2013年12月10日 (火曜日)

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2013年12月10日 (火曜日)

2013年12月10日 (火曜日)

10日発売の『紙の爆弾』が喜田村洋一自由人権協会代表理事の懲戒請求事件を、『SAPIO』が「押し紙」を報道

12月10日発売の『紙の爆弾』と『SAPIO』が、わたしが取材している分野の問題を取り上げている。わたしもコメントしている。

(懲戒請求事件に関する全資料=ここをクリック)

◇『紙の爆弾』

まず、『紙の爆弾』は、高田欽一氏の署名記事「警察の裏・マスコミの裏 知られざる未解決事件」。この中に「読売新聞の顧問弁護士 喜田村洋一に懲戒請求」と題する一節(65ページ)がある。

喜田村弁護士に対する懲戒請求の件は、MEDIA KOKUSYOでもたびたびとりあげてきた。この事件は、MEDIA KOKUSYOに掲載された文書(読売の江崎法務室長が、わたしに送付した催告書)の削除を求めて、江崎氏が裁判を起こしたのが発端である。

提訴の根拠としたのは、送付文書が江崎法務室長の著作物で、わたしには公表権がないのに、ウエブサイトで公表したからというものだった。ところが裁判の中で、文書の作成者が喜田村弁護士である強い可能性が判明。もともと法務室長に提訴する資格がなかったのに、強引に提訴に及んでいたことが分かったのだ。最高裁でもこの点が認定された。

注:著作者人格権は他人に譲渡できない。これに対して著作者財産権は譲渡できる。江崎氏が提訴の根拠としたのは、著作者人格権だった

最高裁の認定を受けて、わたしは喜田村氏に対する懲戒請求を申し立てた。 その根拠としたのは、弁護士職務基本規定の第75条。

弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。

 『紙の爆弾』の記事は、「もし申請が通れば、中坊公平日弁連元会長のように、廃業や引退に追い込まれる可能性もある」と述べている。

参考資料:なぜ、裁判所が喜田村氏らが催告書の作成者を偽っていたと判断したのかは、次の知財高裁判決に詳細に記されている。法律の専門家であれば、書類の名義(江崎名義)を偽って裁判を起こす行為がいかに悪質であるかが理解できるだろう。

【必読】(懲戒請求事件に関する全資料=ここをクリック)

◇『SAPIO』  

喜田村氏に対する懲戒請求の根底にあるのが、「押し紙」問題である。  鵜飼克郎氏の著名記事「販売部数水増しで広告価値を釣り上げる『押し紙』の決定的現場を見た!」は、雑誌による「押し紙」報道の再開を予感させる。  鵜飼氏の調査の一部を紹介しよう。

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2013年12月08日 (日曜日)

生活の党・森ゆうこ氏が最高裁の闇を指摘した「一市民」を提訴、820万円と言論活動の制限求める

森ゆうこ元参院議員が10月2日、『最高裁の罠』の著者でブロガーの志岐武彦氏に対し820万円の金銭要求と言論活動の制限を求める裁判を起こしていたことが分かった。発端は小沢一郎議員が2010年に検察審査会の議決で起訴され、最終的に無罪になった事件。志岐氏は検察審査会を管轄する最高裁事務総局の策略で小沢氏が法廷に立たされたと推論。これに対して森氏は、検察による謀略説を強調した。

週刊誌報道やロシアのサーバーから送られた捏造報告書も、検察による謀略論をクローズアップした。世論誘導に不信感を抱いた志岐氏は、自身のブログで森氏を批判、森氏のことを「肝腎の最高裁への追及がなくなった」などと書いた事が提訴理由とされた。

謀略は最高裁事務総局なのか、検察なのか、それとも双方の連携プレーなのか?日本権力構造の「罠」と裁判の背景に迫る。(訴状ダウンロード可)?  【続きはNyNewsJapan】

写真:「検察審査委員及び補充員選定録」。志岐氏らは、検察審査委員と補充員の「生年月」(日は含まない)の開示を請求したが、最高裁事務総局はすべて黒塗りにした。「生年月」では、個人を特定することは出来ないはずだが。

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2013年12月07日 (土曜日)

NTTドコモが基地局設置計画の中止を知らせるチラシの配布を拒否、住民らが配布へ、目黒区八雲の基地局問題

NTTドコモが住民運動の圧力で携帯基地局の設置計画を中止に追い込まれた問題で、「携帯電話基地局設置に反対する目黒区八雲町住民の会」は、7日から新たなチラシを配布する。

昨年の秋からNTTドコモは、目黒区八雲にあるベネッセ経営の老人ホーム「グランダ八雲」の屋上に携帯電話の基地局を設置する計画を進めていたが、住民の反対で今年の10月に計画を断念した。しかし、計画の中止を「住民の会」に通知しなかった。

このために「住民の会」は、目黒区役所で計画の中止を確認すると同時に、NTTドコモに対しても電話で問い合わせ、中止を確認した。

そのうえで八雲地区の住民たちに対して中止を伝えるチラシを配布するように求めた。  しかし、NTTドコモはこれを拒否。そこで「住民の会」は書面のかたちで計画中止を示すように求めて、内容証明郵便を送付した。

(内容証明=ここをクリック)

