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『全国「押し紙」ネットワーク』が発足、新聞社に実配部数の公開を求める(全文公開)

 新聞販売店の係争を支援すると同時に、新聞社に対して新聞の実配部数の公表を求めるネットワークが発足した。名称は、『全国「押し紙」ネットワーク』。代表は毎日懇話会の名誉会員で、元販売店主の高屋肇さん(写真右の人物)。事務局は当面のあいだ黒薮(新聞販売黒書)が担当する。

 発足のきっかけとなったのは、次の2つの出来事である。

 まず、YC広川の元店主・真村久三と読売の係争。真村氏は2001年から、地位保全などをめぐり読売との係争に巻き込まれている。裁判所の判決は、すでに6回にも及び、すべて真村さん勝訴である。

 裁判所は読売に対して、YC広川へ新聞の供給を再開するように司法命令を下している。しかし、読売はこれを無視。その結果、真村さんは裁判を続けざるを得ない状況に追い込まれている。

 ひとりの店主に対して延々と執拗な攻撃を続ける状況。これは単なる地位保全をめぐる係争ではなくて、人権問題ではないかという声が支援者の間からあがるようになった。

 しかし、係争に巻き込まれた販売店主で抑圧されているのは真村さんだけではない。係争になると精神的にも経済的にも窮地に追い込まれてしまうケースがままる。そのことは、読売との間で4件の裁判を戦っているわたし自身の実体験でもある。

 そこで住民運動によって、係争中の店主らを支えようというのが会を発足させた動機である。

 発足のきっかけになった第2の出来事は、読売VS週刊新潮(+黒薮)の裁判である。黒薮が読売の「押し紙」を30%~40%と推定したところ、読売が名誉毀損で約5500万円の損害賠償を請求してきた。

 裁判の中で、読売は黒薮に対して、読売の「押し紙」が30%~40%あるという推測の真実性、あるいは相当性を立証するように求めてきた。

 しかし、実配部数を公表する責任は読売の側にあるのではないかという意見も少なからずある。と、言うのも読売新聞には公共広告が掲載されているからだ。実配部数が不透明な媒体に、公共広告を出稿すること自体問題ではないだろうか。

 ところが日本の裁判制度では、真実性、あるいは相当性の立証責任は、被告側にあるらしい。と、なれば住民運動で新聞各社に実配部数を公表するように求めるべきではないかという声があがったのである。

 販売店の諸問題の元凶になっているのは、「押し紙」である。今、必要なのは、部数の透明化にほかならない。

 たまた読売が関係した2つの出来事が、全国「押し紙」ネットワーク発足の引き金になったが、 改めて言うまでもなく、読売に対抗するためのネットワークではない。新聞社の系統を問わずに、係争中の販売店主支援と、部数の透明化を目標とした活動を展開していく。

 

◇高屋肇さんのあいさつ             

  皆様は「押し紙」という言葉をご存じでしょうか。「押し紙」とは新聞社が新聞販売店に搬入する過剰な新聞を意味します。たとえば販売店が1000部しか新聞を配達していないのに、新聞社が1500部を販売店に搬入したとすれば、差異の500部が「押し紙」という計算になります。もちろん新聞社はこの500部についても卸代金を徴収しています。

 日本全国で毎朝、新聞販売店に搬入される新聞の総部数は約4500万部。しかし、実際に配達されている新聞は、全体の6割とも7割とも言われています。言葉をかえれば、3割から4割は捨てられている計算になります。これを部数にすると、1350万部から1800万部にもなります。

 わたしは1997年に毎日新聞販売店を廃業するまで、約半世紀に渡って新聞業界に身を置いてきました。1980年代の初頭に、国会で新聞販売の諸問題が取り上げられた時期には、国会議員に「押し紙」に関するデータを提供したりもしました。

 しかし、新聞社は、その後も「押し紙」政策を改めることはありませんでした。それどころか「押し紙」政策の徹底しました。それにより、「押し紙」で新聞販売店が被る被害は、年々、深刻になっていきました。

 新聞離れが進むなか、2009年の現在では、搬入される新聞の5割が「押し紙」というケースも決して珍しくはありません。

  さらに問題なのは、「押し紙」と一緒に折込チラシも破棄されていることです。販売店に搬入される折込チラシの枚数は、原則として新聞の総部数に準じるために、広告主が自主的に発注枚数を減らさない限り、「押し紙」に相応する枚数が水増し状態になります。

 これは歴然とした詐欺行為ですが、もちろんこのようなカラクリは、新聞業界の秘密として、広告主には知らされていません。

 さらに新聞社は「押し紙」により、新聞の公表部数をかさ上げして、紙面広告の媒体価値をも高めます。紙面広告の価格は、公表部数に大きく影響されるからにほかなりません。

 改めて言うまでもなく、新聞社はジャーナリズムの旗を掲げたメディア企業です。そのジャーナリズムの職能集団が「押し紙」や折込チラシの水増し行為を行っているわけですから、見過ごせない大問題です。もちろん新聞社の闇を、新聞記者が報じることはありません。その結果、「押し紙」は知られざる大問題になっているのです。

  新聞社には、経営上の汚点があるわけですから、公権力の腐敗を追及するにも限界があります。本気で追及すれば、逆に新聞社が詐欺や独禁法違反のかどで取り締まりの対象にされかねないからです。日本の新聞ジャーナリズムが弱腰なのも、このあたりに真の原因があるのではないでしょうか。

 「全国『押し紙』ネット」は、「押し紙」や折込チラシの水増し問題を一般住民に知らせることを目的として、新聞販売店の関係者を中心に結成した組織です。メディアが「押し紙」問題を報じないのであれば、住民運動の力で不正な商慣行を世に問う必要があるでしょう。(全文公開)

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ゴーストライター
堂々と「押し紙」を回収。「押し紙」世界一。
新聞販売黒書の主宰者・黒薮哲哉の著書紹介
配達されずに破棄される折込チラシ
 
 
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