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新聞の原価について、最近、疑問に思うことがある。販売店主さんの話によると、新聞の卸原価は、扱い部数によって異なるというのだ。
無論、この点については以前から話には聞いていたが、それが事実であることが、判決文の中で正式に分かった。読売と平山店主の間で争われた裁判の福岡地裁判決に、読売の主張として次の記述がある。
新聞原価は、注文部数が多ければ多いほど補助が出るため単価が徐々に安くなるスライド制を採っている。
新聞社が新聞原価にランク付けをしていることを、認める記述である。
ところが独禁法の新聞特殊指定の禁止事項に次の項目がある。
日刊新聞(以下「新聞」という。)の発行を業とする者(以下「発行業者」という。)が、直接であると間接であるとを問わず、地域又は相手方により、異なる定価を付し、又は定価を割り引いて新聞を販売すること
文中の「相手方」に販売店が含まれるとすれば、新聞の原価にランク付けをすることは、違法行為ということになる。公取委が問題視していないところをみると、「相手方」に販売店が含まれていない可能性もあるが、再考すべきテーマである。
さらに新聞の定価をめぐっては別の問題もある。(700/1400文字)

10月21日付けの「黒書」に掲載した「強制改廃された店主は、代償金を受け取れない理不尽なシステム」について、複数の方から意見が寄せられた。
この記事は、販売店が強制改廃された場合、代償金(営業区域を後任者に譲渡する際に発生する金)を受け取れないケースがあるというものである。販売店を始めるときに、新任の店主は、前任者にお金を支払って営業区域を譲り受ける。
金額は慣行として、「(1カ月分の購読料+1000円)×実配部数」である。新任者はこの金額を支払って、はじめて営業権を手にする。と、なれば販売店を廃業するに際して店主は、後任者から譲渡金を受け取る権利がある。
ところが販売店を強制改廃された場合は、代償金が受け取れないことがある。
この問題を「黒書」で取り上げたところ、意見が寄せられたのである。(500/1000文字)

新聞販売店の改廃に関して、最近、不合理に感じている慣行がある。それは強制改廃された販売店は、出資して手に入れた営業権をも無償で奪われてしまうことだ。
新聞販売店は開業に際して、営業のエリアを前任者から買い取る。価格には相場があり、聞くところによると、新聞の「(1カ月の購読料+100円 )×実配部数」であるらしい。
たとえば2000部の営業エリアを、前任者から買い取る場合は、約1000万円である。新任の店主は、前任者に1000万円を支払って、はじめて営業権を自分のものにして、開業にこぎつけるのである。
余談になるが、このようなシステムになっているのは、再販制度の下では、それぞれの販売店の営業エリアが決められているからだ。
当然、販売店を廃業するときは、自分が所有している営業権を新しい店主に譲渡する。その際に、前店主が後任者から譲渡代金を受け取るのはいうまでもない。
ところが新聞社が販売店を強制的に改廃した場合、前任者は譲渡金が受け取れない。
それが新聞業界の慣行になっているようだ。すべての改廃ケースを調査したわけではないので断言はできないが、わたしが取材した範囲では、新聞社の系統と問わずにそのようなシステムになっているようだ。
これが認められるとすれば、新聞社は販売店を強制改廃して、無料で営業権を取り上げ、一時的に自社で営業エリアを管理して、新任の店主にエリアを「販売」できることになる。
わたしはなぜ、このような理不尽な慣行がまかり取っているのかよく理解できない。たとえ強制的に店主を解任することが許されても、それに付随して営業権を無償で手にできることにはならないはずだが。(全文公開)

新聞拡張団の様相が変化してきた。東京都内のある販売店主からの情報によると、中央紙の拡張団の中には、託児所を設けて、主婦を団員として雇用しているところもあるようだ。女性が戸別訪問して購読勧誘をしているのだ。
わたしの自宅にも女性の勧誘員が現れた。(800/1400文字)