12月6日の時点で、ドコモからの回答は届いていない。そこで「住民の会」はまず、計画の中止を自分たちで知らせること決定。次のようなチラシを作成した。

(計画中止を知らせる「住民の会」のチラシ=ここをクリック)

チラシの配布は、12月7日(土)から八雲地区の約800世帯を対象に実施される。

■写真は、埼玉県越生町の携帯基地局。本文とは関係ありません。

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2013年12月03日 (火曜日)

公共事業は諸悪の根源? ジャーナリズムでなくなった朝日 その5 (後編)

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

何しろ今回は、特に朝日社内の説得こそ大事です。そのまま記事にはめ込める言質を文章の形で取って、編集幹部に見せて納得させる必要があります。相手に言い直す暇を与え、少々、トーンが落ちるのは、覚悟の上です。紙面に掲載する中部地建河川部長名の談話の文面をその場で詰めることにしました。

案の定、それまでのやり取りから私が作った原文に、建設省はいろいろと細かい注文をつけて来ました。「認めた」ことまでも、もう一度あいまいにし、必要以上に言質を落とそうとします。その都度、「建設省はタイムマシンを持っていると書こうか」と、攻め立てて押し返しました。

最終的には「着工時、現状の川で、どのくらいの大水まで流せるか、きちっとした数字を算出していなかったのは事実」と、まとめたのです。もちろん、相手に合意させ、双方が文面のコピーを取りました。その後、再度念を押して再確認する作業も怠りませんでした。

これで前任の社会部長が在任当時言っていた「相手が認めないものはダメだ」という無理難題さえ、完全にクリアしたことになります。先の予備取材で、3年前に書いておいた続報も、そのままで使えることも、確認済みです。名古屋本社に戻り、突破口となる最初の原稿を書き上げました。もちろん、この日のうちに記事にするつもりだったのです。

「建設省は『堰がなければ、洪水の危険のある』との根拠が、着工時には存在しなかったことを認めた」と、デスクに取材経過を話し、先の談話も盛り込んで仕上げた原稿を示しました。

出来るだけ読者に分かりやすくするため、88年の着工時、建設省に唯一あった係数値で描いた最大大水時の水位シミュレーションも、読者の視覚に出来るだけ分かり易く訴えられるイラストにしようと、「図案さん」と呼ぶ担当部門に発注しました。

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2013年12月02日 (月曜日)

公共事業は諸悪の根源? ジャーナリズムでなくなった朝日 その5 (前編)

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

憲法で保障されているはずの国民の「知る権利」が、根こそぎ奪われるのではないか。そんな懸念のある特定秘密保護法案が衆院で強行採決されました。秘密の対象が防衛機密だけに限定されるかどうかも、実のところ、確かではありません。

東北大震災の復興税がどう、流用されたか。それを想い出すだけで十分です。この国の政治家・官僚はどこまでも悪知恵を働かせます。何しろ何が「秘密」か、国民に分からないまま、権力者の思うままに「秘密」が指定され、漏らした人が罪に問われる法案です。

いかに官僚・政治家は、国民に平気でウソを言い、事業を進めるものか。私が取材した長良川河口堰の例を見ても、明らかです。防衛秘密以外でも、自分たちに都合の悪い情報が暴かれそうになったら、どうにでも屁理屈をつけて、この法律を盾に自分たちを守るに違いありません。

逆に、この法律で警察などから拘束されるのは、国家・政治家・官僚の悪を世間に知らせ、国民の「知る権利」に貢献しようとする善意の人々です。

戦前のこの国には、治安維持法がありました。軍部の暴走、戦争にひた走る権力者に対し、異議を唱えた人、真実を語ろうとした人は、この法律違反に問われ、次々と牢屋にぶちこまれました。失意のうちに亡くなった人も少なくありません。秘密保護法が治安維持法の再来にならない保証は何処にもないのです。

何しろ、この欄で詳しく報告してきている通り、今のメディアには腐敗があります。現状でも危ないのに、この法律が施行されれば、メディアは本気で人々の「知る権利」を守ろうとするでしょうか。私は、メディアがますます権力者に迎合する道を歩んでいくことを危惧します。その結果、この国の行き着く先は…、「いつか来た道」ではないのでしょうか。

◇「異能分子」の社会部長

「公共事業は諸悪の根源」、今回で、もう9回目になりました。私が報告して来たのは、長良川河口堰での官僚の際限ないウソです。その結果、利権目当ての無駄な公共事業が際限なく続き、この国は途方もない借金を積み上げました。

本当に朝日が人々の「知る権利」に奉仕していたなら、官僚のウソは暴かれ、この国の借金はここまで膨れ上がらなかったはずです。「知る権利」が侵されることが、いかに恐ろしいことか。この事実からも、お分かり戴けると思います。

このシリーズは、それを具体的に知ってもらうことにあります。国民の「知る権利」が侵された長良川河口堰報道の実例からも、秘密保護法の危険性を改めて認識し、反対の声を挙げていってもらいたいと、切に願う次第です。

また、前置きが長くなりました。今回は、1993年夏、私の長良川河口堰報道を止め続けた社会部長が、異動で名古屋社会部からいなくなった後から話を始めます。編集局次長が「異能分子」と呼んでいたのがこの社会部長です。「編集以外の局に異動させる」との私との約束は、一応守られた形です。

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