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山陽新聞の元店主が撮影した折込チラシ回収の場面は衝撃を与える。Youtubeにアップされてから、すでに再生回数が4000回を超えている。再生回数が増えていくにつれて、いつどのような形でこの問題にメスが入るのかと考えることが多くなった。
一般の人が同じことをやれば、即刻、逮捕される。しかし、新聞社は何をやっても責任を問われない。しかも、「押し紙」や折込チラシ詐欺の報道がタブーになっている。
実に不思議な現象である。この事実そのものがニュースである。
ビデオのタイトルは、「山陽新聞折込詐欺の実態」。
(参考:広告主リスト)
◇農家の倉庫が集積場に
ビデオは、古紙回収業者が販売店から折込チラシが入った段ボールを次々と運び出し、トラックに積み込んでいく場面から始まる。荷台が段ボールで一杯になると、青のビニールシートで覆われた。覆面である。
第2の場面は、段ボールの集積場。農家の倉庫を改造して一時的な保管場所に宛てているように見受けられる。
この集積場にトラックが到着すると、運転手がみずからフォークリフトを使って段ボールをトラックの荷台から下していく。
元店主は折込チラシの破棄ルートを、集積場まで突き止めた。それから先は分からない。一説によると、瀬戸大橋を渡って香川県へ行っているのではないかという情報もある。
香川県坂出市に大王製紙という山陽新聞社の株主会社があるので、事情を説明して折込チラシの水増し分を受け入れているのかどうかを尋ねたことがある。答えは、受け入れていないとのことだった。
いずれにしても最終的な折込チラシの「墓場」がどこにあるのかは分からない。山陽新聞社は、みずからそれを公表すべきだろう。
わたしはこの映像を見るたびに、ジャーナリズムとは何かという問題を考えざるを得ない。それは2つの理由による。
まず、折込チラシを破棄しているのが、新聞社という重い事実である。ジャーナリズム企業が事件の当事者であるとなれば、当然、ジャーナリズムとは何かという問題が浮上してくる。
第2に、元店主にカメラ歴がない事実である。ずぶの素人である。素人がプロよりもジャーナリスティックな画像を撮影しているのだ。当然、ジャーナリストの資質とは何かという問いが生まれてくる。
テレビ局へ行けば、30年も40年ものカメラ歴を持つひとがたくさんいる。長期に渡ってカメラを操作しても撮影できない場面を、素人が簡単に撮影してしまったのである。(1600/2400文字、◇携帯・基地局問題でも素晴らしい映像が)
結局、ジャーナリズム活動には、どこの組織に属しているかとか、記者としての職歴があるかどうかといったことは、重要ではない。それよりも、問題に対峙する姿勢が真剣かどうかで報道の質が決まる。
元店主は折込チラシの破棄が、いかに深刻で重大な問題であるかを知っていた。しかも、自らが「押し紙」の犠牲になった苦い体験がある。だから新聞販売の現場を撮影して、詐欺の実態を公開したいという思いにかられたのである。
◇携帯・基地局問題でも素晴らしい映像が
携帯電話の基地局問題を取材していた時も、住民が撮影した素晴らしい画像を見たことがある。基地局を強引に設置しようとしている電話会社と住民の衝突を撮影したものである。
座り込みを続けている住民に対して、電話会社が雇ったガードマンが襲いかかる場面。カメラマンがもみくちゃにされているので、画面が波のように揺れるが、かえって臨場感が出ていた。この映像をインターネットで流せば、電話会社は打撃を受けるだろう。
折込チラシの破棄を撮影した映像や、基地局の建設現場の映像を見るにつけ、ジャーナリズム活動では、当事者が最も力を発揮するのではないかと感じる。今後、インターネットの発達で、ますますこのような傾向が強まるのではないかという気がする。

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