世界新聞協会の2008年度のデータによると、新聞発行部数の世界ランキングの1位から3位は次のようになっている。
1位、 読売新聞 1002.1
2位、 朝日新聞 805.4
3位、 毎日新聞 391.2
2位と3位の間には、大きな開きがある。つまり読売と朝日の発行部数は世界ランキングの中でも群を抜いている。もちろん「押し紙」(読売は「残紙」と読んでいる)を含んだ数字であるが、他紙に比べてこの2社が圧倒的に多くの読者を持っていることには変わりがない。
巨大な部数が世論誘導の道具になる危険性は常にある。事実、2007年に読売の主筆兼会長で元日本新聞協会会長、新聞文化賞の受賞者・渡邊恒雄氏が政界工作の糸を引く事態が実際に起きて
いる。その意味では、巨大部数はむしろ負の役割を果たしていると見るのが妥当だ。
日本の新聞社だけが、なぜ圧倒的な巨大部数を築きあげることができたのだろうか。結論を先に言えば、それは景品をばらまいて新聞購読を迫る戦略を販売政策として採用してきたからだ。その延長線上に、新聞拡販のノルマや「押し紙」政策も存在しているのだ。
いわば巨大部数は、日本の新聞人が残した負の遺産である。
過去にさかのぼって、乱売の典型例を紹介しよう。右上の写真は1955年9月5日付け読売新聞(大阪版)の1面である。読売が大阪での発刊3周年を記念して実施した「一等現金一万円(百万円十本)」を売り物にした福引きの社告である。(600/1800文字、◇読売、社告で弁解)

3月8日から11日まで関西を中心に毎日新聞の関係たちを取材した。毎日社のOBから、元店主、それに元セールス団員までさまざまな層の新聞人から、かつての新聞拡販や強制改廃の実態を聞き出した。
◇読売の関西進出で乱売がスタート
今回の取材では5人の方を訪ねた。これらの関係には、新聞乱売が勃発した原因として共通した認識があった。
結論を先に言えば、それは読売の関西進出である。もともと読売の本拠地は関東だった。しかし、同社は1952年に関西に進出してくる。
この時期は日本の新聞業界が合売制から、専売制に切り替わった時期である。新聞社と販売店が縦の関係を基調として、新聞販売の業務を押し進める時代になったのである。(500/3000文字◇ノイローゼーになる店員も、◇店主の羽振りが良かった時代もあった、◇景品で売る新聞)

10月15日と16日に静岡市で開かれた第62回新聞大会で、日本新聞協会加盟の新聞各社は、販売正常化宣言を行った。内容は次の通りである。
われわれ日本新聞協会加盟の新聞各社は、読者の信頼と期待に応えるため、戸別配達制度を維持、強化し、新聞の公正販売を確固たる決意で推進する。
このため、景品類提供のルールなどを定めた新聞公正競争規約を厳守するとともに、さらなる販売マナーの向上に努める。
公正販売の実現は、発行本社と新聞販売所が一丸となって、全国的に推し進めることを誓う。特に関西地区の販売正常化は喫緊の課題であり、その実現に邁(まい)進することとする。
新聞人は過去に3度も販売正常化を宣言している。1977年7月、1985年2月、それに1994年10月である。今回は4度目である。
過去の3度は正常化を宣言したものの、まったく約束を守らず、相変わらず新聞乱売を続けた。今回の宣言を含めて、もっとも重大で滑稽なのは、

ガスト(ファミリー・レストラン)のレジのカウンターに読売新聞が積んであるという通報を受けて、現場に足を運んだ。たしかに読売新聞が積み上げられていた。
新聞には、「グッドモーニングキャンペーン」というシールが貼ってある。
シールには、次のような説明がある。
この新聞は、当店よりモーニングご注文のお客様先着20名様にご提供しております。ご自由にお持ち帰りいただいてけっこうです。
キャンペーンの期間は、8月1日から10月31日の3ヶ月。レジの人にどのような性質の新聞なのか尋ねてみると次のような答えが返ってきた。
「読売新聞の方が、無料で持ってきてくださるんです。よろしかったら、お持ち帰りください」
「無料ですか?」

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