理していた稲、大麦、はだか麦、小麦、大豆の品種改良に農業ビジネスが参入してくることになる。関連する法整備が整えば、これらの農作物に遺伝子組み換え技術が応用され、実際に国内で生産される可能性が極めて高い。
幸いに、現時点では、国内で遺伝子組み換え農作物を栽培することは、認められていない。スーパーに陳列されている遺伝子組み換え農作物、たとえば大豆やトウモロコシ、ナタネなどはすべて輸入品である。
が、種子法が廃止されたことで、日本でも遺伝子組み換え農作物が開発・生産されるようになる可能性が高い。グローバリゼーションの中で、ビジネスのハーモニーぜーションが進み、米国のモンサント社など、巨大な種会社が日本に進出してきて、日本でも遺伝子組み換え食品があふれるリスクがある。。
と、いうよりも米国では、既に遺伝子組み換え食品の危険性が指摘され、大きな社会問題になっているので、米国の種会社は市場を米国から日本などに移すことになりそうだ。日本人の大半が、遺伝子組み換え食品の危険性を知らないからだ。
朝日新聞の部数激減を解析、本日発売の『紙の爆弾』が「押し紙」問題の最新情報を報道、「新聞『押し紙』政策の破綻」
本日(7日)発売の『紙の爆弾』に、「新聞『押し紙』政策の破綻」と題する黒薮の記事が掲載されている。このところ朝日新聞など一部の新聞社は「押し紙」をなくす方向で動いている。朝日新聞の部数激減の裏側を解析した。
その一方、佐賀新聞など依然として、「押し紙」を続けている新聞社は存在するが、いずれ朝日と同じ方向へ転換せざるを得ないだろう。その背景に何があるのかを、新聞のビジネスモデルの崩壊という観点からレポートしたものである。
書き出しの1ページを紹介しておこう。
反差別運動に参加している極右は本当に存在するのだろうか? 「差別撤廃 東京大行進」の動画の分析が不可欠
M君リンチ事件の続報である。独自にこの事件を取材している。その中で正確に確認しておかなければならない事柄がいくつかある。たとえば、「しばき隊」の現在である。
この事件に詳しい方は、恐らくこうした初歩的な情報は把握しておられると思うが、メディア黒書の読者には、なるべく筆者が自分で確認した情報を届けたいと考えている。
「しばき隊」の現在はどうなっているのか?既に出版されている記事などでは、「しばき隊」の現在は、「C.R.A.C」という組織とされる。「C.R.A.C」は、Counter-Racist Action Collectiveの略である。
はからずも筆者は、C.R.A.Cによる次のようなツィートを発見した。(注:太字は黒薮)
2018年05月03日 (木曜日)
毎日新聞、読売新聞、新潟日報が森裕子議員に対する3度目の刑事告発受理を報道
4月20日付けで新潟地検が受理した森裕子議員に対する刑事告発を、毎日新聞、読売新聞、新潟日報の3紙が報じた。新潟知事選を前に、どのような影響が生じるのか注目される。この事件の背景には、政治資金の還付金制度がある。
分かりにくい記事なので、以下、解説しておこう。