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携帯電話の基地局から発せられる電磁波は、将来、第2のアスベスト問題になる可能性が高いという見方がある。しかし、そのアスベスト問題の中身は、大半の人々が想像しているよりも、遙かに深刻なようだ。
アスベスト問題がメディアで大きく取り上げられたのは、2005年のことである。この年、クボタは尼崎市の旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連の病気で過去に死亡していたことを公表した。そのうえで、周辺住民に見舞金を支払う措置をとった。住民の中には、すでに中皮腫を発症しているひともいた。
クボタの工場では、アスベスト補強セメント水道管を製造していた。その工程でアスベスト粉じんがまき散らされ、作業員はいうまでもなく、工場周辺の住民までがアスベストに被爆し、長い歳月を経て中皮腫を発症する人も出たのである。
このニュースだけを切り離して考えると、アスベスト問題ほんの一部の特殊な業種だけが対象になるような印象を受けてしまう。まるで自分とは別次元の他人事のような受け止め方をされがちだ。
ところがアスベストに被爆する環境は、われわれの日常生活の至る所に散在している。と、言うのもアスベストが全面禁止されたのは6年前で、それまでに設置された「アスベスト製品」が至るところに残っているからだ。
最近、肺癌の増加が指摘されているが、その主要な原因は喫煙ではなくて、アスベストである可能性もある。被爆を認識していないだけで、アスベストが原因になっている癌が予想外に多いようだ。「喫煙=肺ガン」説の影に、アスベスト問題が隠れている。
アスベストがいかに有害であるからは、アスベストを扱う作業員が着用した作業着から、作業員の家族が被爆して悪性中皮腫になったと推定される例からもうかがい知れる。
◇携帯電磁波とアスベスト
なぜ、アスベスト問題のクローズアップが重要なのだろうか?それは総務省が過去の公害の責任を検証しないまま、携帯基地局の設置を大規模に推し進めているからだ。過去の過ちを検証することもなければ、賠償責任も十分に果たさずに、第2の過ちを犯そうとしているからである。
メディアで報じられているアスベスト問題はほんの氷山の一角にすぎない。ところが詳しく調べてみると、実は水面下でかなり問題の裾野が広がっているのだ。それにもかかわらず、メディアが報じないために、大半の人々はアスベストを自分とは直接関係のない事柄として誤認識している。
◇アスベスト被爆はどこで発生するのか?
アスベストの発生源として、まず注意しなければならないのは建材である。日本でアスベストの仕様が全面禁止されたのは、2004年である。従ってそれ以前に作られた住宅には、アスベストが入った建材が使われている可能性が高い。
なぜ、建材にアスベストが使われたのだろうか。それは耐熱効果があるからだ。いわゆる燃えない建材の使用を国が奨励していたからである。
もっとも分かりやすい例でいえば、駐輪場の屋根や、倉庫の屋根・側壁などに使われる波形スレートである。波形スレートのセメントには、アスベストが混じっている。
それを知らない人が、波形スレートを使った建物の解体や修理を行った場合、アスベストに被爆する可能性が高い。作業員だけではなくて、解体現場の周辺に住む人々も被爆するリスクがある。
また、断熱目的でボイラーや炉にも使われている。と、いうことは製鉄所やその周辺地域は要注意だ。製鉄所以外の工場でも、断熱目的でアスベストが使われている可能性は否定できない。詳しく調査すると、かなり多くの工場に「赤信号」が点るのではないか。
ちなみに直接にアスベストを扱う職種としては次のようなものがある。大工、左官、屋根・瓦工、水道の配管工、電気工、自動車修理工、造船作業者。(◇じん肺法施行規則の変更、◇メディアはアスベスト問題を報じられるか?)

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